死んで魂がさ迷っちゃった
鬼神の執着(全31話)
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亡者の呵責を行っていた時、突然どこかで何かが破裂する音と、鋭い、そして甲高い悲鳴が耳の奥まで響き渡った瞬間、私は自分が死んだその光景を思い出してしまい、気がついた時には私は悲鳴を上げてその場にうずくまってしまっていた。
ちょうどお香さんが近くて働いていたのだがすぐ私に気が付くと私とシフトが一緒だった獄卒が、戸惑いしゃがみこむ私の背中を撫でてくれていたのだが私はパニックに陥ってしまいまた悲鳴をあげてしまう。
あの時、子供をかばったことに後悔はないし死んだことに対しても特に物申したいわけでもない。音が、怖かったのだ。
激しいクラクションとブレーキ音と周囲からの甲高い悲鳴の数々。
痛みなどはなかったのだが。
両耳を塞ぎ目を見開きボロボロと流れる涙を拭う余裕もなく全身を震わせていたら、タタタ、という駆け寄ってくる音もあったのだろうが一切聞こえてはこなかったのに
「レンさん、落ち着いて」
そう肩を抱かれ固まったまま 耳を塞いでいた手を握りしめられ言葉も出せず顔を上げるとそこには私のことを見つめてる鬼灯様の姿があり、ふっ、と全身の力が抜けた。
ほぼ気絶に近いそれに鬼灯様は抱き止めてくれてふわりと抱き上げられて。
「お香さん、すみませんが少しレンさんを休ませてもよろしいでしょうか」
「大丈夫よ、連れて行って。落ち着くまでのシフトは調整できるから一緒にいてさし上げて」
「すみません、失礼します」
そんな会話をどこか遠くで聞きつつすぐそこにある赤い襟を握りしめ固まってしまう。
鬼灯はすぐ刑場を抜け閻魔殿内にある鬼灯の自室のベッドに下ろされ顔を覗きこまれ声をかけられる前にベッドを下り、その場に押し倒す勢いで鬼灯様に抱きついてしまった。
「や、やだ、ひとり、いや、やだ、いかないで、やだ……ひとり、いやだ、だめ、やだ……」
それ以外の言葉も紡げず震えたまま鬼灯様に抱き付き体は硬直してしまい
「分かりました。ここにいます」
なんて優しい力で抱きしめられてしまった。
鬼灯様もお香さんも同僚もみんな忙しいというのに、そんなことも考えられずただ目の前にある大好きな存在から離れることなどできず鬼灯様は何も言わず抱き締め続けてくれた。
1時間ほど経ったのか、それとも10分にも至っていないのか分からずボロボロと泣いている私はガチガチに固まった手を何とか動かし鬼灯様にしがみついてしまう。
鬼灯はちょうど一息ついていたところでお香から電話が入り「レンちゃんが、」と全てを聞く前に金棒 片手に閻魔殿から出て行ってしまったのだが。
駆けながら詳しい内容を聞くと大きな破裂音を耳にした瞬間、叫び声を上げ踞ってしまった、誰の声も聞こえていない様子で、と。
レンさんが初めて来た時に己でトラックに轢かれて死んだと説明してくれていたが、その大きな音で死の瞬間をフラッシュバックさせてしまったのは容易に想像できてしまい、鬼灯は通話を切って舌打ちをしてしまう。
やはり、愛しい方とは同じ場にいて欲しかったと。
衆合地獄の刑場でレンさんはお香さんと同僚に囲まれており大きく震える体を抱き上げ自室に向かう。
一人、寮になんて置いておけるはずがない。
レンさんは私にしがみついたままボロボロと涙を流して言葉も出てこない。
暇なわけでもないし私情で仕事を放り投げられるはずもないのに大王から「側にいてあげて」わしは何とか頑張るから、なんて連絡が入り、ならばと己に言い聞かせ大切な存在が泣き止むまで抱きしめていてあげたいなんて。
鬼神として呆れてしまいそうになったがレンさんを1人でいさせられないと己の心に言い訳をした。
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