死んで魂がさ迷っちゃった
鬼神の執着(全31話)
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「は?本気?」
「本気と書いてマジです」
椿さんとスイーツをつつきながら思わず呟いて、そして相談に乗ってもらいたくて話しかけてしまったのは
「キスの仕方がわからないって……どんだけよ」
「初心者すぎてどうすればいいのやら……」
白玉を皿の中で転がしながら私の言葉、そう、先日鬼灯様が私の部屋に来て私の頭を撫で「好き」と言いそうになったが、恥ずかしくなって言えず、そして鬼灯様の薄い唇を見てキスをしたいと思ってしまったのだ。
鬼灯様の部屋に行くのも最近はなく、夜の方も今はちょっと休みというか、タイミングもなく。
私より長く生きて長くお付き合いをしている椿さんと言う私の推しにポツポツと尋ねると椿さんは小さくため息を吐き出しつつ「まあ、」と。
「鬼灯様に迫って、なんて、ちょっと想像でき無いし」
「でしょう!?」
「てか、一応夜はあったんだ」
「ゲッホ!!」
口に含んだ白玉が変なとこに入りそうになって思わずむせてしまいニヤニヤと笑いながら尋ねてくる椿さんの背中に黒い羽が見えた気がする。
「マンネリなんてほど付き合ってないでしょ?でもレンちゃんから迫ってみなきゃダメな時もあるでしょ。簡単なアドバイスならあるわよ」
「教えてください!」
しばらく咳き込んでから椿さんに食いつくように先を促すと椿さんは白玉を口に運びにっこりと言われた。
「お化粧をちょっと変えてみるだけで結構盛り上がるわよ」
「経験談ですか?」
「一般論。私はがっつり行くからレンちゃんの悩みがちょっとわからないなぁ」
「かっ、かっこいい!」
椿さんって自分から迫るのか!余裕で!さすがこの地獄で働いて80年!それくらいが普通なのか?!全然わからないし!それでも恋愛していなければ私もがっつり迫れって言いそうだけど、実際そうなると難しいなと考えてしまう。
「そんなにキスしたいの?」
「……というか……なんというか…いや、はい…したいです……」
そう白状すると椿さんは残りの白玉も食べきって椅子に座り直しておりにっこり笑顔で「可愛い!」なんて。
「鬼灯様からがっつりくる感じなの?」
「ガッツリきますね、がっつり攻めですね」
今ちょっとタイミングがなく レスになってますが、と小さく呟くとまた「可愛い!」なんて笑われ、笑い事じゃないですよ~!と頭を抱えてしまう。
「いいじゃない、レンちゃんも攻めになっておしまいなさい!」
「他人事だと思ってぇ~!」
「あはは!相談内容が可愛すぎて虐めたい!!」
ドSだぁ~と呻くと頭を軽く撫でられてしまい
「というか私、そもそもお化粧も苦手ですから……まあ一応お香さんに教習もしてもらって一応今の状態に落ち着いたというか何と言うか……」
「一応の多さ」
「いやほんと一応なんで…」
椿さんは「ふぅん」と言いつつお茶すする私を見てきて
「私がメイクしてみてもいいけど他に思い当たる人とか詳しそうな人とかいる?」
交遊関係は広くなってるから他の鬼女に尋ねて教えてもらったらどうかな、なんて言われ「詳しそうな人」でポンと1人の美女が脳裏を過る。
いや、でも結構危ないが……
「……妲己さん……」
「……レンちゃんの交遊関係、変に広くない……?え?あの九尾の…あのお店の?」
「あのお店の九尾のお方です」
椿さんは私を見つめ大きく息を吐き出すと「さっさとそっちに聞いてみなさいよ」なんてどこが呆れたように呟き
「国を傾けた実績あるんだから」
なんてかなり当然の言葉にハッとし、確かにとなる。でなきゃぼったくりしながら顧客は居続けるんだから本当に妲己さんを尋ねた方がめちゃくちゃ早いし。
まあその顧客に神獣も入ってるけど。
「聞いてみる……」
「がんば!」
他人事過ぎてちょっと切なくなってきた。
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