伏黒と先輩
我に叫べ(全8話)
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とある麗らかな日差しの休日。珍しく任務などが入っていない原雲は私服で出掛けようと職員室に行き近くの駅まで車をだしてもらおうと声をかけた。
伊地知は胃を押さえ新田が手を上げてくれた。
そうして車に寄ればそれを伏黒が目にして伏黒の「原雲先輩」の声に原雲と新田は振り返る。
「伏黒君どうした」
の言葉に伏黒はTシャツジーパンカーディガンを羽織った状態でいたので原雲に駆け寄ると
「買い物ですか」
と尋ねかけた。それに原雲は「そうだよ~」と笑い、今度は新田にも顔を向け「俺も同行していいですか」と。
「オッケー、用意しておいで」
「待ってるっス」
その二人の言葉に甘え伏黒は自室に戻りマッハで荷物を整えると外の車まで戻り、それを視界にいれた二人は車に乗り込み原雲の反対に伏黒は乗り込んだ。
「虎杖君とバラちゃんもプラプラしてるらしいよ」
「誰情報ですか」
「本人」
「…おれ先輩の番号知らないんですけど」
「そうだっけ」
まああんまり関わる機会が無かったし合同任務も無かったならねえと呟いた原雲はスマホを取り出すとそれを揺らし伏黒もスマホを取り出した。
二人でメッセージアプリを開くと互いに入力しあい確認のように原雲からスタンプが届いた。何とも言えない、猫のよろしくスタンプ。
車は高専最寄りの駅に着きそこからは電車で街まで繰り出すと原雲は特に迷うこと無く本屋に向かい伏黒もその後を着いていく。
「伏黒君の用事は?」
「特にありません」
「?何できたの?」
心底不思議そうに首をかしげた原雲に伏黒はしばし黙り込むが原雲を見つめると小さく小さく呟いたのは
「デート、したかったんすけど」
というもの。
「デート」
「…繰り返さないでください」
「デートの正しい意味知ってる?」
「異性と時間を決めて出掛ける事じゃないんですか?」
「それは日本流。まあ海外でもそうなってきてるけど」
「そうなっている?」
原雲は歩きながら伏黒を見ると
「古い意味では日時と時間を合わせて友達とかと遊びに行くことで異性が二人きりで遊びに興じるという意味ではないんだよ、確か」
日本人は解釈を変えるの好きだし得意たからねぇと原雲はカラカラと笑い目当ての本屋に着いた。
原雲はそのまま時代小説の棚に行き本を数冊手にすると他には目も向けずさっさと会計に向かっており、伏黒も系統は違うも同じく本を数冊もち原雲に続く。
会計を済ませた二人は本屋を後にし「どっか」行きたいところある?と原雲に尋ねられたので伏黒は軽く俯き少し考えると
「デートしたいです」
「今してるじゃん」
「“男女の”デートをしたいんです」
「ふーん」
変わってるなぁと原雲は呟いたが鞄を背負い直し
「ほら」
と手を差し出してきて伏黒へピタリと口を閉ざす。それでもヒラヒラと揺らされた手を見つめ非常に緊張しながらもその原雲の手を握りしめた。そして原雲は指を絡め握り返してきて伏黒の心臓は爆音を奏でている。聞こえるはずもないし伏黒も顔には出していない。出せるわけ無い。
変に緊張してしまうのは思春期が悪い。
そう言い訳しながら黙りこんで歩いていれば「伏黒君、伏黒君」と手を引かれ目に入ったのはオシャレな喫茶店。余計緊張する。
しかし原雲は慣れたように伏黒の手を引き中に入ると奥の席まで勝手に入りテーブル席に腰を下ろした。伏黒もそれにならう。
おしぼりをもった店員に特にメニューを見ること無く注文をし伏黒も同じものを頼むことにした。
「ここのシフォンケーキ美味しいの」
「誰かと来たことあるんですか?」
「ないよ。デートらしいことしようと思って」
その返しに伏黒は驚き戸惑い口を閉ざしてしまったため原雲はケラケラと笑うと軽く手を振り「緊張すんなって」と言いつつ水を一口飲んで息を吐き出した。
だから先輩はもう!