黄泉違い(全13話)
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鬼灯様としっかり今後白澤様と飲まないようにと約束させられてから私は着替えをもって大浴場に向かった。そこにはお香さんと椿さんもいて
「あら」
「レンちゃん」
と着物を脱ぎながら微笑みかけられた。
良いだろう白ぶたコノヤロウ!お前の大好きな女の子と裸の付き合いをなんの隔たりもなくできるんだ!羨ましいだろ!!
なんて脳内で八つ当たりをしつつ扉を閉め先に脱ぎ終わって浴場に行く2人の背中を見てから服を脱ぐ。
私やお香さんたち以外にもチラホラと鬼女もいて、どうやら皆さんお風呂の時間らしくある程度には賑わっている。
短い髪を洗って身体を洗ってから気付いたのは私の耳たぶにピアスがない。そういえば白澤様と揃いのピアスを着けていたが鬼灯様の手に渡ったのだ。そりゃ一つ足りないわな。
そう思いだせば耳がちょっとムズムズするのだがまあ仕方ない、気にするのはやめよう。
穴は開いているからまたどこかで買えばいいかと泡を流し浴場を出た。
身体を拭いてから甚平に着替え女子寮に戻る。その途中で鬼灯様とかち合った。
本日2度目ですね、お疲れ様ですこんばんはと声をかければ鬼灯様はツカツカと近付いてくると、まだシットリとしている私の髪を払いどけ随分と優しい手付きで空いているピアスホールにピアスを通された。
「え?え?なんですか?」
とピアスを指で触れれば何かの形をしているがそれが何の形かは分からない。
一体何だと混乱していれば鬼灯様は
「外さないようにしてください、いいですね?」
と凄まれたのでコクコクと頷いて、鬼灯様は一歩下がって私を見ると小さく頷き
「今度2人で飲みに行きましょう。亡者用の酒があるところで」
何か苦手なものは?と問われたので「炭酸でなければ」ある程度…一、二杯までならいけますと答え鬼灯様は
「暇を作って連絡しますので」
その時はお付き合い下さいと頭を下げ私が返事をする前に行ってしまった。
なんというか、ぽくない。
普段ならちゃんと相手の答えを例えどんなに忙しくても聞くタイプなのにどうしたのだろうか。
首をかしげながらまあいいかと判断した私はそうして寮に戻り布団を敷いて、ふと思い立ち鏡で耳たぶを見て言葉を失くした。
鬼灯の形のピアスだ。
これをいつも着けていろって、何それ付き合いたての恋人かよ、横になったら壊れるんじゃない?でも外したらきっと明日には忘れるんだろうな。しかも他人を牽制するようなオーラを伴っている気もしなくもない。だが壊れたら恐いのでピアスを外し鏡の前に置く。そうすれば朝に服と髪をセットしている時に気付くだろう。
明日以降の私に幸あれ。
なんて思いつつ電気を消して布団に潜り込んだ。お休みなさい。
翌朝、アラームの前に目を覚ました私は着物に着替え鏡の前で調節し、鏡の前に置いてある鬼灯の形のピアスを空いた穴に着け朝食に向かった。
そうすれば食堂でお香さんと椿さんと顔を会わせ2人の鬼女にそれはもう優しい笑みを浮かべられた。
「可愛いピアスね」
と2人は呟き、付き合い始めたのは本当なのねと言われ私は混乱してしまった。
今、なんて……?
この後、当然のように
「私の恋人です」
としれっとした鬼灯様に頭を抱えてしまうのは仕方がないだろう。と思うことにした。
鬼女たちになんと言われるのだろうか、勘弁して下さい。
続?
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