ピエロのワルツ(全33話)
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ウタ君に抱き潰された翌日、全身筋肉痛になり、主に腰と言う下半身が怠くとも出社の用意を整えアパートを後にした。
そしていつも通りウタ君が部屋の前に立っていて、アパートから会社に続く大通りまで軽い会話をしてから別れた。
体力おばけと思いつつヘロヘロで会社に着くと
「昨日はよく休めた?まだちょっとふらふだよ?」
問いかけてくる優しい同僚にと「大丈夫」笑って答えデスクに着いた。
早く座りたかったんだよ。
季節は夏に差し掛かる中一応社内は適温に保たれているが鞄はデスクの下に、ジャケットを脱いで椅子にかけてからパソコンを立ち上げようとしたら社長から呼び出しがかかったのでジャケットを羽織羽織直し隣のデスクにいる同僚に笑われた。
いいように使われてるな、という意味だろう、理解してます。私もそう思います。
社長室に行き「まあ座って」とソファーに座らされると一通の茶封筒に前に訪れた20区の支店名が書いてあり、私はあからさまに嫌な顔を向けてしまった。秘書にやらせろよ。
なんて思いつつ書類を受け取り社長が笑って
「君関係の仕事だから」君にしか分からないんだよ、なんて言ってきたので大きくめ息を吐き出すとわかりましたと答え立ち上がる。
腰が抜けそうだよ。本当に勘弁してほしいと思いながらデスクに戻り鞄を持つと隣の同僚に「出てきますので、」と伝え会社を後にした。
もう社長専用の車よこせ。
と大きなため息とともに吐き出してからタクシーを呼び停め20区に向かう。
走るタクシーの窓から外の景色が流れていき、一昨日のウタ君の捕食が嘘のように思えてしまう、それくらいのどか。
ぼんやりと窓の外を見る私にタクシーな運転者は特に何か話しかけてくることもなく業務についており、鞄の中の携帯が震えている。それに気づいた私はその携帯を開き「社長」と表示されているそれに特に何か考えることなく通話ボタンを押し
「はい」
と耳に押し当てた。
『今どこ?タクシー?』
「タクシーですけど…」
『そう?よかった。実はその書類を渡す相手がさ、』
大の甘党だから手土産にショートケーキを持って行って欲しい、と今更なことを言われ「はあ?」なんて声が出てしまった。
だがしかしそうなら行き先をアンテイクにしてもらい、社長と二言三言話してから通話を切りそこでタクシーの運転手がちらりとミラー越しに視線をよこしてきた。
「あ、電話すいません…」
『いいよいいよ、お姉ちゃん』
と運転者笑っていたが、なら何で見てきたのかと首を傾げてしまうがまぁいいだろうと目的地にたどり着き料金の領収書をもらいタクシーを降りる。そんな私私の背を見ているタクシーの運転手に気づくこともなくアンテイクを見てオープンの看板に中に入ることにした。
チリンという音ともに入店すればいつしかのマスターが私を見て「お久しぶりです」と言ってくれたので言葉を返し ケーキのテイクアウトはできるのかを問いかければ
「できる」ということを教えてもらった。
ショートケーキとシフォンケーキを購入し、「また」と代金を払い別支店に向かう。
ビルに入り受付に声をかけ通されると、20区の支店の社長にケーキと書類を渡せば今度はすぐ
「ありがとね」
と言われ別の書類を渡された。
戻っていいよと手を振られその尊大な態度に本社の社長実はめちゃくちゃいい人なのでは?と思いつつ頭を下げてから支社を出るとアンテイクに戻った。
書類の確認がてらコーヒーを頼みペラペラとまくっていればコーヒーを置かれ軽く礼を述べながら読んでおく。
コーヒーのカップを口に運び胃を温める。
書類を確認し終え本社の社長に電話を入れればすぐ電話口で社長が出てくれて「20区にいるなら」美味しいコーヒー豆でも買ってきてと、言われた。
それ、私の業務内容に入ってます?
思わずそう言いそうになったがそれより先に「はあ?」と言う声がもれてしまい、電話越しに社長の「お願いね~」という言葉が返ってきて大きく溜息を吐くと
「分かりました」
と通話を切った。
そうしてちょっと冷めたコーヒーを飲みま、マスターにコーヒー豆を売ってもらうと私の飲んだ分も経費にしてしまえと領収書をもらいまたタクシーを呼び止めた。
調度アンテイクの前にタクシーが止まりドアが開かれたので乗り込めばタクシーの運転手に「さっきのお姉ちゃん」と言われたので反射で
「お疲れ様です」
といえばタクシーは動き出し、なんとなく嫌なものを感じたので
「あの、止めてください」
と言ったのにタクシーは無言で走り続けていった。
……え?
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