黄泉違い(全13話)
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閻魔殿の食堂で食事をしようと(着替えは風呂の時でいいかと現世の服装のまで)歩いていれば見られる見られる。
そんな珍しい光景だろうかと思いながら、まあ珍しいのだろうなと1人納得し鬼灯様はしっかりと着替えているのだが私の横を歩いている。因みに童子ちゃんたちも洋服だ。
随分と気に入ってくれているようで嬉しい限りだ。
食堂のカウンターで鬼灯様はお刺身定食を、私は甘口カレーをお願いし、鬼灯様に誘われるようにテレビの前の鬼灯様のある意味定位置に着くと私もその正面に座らせてもらう。
テレビは現世の番組が流れている。
2人で手を合わせ「いただきます」と口にし箸とスプーンを手にする。
甘口カレーを混ぜつつ口に運んでいれば小さいが、立派なカニかはみ出した味噌汁を啜る鬼灯様を見ながらちょっと味わいたいと思いつつカレーを飲む。ここのカレー美味しいのよ。他のも美味しいけど。
鬼灯様と無言で会話をしながら現世番組を観ていれば、お昼の番組の一部が流れるも特に何も考えず横目に観ていればそこに私と鬼灯様の姿が映し出された。
思わずむせてしまえば、鬼灯様が「そういえば」なんだかインタビューされましたねと話しかけてきて、私は水を飲みながら一息ついた。
『カップルですか?今日のご予定は?』
なんて言われた気がする。ついで、とある食べ物の試食とその料理をレシピ無しに作れるのかとかなんとか。
某番組的なそのコーナー。マイクは私に向いていたが実際料理したのは鬼灯様で、見事プロ顔負けの完璧な料理を作ってみせたのだが、まあなんと言うか、何でもできるなぁと思ったのは口から出たのかは分からないが鬼灯様は少々ドヤっていた。拍手拍手。
時間としてそう、長くは映っていなかったがサラッと流れた所で私も鬼灯様も手を止めてしまい鬼灯様が
「カップル認定されていますね」
と小さく小さく呟いた。
そう、そうである。
私と鬼灯様が映った画面にはテロップでイケメンのお兄さんと恋人のV系のお姉さんと流れており、あの時しっかりと否定したのにちゃっかり恋人認定するとは…。私、地獄の住人(?)で良かった…そして現世の番組でよかった…。でないと鬼灯様のファン獄卒たちが怖いところだった。
テレビはもう別の内容が流れており私と鬼灯様の姿はない。それが救いだ。マジで。
私はカレーを食べきり水を飲めば鬼灯様も同じく食べ終えたようでお茶をすすっている。
「ごちそう様でした」
と私が手を合わせて呟けば鬼灯様も同じように復唱し、今日はこれでお別れだなと立ち上がろうとすれば鬼灯様がジッと私を見つめてきたため動くに動けず、椅子から半立ちの状態で固まってしまい
「まあ座ってください」
と言われてしまったので私は座り直し鬼灯様に向かい合う形を取る。
「な、なにか?」
「いえ、V系、というものが何なのかを知りたくて」
「あ、ああ、なるほど」
さっきの画面にもV系女子と流れたからなと思い出しつつV系についてを軽く説明すれば、色々と疑問を投げ掛けられた。それに一つ一つ答えていくと
「ろりーた、というものとツイみたいな物でしょうか」
「あー…ツイっちゃあツイ、ですかね…?」
「レンさんもロリータを?」
「ええ、まあ、私は甘ロリよりゴスロリですが、」
今度は「甘ロリ」と「ゴスロリ」の単語に食いついてきて、またそれについても説明していく。
にしても鬼灯様、ロリータが気になるのだろうかと考えていれば鬼灯様は顔を上げつつ顎に手を当てコテンと首をかしげていて
「亡者をビビらすのにV系というものもありですかね」
「恐い、というより『あいつ何その格好』の情報の方が大きいので特に意味はないと思いますよ」
それにガチのV系ではなく、『なんちゃって』でやられるのは私はちょっと嫌ですねと小さく小さく呟くと
「そういうものですか」
と返されたので
「そういうものです」
と頷いた。
でもその服装を仕事着にするのはメチャクチャテンションがバリ上がるが結局は着物になるんだろうなぁと1人ぼんやりと考えてしまった。
そういえばアメノサグメも着物ロリだったな。無し無しと首を振ってしまった。無し。
それこそ渋谷だよ