隣の隣の社会人(全14話)
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居酒屋帰りの夜道で七海さんに抱き締められた私だが、なんとか離してもらって、それでも手は繋いだままマンションに戻れば七海さんはスルリと私の前髪を払い頬に口を寄せられた。
それはもう優しい口付けに短い悲鳴が出そうになるのを何とか押し止め、もう一度、今度は額に口付けを落とすと七海さんは本の少し笑い
「今日はここでお別れしましょう」
と提案された。
大歓迎です!
明日からはまた仕事なので私も自宅に入ると靴を揃え鞄とカーディガンを椅子に放り投げ洗面台で手も歯も磨きメイクを落としていく。お湯を張るのが面倒なのでシャワーでいいか。
1日の終わりの習慣をなぞり髪を乾かして水を一杯飲み干すとベッドに倒れこんだ。しまった、電気消さなきゃ。
色々と興奮してはいるが比較的まともな脳と残りの体力で電気を消し充電器にスマホを突っ込んでもう一度ベッドに倒れこむと布団は掛けずにストンと眠りについた。
布団に入って即寝る人は、寝るというより気絶だから疲れはとれないって言っていたのをどこで聞いたっけ、まあ、いいか。
翌朝アラームの前に目を覚ました私は大きく伸びをしながらベッドをおり色々と済ませると買い置きのシリアルを食べ出勤の準備を整えた。
キッチリと髪をまとめ上げ鞄片手にパンプスをはき、玄関の扉を開けばそこには七海さんが廊下の柵に背を預け立っており
「おはようございます」
と声をかけられてしまった。
七海さんって、一体いつからこうして私を待っているのだろうか。
嬉しいけど申し訳ない気持ちでいれば七海さんの手には鞄があり「お仕事か!」と閃いた。そして昨晩のことも思いだし、あの時の電話はやはり呪いが発生したから行ってこいという電話か!と思い至る。
エントランスまで行きマンションの扉を抜けるとさこには黒塗りの車が停車しており、いつかの眼鏡の確か伊地知さんが待っていて、七海さんは伊地知さんに挨拶をしながら頭を下げ私もそれに倣って頭を下げようとしたら七海さんに引き寄せられた。
何事?!
そう驚いた私に七海さんは気にもせず伊地知さんに
「結婚を前提にお付き合いをすることになりました」
と報告をし、ニュアンスで
「お前手ぇだすなよ」
なんて聞こえてきたのはオタクの悪いところ。七海さんはそんなこと言わないもん!ととろいるもん!(?)
「彼女を会社まで」
「了解です」
乗ってくださいと背を押され抵抗する間も与えられず車に乗せられ、私の反対側に七海さんが乗り込んだ。そのまま伊地知さんは車を動かしたので
「すいません」
と謝りつつ礼を述べれば
「いえ、問題ありません」
という返事が返ってきた。
そのまま会社まで送られると昨日、居酒屋で会った同僚君がこちらを見ておりニヤニヤと笑っているので死にたい気持ちになりながら出社しようとして車の扉を閉めようとしたら
「忘れ物です」
と七海さんに手を引かれ
「行ってらっしゃい」
と頬に口付けを与えられてしまいそれを目撃した会社の人達が口をつぐみ目を見開いており、私は2度目の死にたい気持ちのまま出社した。
一応の終わりです!ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
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