伏黒と先輩
我に叫べ(全8話)
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「恵、最近刹那に付きまとってるみたいだな」
「禪院先輩」
今日は虎杖と釘崎は補習を受け、伏黒は一人体力作りをしようとして校庭を走っていれば、同じく時間が空いていたらしい真希が自販機の前にいてジュースを投げ付けながらニヤリと笑った。
「付きまとってません、たまたま会うんです」
「付きまとう」は恐らく狗巻先輩かパンダ先輩が言い出したのかもしれない。しかし目の前の先輩が言い出したかもしれないしよくわからない。
原雲先輩はいちいちそんなことを報告しないだろうという思いで。
けれども「付きまとっている」ように見えたといことは一緒にいる所を多々見られているのだろうと言うことで、近いうちに釘崎も責めよってくるのは目に見える。
思わず「はあ」とため息を吐き出してベンチに座れば当然のように伏黒の横に真希は腰を下ろすと足を組みまだニヤニヤと笑っている。
「原雲先輩は何か言ってました」
「刹那は何か言うタイプじゃねーだろ?」
やはり何も言っていなかったと思いつつ手の中のジュースのプルタブを開け喉に流し込むとシュワシュワと音がしてグレープの味が口内に広がっていく。
「いつから好きなんだ?」
「…答える必要がありますか?」
「ってことは好きなんだな?」
言葉選びを間違えたが別に隠すことではないしいっそ外堀を埋めていこうと考えれば、それは中々にいい作戦かもしれない。
「原雲先輩は任務ですか?」
「いや?部屋にこもって呪具直してる」
禪院先輩壊したんですかという視線を投げ掛ければ真希は少し伏黒の頭を小突き
「ちげーよ」
と口にし真希は立ち上がる。
「手合わせに付き合え」
真希は在校生の中で呪具の扱いには一番長けているのでこの誘いは嬉しい。
チラと校庭を見てからジュースを飲み干し立ち上がる。
真希も同じく飲み干すとその缶を伏黒に持たせ、伏黒の「自分で捨てろ」と言いたげな視線をものともせず歩いて行くその背から視線を外した。その際に真希はスマホをいじりメールを送った。
相手は言う必要はないだろう。
スポーツウェアのポケットにスマホを押し込み校庭に歩いて行けば伏黒も後から着いてきて調度パンダも柔軟を終えたようだ。
「真希、恵、何してんだ?」
「ちょっとな」
と笑った真希にパンダはピンときて口角を上げニヤリと笑い返し
「刹那か」
と呟いた。そうだよ。原雲先輩だよ。
「刹那に告ったのか~?」
なんて五条先生ばりに茶化してくるパンダといい禪院先輩といい本当に呪術師向きだ、クセが凄い。嬉しくない。
なるべくこの会話から意識を反らすたむ口を紡ぎ長物を手にすると、軽く回したり投げたりして手に馴染ませていく。
「まずは軽くやってやるよ」
「お願いします」
と伏黒は頭を下げ真希と打ち合っていれば10数分ほどして、けれど一本もとれず息を吐き出せば不意に視界の端にここ最近特に目に入っていた存在に気付き、真希に頭を小突かれた。
「集中しろよ恵ぃ」
「…すいません」
そうして一回投げ飛ばされてから二人は木陰にいるパンダと原雲を目にして小走りで駆け寄ってしまった。
「伏黒君、長物使うんだ」
「禪院先輩から一本とらなきゃいけないんで」
「あはは!頑張れー!」
「原雲先輩は?」
「私?真希ちゃんにコレ渡したくて」
そうして真希に渡したのは一本の槍。真希はそれを受け取ると軽く回したり振りかざしたりしてから原雲の頭をペチンと撫で
「サンキュ」
と言ったので原雲は笑い
「伏黒君、がんばって一本とれたらマドレーヌあげる」
「手作りですか」
と尋ねたので伏黒の後ろで真希とパンダが悪い顔をしていた。
二年生も質が悪い