伏黒と先輩
我に叫べ(全8話)
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一年での出張任務から三日後、大荷物を持って原雲が高専に戻ってきて五条先生と何やら話しているところに出会してしまった。
「お疲れ様です」
と言いつつ原雲の顔を見た瞬間、彼女の半裸を思いだしてしまい言葉に詰まってしまったのだが原雲は少しも気にした風もなく五条先生も珍しくウザ絡みをしてこない。
五条先生は年の離れたこの従妹である原雲と一緒にいると大分大人しいと言っていたのは家入さん。
「では、」
と立ち去ればいいのにその瞬間を逃してしまった伏黒は無言で、会話を続ける五条先生と原雲を見つめほんの少しすると
「じゃ、鍵ね」
五条先生は鍵を一つ原雲に渡すと背を向けて行ってしまい伏黒は原雲と目が合う。
「伏黒君お疲れ、報告書?」
「いえ、提出プリントです」
「あーね」
学業頑張れー!なんて笑って伏黒の横を通りすぎようとした原雲の腕を咄嗟に掴んでしまい原雲はそれはもう不思議そうに伏黒を見つめてきた。
顔の造形が五条先生同様大層整っているし、その身長も見事受け継いでいる原雲の視線は伏黒より微かに高く触れようとすれば簡単に出来そうだ。
そんな原雲はプリントを見下ろし「出さないの?」と問いかけてきたため
「待っていて下さい」
と残すと目の前の職員室に入りプリントを渡すと素早く廊下に戻る。そうすれば伏黒の言った通りそこには原雲が待っていて、両肩に担いでいる呪具の山を見て触れようとした。しかしそれは原雲に阻まれてしまい
「重いし危ないよ」
の言葉に眉間にシワが寄ってしまう。
呪術界には女も子供もないが、その反対に女子供はという風潮もある。正しく今、伏伏黒は原雲に『子供扱い』されたのだ。たった一つしか違わないのに。
無性に腹が立った伏黒は、それでもなるべく表情を崩さずに原雲の右肩の呪具の入った鞄を奪い取り肩に乗せたが、確かに、凄く重い。
また眉間にシワを刻み原雲を見れば本の少しだけ困ったように笑い「大丈夫だよ」と言ったがそれを無視して呪具を保管してある外の倉庫へと大股で歩き出す。そんな伏黒を見て原雲は小さく笑い肩を並べてきて
「ありがとう」
と声をかけてきた。
今日の授業はもうないし任務を振り分けられていないので三人でプリントをやっていたが提出ジャンケンに負けて良かったなと思う伏黒がいる。
そんなことに気付きもしない原雲はスタスタと歩き10分ほどして倉庫に辿り着いた。
右肩の呪具を担ぎ直しながら倉庫の鍵をあけ中に入ると灯りを灯しテーブルの上に置く。それに倣って伏黒も呪具をテーブルに置きながら倉庫内を見渡してしまう。
「伏黒君ありがとうね、時間かかるからもう大丈夫」
だからさっさと行けと言われた気がして尚のことその場にとどまる意思を見せたそれに
原雲は不思議そうにしており、さっさと行け、ではなく「学食が閉まるまで時間がかかるから」もう大丈夫だと気付き、やはりとどまることにした。
そんな伏黒を見た原雲は少しだけ考えると
「触っちゃダメだからね」
と言い置いてから呪具を取り出し一本一本懇切丁寧に扱い確認すると壁に立て掛けたり吊るしたりを無言で繰り返している。
それを黙って眺めていれば原雲はふと口元を緩ませてから伏黒に視線を移すと
「そんなに見られても」
と呟き、伏黒はそっと手を伸ばし呪具の一つを手に取った。
ズッシリと重くジリジリと肌を焼くような気配が伝わってくる。俺にコレを使いこなすにはまだ実力が足りないかもしれない。
一瞬、視線を呪具に向けたがまた原雲を見つめ手にしていた呪具をテーブルに戻せば、不意に原雲は口を開き
「伏黒君は呪具使ったことある?」
と。それに首を振れば「一つでも使った経験を持った方がいいよ」真希ちゃんに教えてもらいなと口にされたのでつい勢いで
「原雲先輩にお願いしたいです」
と言ってしまった。そんな切り返しに原雲は伏黒を見ると笑って「じゃあ」今度手合わせしようかと首をかしげてきたためまた勢いで
「よろしくお願いします」
と言えば原雲は「りょーかーい」と口にして後は黙々と呪具を片付ける作業に集中した。
呪具と言えば真希ちゃんだけどなぁ?