ピエロのワルツ(全33話)
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私とウタ君が合流したら蓮示君が袋を差し出してきたのでその腕を掴み、
「ウタ君もおいで」
と家に誘いこめば、ウタ君は嬉しそうに、だがやはり不思議そうにしているので二人を座らせてから簡単に経緯を伝えれば
「蓮示君、そいつの顔覚えてる?」
と不吉なことを口にしていたため聞かなかったことにして、上達したコーヒー淹れ行い二人の前に置く。
ウタ君はいつものごとく嬉しそうに、そして蓮示君は戸惑いながらもコーヒーを口にしてくれて、あまり表情はないがまずいというわけではなさそうなので一人ちょっと安心する。そう安心しながらもウタ君がまた蓮示君に私を襲った相手の顔を訪ねているので私は自分のぶんのコーヒーをすすり聞かないふりをする。
聞いたっていいことないでしょ、絶対。
そう一人頷きポツリポツリとなされる会話をバックに買い物袋を整理することにした。
先日ウタ君が似合いそうだと押してきた白い生地の服と新しいコーヒー豆。後は食材。
今日はもうお惣菜ですますつもりでいたので二人が帰ってから夕飯の支度にとりかかることにして私は二人の会話が途切れるのを待ってコーヒーを飲む。
ウタ君は全てを聴き終えると
「柚木さん安心してどうにかしておくから」
「ど、どうにか……」
って、どうにか、だよな…ちょっと怖いぞウタ君、蓮示君。
けれど突っ込むのはまた面倒なため「怪我はしないでね」といえばウタ君は「大丈夫だよ」と笑い蓮示君はじっと私を見てくると
「ウタは怖くないのか」
と問いかけられてしまった。ごもっとも。
付き合いはまぁだいたい1、2年くらいだけれどしっかり恋人なったのはごく最近で、さて何と答えるかと腕を組むとウタ君は私ににじり寄ってきて
「僕の恋人だから怖くない」
と答えている。そうだけどそうじゃないような、うーん……難しい。
そう悩んでいれば蓮示君は眉を寄せ「ウタ」と呟いた。何を言いたいか分かるよ蓮示君。そういうことだろう。
「ウタ君を通報したりしないのかとかそういうことを言いたいんだよね」
と苦笑いで問い返せば蓮示君は無言で肯定を見せ、ウタ君が私の腰を引き寄せ抱きしめてきた。
「僕たちラブラブだから大丈夫」
「…」
「蓮示君、大丈夫。ラブラブなのは本当だし私は絶対にウタ君とイトリちゃんと蓮示君を通報しない。だってここまで関わって通報するだなんてナンセンス。私も罪に問われるんだから」
「……」
「…納得できない?」
だよなぁと普通とぼやけばウタ君が私の耳は両手で覆うと何事かを蓮示君に呟いており、すぐ近くにいたが聞き取れなかったので首をかしげるも二人はポツリと話し終え両耳が解放された。
何を話したのか疑問だが、私に聞かせたくないと言うことで耳を塞いだのだから訪ねることはせずコーヒーに口をつけた。
「……柚木さん」
「なに?蓮示君」
「またコーヒー入れて下さい。失礼します」
「いつでもおいで!」
そしてウタ君と一緒に蓮示君を見送ると蓮示君は軽く頭を下げてから行ってしい自宅の扉を閉めるとウタ君は私のことを抱き上げてくると驚く間もなくベッドに押し倒されてしまった。
明日も休みだし、まあいいかと笑ってウタ君のことを抱きしめ返すと唇同士が重なった。
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