ピエロのワルツ(全33話)
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服も中途半端に脱いだままと言うか着たままで行為に至ってしまったし、ウタ君がグールだったからといって私は通報する気もなく抱きしめてくるウタ君にすり寄って黒と赤の瞳を見て笑ってしまう。
「なんで笑ってるの?」
「ウタ君が可愛くて」
ふふっと吐息を漏らせば、ウタ君はきょとんとしたまま私の事を見つめてると顔を寄せられバードキスがふってくる。 それを受け止めていればウタ君は不思議そうに首を傾げ体を起こし私の足に跨がるように座り見下ろしてきたので私も体を起こそうとすれば、胸をトンと押されまた倒される。
「ウタ君、ちょっと今日はもうしないよ」
「……分かった。柚木さん、気付いてたの?」
何を?と問いかける視線を送るとウタ君はそっと顔を寄せ鼻と鼻をくっつけるようにしてくると
「僕がグールだってこと」
と楽し気に口にした。それに対し私は少し悩むと「あのね」と口を開き
「気づく…というか雰囲気からなんとなくね」
あと、グールが人を襲ってるって事があると、ウタ君絶対私のところに来て部屋に帰るまで送ってくれるし、厄介事があってもウタ君が解決してくれるもの、と。
「あとね、」
「うん」
「ウタ君が争ってるところ、一回だけ見ちゃって……」
「どれ?」
「どれって…ふふ……」
私はそう笑ってからウタ君の頬を包むように手を当てればウタ君は目を細め額を合わせてくる。それにまた笑いつつ
「そんなに争ってるの?」
と言ってしまいウタ君は私と同じように小さく笑い口付けてきた。その優しい触れ方に私からも唇を重ね合わせると
「ウタ君恋人いないの?」
と問いかけてしまった。
だってウタ君、可愛いし格好いいし優しいしキスだってめちゃくちゃ上手いんだもん。いるだろ、相手くらい。
私とウタ君が体を重ねるのはまだ片手だけで足りる程度なのだけれど、そんな私の問いかけにウタ君はコテンと首をかしげ
「いるよ」
と笑った。
「柚木さん、僕の恋人でしょ?」
「え、私ウタ君の恋人だったの?」
「違うの?」
その言葉は一瞬背筋がヒヤリとするほどに冷たかったので思わず身体を強張らせてしまうが、それでも笑ってウタ君の頬を包んでいた手をウタ君の背中に回しギュッと力を込めて抱きしめた。
「言葉が欲しいなあ」
と呟けばウタ君の手が私の背中に回り抱き締め返してくると
「柚木さん好きです。これからも僕と付き合ってください」
なんて恥ずかしげもなく耳元で囁いてきてその甘い言葉と熱い吐息に体が跳ねてしまう。うわ……年下恋人できた。
「柚木さんは?」
と言いたげな雰囲気に、私も息をもらしウタ君の背中を撫でながら少し考えると
「ウタ君のこと大好きだよ、CCGに捕まらないでね」
と笑って囁いてしまった。それにウタ君は体を起こし見下ろしてくるとジッと私の目を見つめ楽しそうに笑みを浮かべ目を細めてくる。その表情が何とも可愛らしい物で手を握りしめられると私も起き上がり特にバードキスを一つ送った。
「そう言って通報しない?」
「するならとっくにしてるよ」
「そっか」
「それに、通報したら恋人いなくなっちゃうじゃない」
ウタ君は私はその言葉にキョトンとしてしまっているがすぐ嬉しそうに笑うと言うと抱きしめられてしまい首筋に唇を押し付けて強く吸われてしまう。
「待って何してるの」
「僕の恋人って印つけてるの」
「もー…勘弁してよ……髪の毛縛れない」
ウタ君はいくつもいくつも強く吸い付いてきたので思わずそう言ってしまえば「いいじゃん」と。
「恋人いますって見せつけてあげてればいいよ」
「誰によ」
「会社の人」
「待ってそんな見える場所につけたの?」
ウタ君は白々しくうんと頷いてくると己の首を晒し
「柚木さんもつけて」
という可愛らしいお願いに笑ってしまった。
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