黄泉違い(全13話)
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鬼灯様は現世視察と言いながら子供服を選ぶ私に着いてきているだけで視察をしている様子もないし、童子ちゃんの服を購入するその代金をもってくれた。
そのまま夜まで歩いてから地獄へと戻っていくと早速にと童子ちゃんが駆け寄ってきて腰に抱き付かれてしまう。可愛いな。
内心で「可愛い可愛いんふんふ」としながらも、なるべく通常を装い紙袋を差し出した。そうすれば童子ちゃんはガサガサと中の服を取り出し2人同時に
「ピャー!!!」
と飛び上がって頬を高揚させている。可愛いってば!
私の好みでちょっとゴスッぽくなっているが周りの鬼たちがそれに気付くはずもないだろうし私は童子ちゃんを連れて鬼灯様の仕事場をお借りし童子ちゃんの服を着替えさせた。
「これとこれがセットでこの靴を履く」
そう教えてあげれば互いに帯を外しタグを取った服に腕を通し足を通しまた先程のように
「ピャー!!!」
と飛び上がって喜んでいる。
可愛い!撫で回しちゃいたい!!
なんてしていれば童子ちゃんは鏡で自身を見たそうな様子を見せたため2人を連れ大王の間に戻り、唐瓜君と茄子君もそこにいて。そしてお香さんも「あら」と笑っている。
童子ちゃんたちはどことなく自慢気な雰囲気で浄玻璃の鏡の前でクルクルと回って現世の洋服を楽しんでいる。
一子ちゃんはスカート、二子ちゃんは短パンにニーハイを履いていて、私の見立てに間違いは無かったと私も満足気に頷いてしまう。そんな童子ちゃんを見た鬼灯様は
「そのように組み合わせるのですね」
と呟いている。
着物が普段着の鬼には分からないのが不思議だ。着物だって帯との組み合わせや締めかただってあるじゃない、それと一緒よと思ってしまうのは私だけなのだろうな。
私は鬼灯様によって支給された携帯ではしゃぐ童子ちゃんたちの写真を撮ろうと構えていれば、それに反応した童子ちゃんは2人で決めポーズをとってくれた。
やはり、中々にご機嫌らしい。嬉しいことだ。
お香さんと2人で童子ちゃん撮影会を開いていればピロンと一通のメールが届き、また数枚撮り終えてからメール画面を開いた。椿さんからだ。
『もう帰ってきた?お土産ある?今どこ?』
という内容に私は笑ってしまいそうになりながら、今は閻魔大王の間にいると送り返せば秒で『そこにいて!』と指示を受けた。はい、います。
了承のメールを送り一息着いた所で鬼灯様が私を見ていたので「なにか、」と首をかしげれば
「やはり印象が変わるものですね」
としげしげと呟かれた。なんの印象だろうか。
またハテナ?と首をかしげ鬼灯様を見れば、視線がスーと下がり、短パンに編みタイツ、ブーツの私を見て目を細めている。そうか、着物だと足、特に太ももを出したりする鬼っていないもんね。衆合地獄除く。
鬼灯様はしばらく私の足を眺めていたが少しして頷くと
「着替えては、」
いかがですか、の前に椿さんが姿を見せた。そしてパタパタと駆け寄りパアッと顔を輝かせると
「可愛い!」
と抱き付かれてしまった。椿さんの胸が腕にあたり、女でよかったと思ってしまう。いいだろう、女で。
そうして私は鞄から現世土産の生キャラメルと生チョコを渡し椿さんは笑って喜んでくれた。椿さん可愛い、推しだ。
椿さんは私と写真を撮り童子ちゃんを見て子供服の可愛さに心を踊らせ、今度の休みは現世に行って私の現世洋服のコーデをしてほしいと手を握りしめられ頼まれてしまった。だから可愛いってば。
いちいち動作や仕草が可愛い椿さんと話しながら椿さんは私の洋服を見て足を出すことに躊躇いはないのかと話しかけられたのでそんな躊躇いは一切無いと言いきればなぜか拍手をされた。何でよ。
「椿さん夕食済ませてしまいました?」
「ごめんね!食べちゃった!」
「いいよー」
「ではレンさん、」
私とご一緒しましょう、と鬼灯様が突然こちらに話しかけてきたので今の会話を聞いていたのだろうかと思いつつ頷いて、椿さんが意味深に笑いかけてきたので三度首をかしげてしまった。
椿さんにミニスカートをはかせよう。