死んで魂がさ迷っちゃった
鬼神の執着(全31話)
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「レンさん、戻ってから説明してください」
「見たまんまですよ!どうせ全部聞いてたんでしょう!」
白々しいと睨み付けプイと顔を反らすと鬼灯様が無言で近付いてきて腕を掴まれる。白澤様みたいに優しくない掴みかた。振りほどけない怒気。
「レンちゃんが嫌がることするなんて最低だ!さっさとその手を離せよ!レンちゃんは僕と付き合うんだよ!」
やーい!振られてやんのー!と煽る白澤様に鬼灯様はもう一撃食らわせ私を勢いよく引き寄せてきて私は軽く抵抗して鬼灯様の胸を押しやると鋭い目付きで睨まれた。
「…本気、なんですか」
「何がですか…」
「先ほど、こいつに好きだと宣ったことを」
「やっぱり聞いてたんじゃないですか!今更聞き直してくるって何なんですか?私の本音を疑うんですか!?」
そう言いつつ鬼灯様から距離を取ろうとしたがしかし、また一歩近寄ってきて手首を掴まれもう片手は白澤様が握りしめてきて。
三つ巴になりつつ無言で顔をそらすと鬼灯様の手から力が抜け離されてしまい、またこぼれる涙をハンカチで拭いながら鬼灯様を見上げると見事に『無』であった。
怒りも悲しみも不愉快そうなのも何もない『無』。
「……そんなにそいつがいいんですか?好きと、言うほど」
「男の嫉妬は醜いよ~?僕ならレンちゃんを愛せる」
なんて白澤様の言葉も無視し、というか聞こえていないのかただとにかく私を見つめてきていて、私はグスッと鼻を啜りながら鬼灯様を見上げ小さく息を吐いてしまった。
鬼灯様の肩がほんのわずかに揺れ、そのまま背中を向け行ってしまった。それに対して思わず手を伸ばし
「っ、待って……!」
と袖を掴んでしまったがその私の言葉に鬼灯様は歩みを止めず、けれど振り払うこともせず、私はまた泣きながらしゃがみ込んでしまった。
もう何が何だかわからなくなって頭が混乱してしまう。
仲直りはしたい。でもさっきのことは許したくない。だが鬼灯様は謝ってくれたしここまで来てくれたが、何より、あんな表情をさせてしまって、どうすればいいのか誰か教えて欲しい。
「ふっ……えぇ…うぅう~……」
溢れる嗚咽と涙を両手で隠すようにしたくても何もとまらないし隠しきれないし、許せなくても鬼灯様のことはどうしても好きだし、死んだ上にいい歳して号泣してしまったのが恥ずかしいので本当に訳が分からない。
「レンさん」
「レンちゃん」
そう2人に名前を呼ばれるも、涙でぐしゃぐしゃになりつつ首を横にふる。
「ごめんなさい……ごめんなさい……置いてかないで……ごめんなさい…ごめ、」
「もう謝らないでください」
「っっ!」
それは、つまり、見限られたのだろう、もう後がない。
しゃがみ込む体勢も保っていられなくなりその場にペタリと座り込んでしゃくり上げてしまって、ああ、もう
「最低な恋人でごめんなさい」
とつぶやき、そして
「レンさん」
と低い声でもう一度名を呼ばれ抱き上げられた。
「レンさんの想いを寄せる相手は?」
「ほっ、ずき、さまです…きいてたでしょ?何で、そんなこと、きくんですか?」
「……白澤さん、ではなく?」
「ほ、ずきさまです!私は、ほうずきさま、を、好きって言ってました!」
もう一度「聞いてたんでしょと!」ベショベショになりながら見上げると深いため息を吐き出された。
呆れられた……呆れられた……もう鬼灯様は私のことが好きじゃないんだ……。
そりゃそうだ。いくら当て付けでも他の男に泣きつくなんて最低だ。もう嫌われたってしょうがない。自業自得だ、こんなの。別れましょう、って言われたら……強く目を閉ざし
「わた、」
し、と口を開いた瞬間、ぐいとした浮遊感のあと口を塞がれ驚いき目を開くと目の前には鬼灯様の顔があり、
「んっ、あっ……」
と、じゅう、と舌を吸われた。
「っ、え……?」
「戻りますよ」
そう鬼灯様は呟き歩きだした。え?
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