黄泉違い(全13話)
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お香さんからのお使いで天国まで行く事になったのだが付き添い(?)として椿さんも同行してくれた。
天国と地獄を繋ぐ門を通り抜け歩いていれば景色は一気に明るく変わり花が咲き乱れている。良いところだなあ。
なんて観光気分でいながら極楽満月と書かれた中国神獣の経営する薬局に着き、椿さんが
「ごめんください」
と扉を開けた。
「いらっしゃーい椿ちゃん、久しぶりだねぇ~」
そう白澤様がにこやかに迎え入れてくれると椿さんの手を取りご機嫌に話しかけていり。「今度僕と遊んでよぉ」の言葉を軽く流した椿さんは私を紹介しようと振り返ってきて私は椿さんの後ろから顔を出して見せた。
「こんにちは」
と小さく頭を下げ白澤様を間近に見れば、まあ確かに微妙に似てはいるような、でもしっかり見れば似てはいない。
「君だあれ?新しい子?僕は白澤、よろしくね!」
と椿さんの手を離し私の手を握りしめてきて
「可愛いねえ!あれ?鬼じゃないの?天女?」
などと色々聞かれるので「えっと」と呟き、椿さんに助けを求めれば椿さんは桃太郎さんと話しており私は生け贄とされたらしい。椿さん、ラブラブな恋人がいるらしいもんね。酷い。
白澤様に色々話しかけられるのを何とか誤魔化し、お香さんからのお使いの品のコレとコレが欲しいのですがとメモを渡せば白澤様は「任せて~
」と楽し気に薬の用意をしてくれた。
それにほっと息を吐き出すと近くで作業(?)をしているウサギの背をモフモフしながら店内を見渡してしまう。
色んな薬草が吊り下げられた天井と「千と千尋」の薬棚にカウンター。生で見ると結構広いなという感想を持ちながらポケッとしていれば
「レンちゃん」
なんて耳元で囁かれピャッ!と飛び上がってしまった。
「な、な、な、なに?!」
耳を押さえその場に腰を落として白澤様を見上げれば白澤様はニッコリ笑って
「レンちゃん耳が弱いんだ」
かーわいい、と悪そうな顔で私を見下ろしてきて肩を抱き寄せられてしまう。もう一度椿さんに助けを求めようと視線を向けた、瞬間、私の横にいた白澤様が勢いよくぶっ飛んでいき私は目を丸くしてしまう。何があった!?
思わず辺りを見渡そうとすれば黒い着物が目に入り
「私の部下にセクハラをしないでいただきたいのですが、白澤さん」
「ほ、鬼灯様…!!」
「出やがったな闇鬼神…!」と呻くような声が聞こえるも鬼灯様は気にもせず「大丈夫ですか」と言いながら私を立たせてきて、その手を取りながらチラリとぶっ飛ばされた白澤様を見てしまう。
「…どこが似てるんだよ…」
思わずそう呟きながら立ち上がると私を生け贄にした椿さんと桃太郎さんがこちらを見ており、椿さんは苦笑い、桃太郎さんは虫を見る目で白澤様を見つめている。
そうしていれば白澤様が「くそぅ」と悪態をつきながら立ち上がり
「何の用事だよお前」
と言いながら私の手に薬の入った袋を乗せてきて、椿さんが桃太郎さんに代金を渡している。それを横目に見つつ鬼灯様は
「お香さんにレンさんがこちらまで用事を申し付けたという話を耳にしまして、もしや、と思ったのですが。やはりでしたね」
「…千里眼…」
私の呟きは無視され鬼灯様は金棒を肩の上でトントンと揺らし
「椿さん、レンさん、一緒に戻りましょう。桃太郎さん、お騒がせしました」
とペコリと頭を下げた。
椿さんは手をヒラヒラと揺らして笑い、桃太郎さんも頭を下げ、私は「一応」と白澤様にも頭を下げようとしたが白澤様はサササッと寄ってきたかと思うと私の耳元に口を寄せ
「またねレンちゃん」
と囁いてきて。またピャッ!と飛び上がった私は鬼灯様の背中に隠れるように逃げ
「全然似てない!」
と叫んでしまった。
ああもう!腰が抜けるかと思ったわ!
スケコマシとご対面。