黄泉違い(全13話)
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これは、どういったことだろうか。
「レンさん、どういうことですか」
鬼灯様、私のセリフとらないでください。
事は少しだけ戻る。
妲己さんの妓楼から脱出することに成功してなんとか閻魔庁に戻ってこれたのだが調度鬼灯様が中庭の金魚草に水をやりおえたところで私を見ると一にもなく早足で近付いてきて腕を掴まれたのだ。
本当にどういう事かを尋ねたいのは私の方である。
鬼灯様はじっと私を見下ろし顔を近付けてくるとクンと匂いをかがれ、いつも鋭い目を更に鋭くさせ、もう片方の腕が、指が、私の耳を撫でる。正確には耳たぶを。
思わずピャッとなりそうになりながら、耳たぶをなぞる鬼灯様の指がスーッと引かれたと思ったらその指先がギリギリ視界に入り赤いヒモが目に入った。
赤いヒモ?
鬼灯様の指からヒモに触れ、クンと引けばそれは私の耳たぶに繋がっており
「え?え??」
と困惑しながら耳たぶに着いていたピアスを外しよくよくと見つめてしまった。
「なんだコレ」
白澤様のピアスによく似ているが、私はこのようなピアスは持っていないぞと首をかしげていれば鬼灯様の口から
「何処かに行っていたのですか?」
白澤さんと妲己さんと、と。
断定されているのが恐ろしい。
中庭の階段と廊下に立っていても身長はまだ鬼灯様の方が高いし見下ろされながら「なぜ」妲己さんといたと断定されたのか、の方が強いけれど、
「…よくお分かりで」
と仕掛けてみれば
「甘いアルコールの香りがしたので」
そしてレンさんは妲己さんと仲がよろしいようでレンさんはお酒を飲まない。が、白ぶたと揃いのピアスを着けている、その場所としたら妲己さんの妓楼しか浮かびません。なんて。
ピアスを指でつまんだまま「その通りです」と拍手をすれば鬼灯様の眉間にシワが寄り
「レンさん、もしかして…」
「寝てません!オアソビしてません!」
そう鬼灯様の言葉の前に言葉を被せ声を出せば鬼灯様はただとにかく無言で見下ろしてきたので、気まずくなってしまった私はそろりと視線をそらすが肩を掴む手に力が入り
「私の目をしっかり見なさい」
「ヒッ…ひゃい…!」
「それで、何故あいつと揃いのピアスを着けているのですか?」
「あー………」
と呻いてから鬼灯様を見上げ先程までのことを説明する他なく、ちょっと省くところは省いて軽く話し終えるとそれはそれは長いため息を吐き出され
「頼みますから」
アイツ以外の男とも飲まずに一線を越えないでください、と低く低く呟かれたので私はとにかく必死で頷いておいた。
目が怖かったんだよ!
酒でダメになる例