死んで魂がさ迷っちゃった
鬼神の執着(全31話)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夕方、シフトを上がって庁内にある食堂に行くため閻魔殿に向かい閻魔殿の間にいる鬼灯様に視線を向けた。
正直鬼灯様による権力という脅しで私に良からぬことを目論む輩が消えたのはいいことだし、食事くらいは顔を合わせたいと言われたがために時間の少ない鬼灯様に時間のある私が付き合っている。
6時半を回り閻魔殿に顔を出すとちょうど鬼灯様がカートに巻き物を乗せていたので上手くかち合えたとそれを手伝い閻魔様が「助かる~」なんて言ってくれたのでサムズアップで答えておいた。
書庫で片付けも手伝い「ありがとうございます」と言われながら誰もいないのをいいことに抱き寄せられがっつりとキスをされる。
何と言うか、慣れた。慣れたくない。
一頻り深い口付けを受けクラクラしつつも手を引かれると食堂に向かい、鬼灯様は天丼を、私はオムライスお願いし定位置に腰を下ろし互いに手を合わせ「頂きます」と。
「うっ……オムライスいつでも美味しい……」
「このところよくオムライスを食べていますね」
「マイブームです」
オムライスをパクパクと口に運び、鬼灯様は大きな丼を手に天ぷらとご飯をかっ込んでいるのに、とても上品に食べているので1人感心しながは鬼灯様を見てしまう。
「私に見惚れているですか?」
「いや違います。鬼灯様の食べ方、上品だなって」
そう伝えてから私はオムライスを口にし食べていると長い沈黙のあと鬼灯様がずいぶんと長いため息を吐き出した。何だろうか。
「無自覚に煽らないでください、困ります」
「煽ってません、感想です。美味しいものを美味しく食べられる人って好きなので!」
そう力説すると鬼灯様はまたため息を吐きながら丼を持ちまた食べ始め私も残りを食べきった。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまです」
そう同時に手を合わせトレーを持って立ち上がり揃って食堂を後にし、人気の無い廊下で鬼灯様は私の手を引き、また、抱きしめられる。
そしてそのまま耳元で囁きかけながらキスをしてきて
「ちょっ、んっ……!それ、やめて、くだ、さ、いってば!!」
めちゃくちゃくすぐったいので笑い出しそうになるのを耐えるのに必死なのだ。
後なんか普通にゾワゾワするので嫌だから。
しかし鬼灯様は気にせず片手で腰を抱き私の耳たぶの、そう鬼灯様に貰ったピアスを撫で額に口付けられる。
全然知らなくて当然だけど鬼灯様はスキンシップやボディタッチがめちゃくちゃ多い。まあ時と場合はちゃんと気にしてくれている上に仕事やら何やらと色々できるためそんな彼氏ってちょっとスパダリに近くないかと思う。
性格についてはあまり言えないが。
「明日はお休みですよね?」
「お休みなので散歩に行きます」
なんせ地獄は広いしまだ行ったことのない場所が多く他の地獄で苦しむ亡者の観察も楽しいが、ふと鬼灯様は黙り込み見下ろしてきたので見上げ視線を合わせ首を傾げてしまう。
「どうしました?」
「私も明日は休みです」
「!珍しい!ゆっくり過ごしてくださいね」
それは本当に率直な感想であり思わず弾んだ声と笑顔で言葉を投げると鬼灯様は突然不機嫌になった。というか悩んでいるに近い。
「……レンさん」
「はい?」
「私と貴女の関係は?」
「恋人ですよね?」
この掛け合いも慣れたもので私は定型文で返しまた首をかしげると舌打ちをされ眉を寄せられた。
「あなたに欲はないんですか?」
「何の欲ですか?」
大きく息を吐き私の首筋撫でながら
「恋人で休日が重なったとなったら答えは一つでしょう?」
「……一緒に過ごす……的な?」
「私にデートを申しこまないんですか」
それについては私もちょっと考えていたこともあったが正直に言うと鬼灯様多忙なため折角の休日はゆっくり好きなことをして過ごしてほしい、これが私の鬼灯様に対する欲である。それをどう説明しようか悩むも、まあはっきり言えばいいかと口を開く。
「好きにゆっくりお過ごしください」
そういった瞬間、鬼灯様が私の腰を抱く手に力が入り
「いいでしょう、分かりました。好きに過ごします」
そう呟いた。
え、何で怒ってんの。怖いんですけど。
→