家入同中一般人と五条
タピる男とタピらぬ女(全8話)
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玄関先での甘い告白に固まってしまった私だが、悟さんはいつもと同じようにニコニコとしており悟さんの手が私の背中を撫でてくる。
「さ、さと、さと、さと、さとるさん?!??!」
そうどもってしまった。しかし悟さんは気にもせずヒョイなんて軽々と抱き上げられてしまい悟さんは靴を脱ぐとずかずかと上がり込み二人がけのソファに下ろされた。その私の横に悟さんも腰を下ろして笑いかけてきて
「それで弦ちゃんの答えは?」
「は?」
何とも情けない声がもれてしまい悟さんはサングラスを外すと空色の瞳で私のことを見つめてきて、吸い込まれるとはまさにこの事かとしていれば段々と近付いてきて、私はハッとすると悟さんの肩を押し返し深呼吸をする。
「な、何かおかしな展開の気がするのですが?!」
「えー?普通のことでしょ?」
相思相愛の成人男女が二人きりの空間にいると言ったらやることは一つでしょ?と。
そこで不意に脳内でリフレインしたのは硝子ちゃんのあの「悟クズ」発言。
もしかして、こういうところで「クズ」と言われていたのだろうか、私もちょっと思ってしまった。
「ね、弦」
「は、はい…!」
「好きだよ。弦は、好き?僕のこと」
「す、好きと言いますか嫌いではないのですが!正直まだよく分かりません!」
パニックに陥りそうになっていれば悟さんは笑ったまま私の手を握りしめ
「簡単な話だよね」
好きか嫌いか、ただそれだけだよ、と。
だからそれが難しい話しなんだよと言いたくて心臓をバクバク鳴らしていれば優しく引き寄せられると耳元で甘く名を囁かれ
「今、嬉しい?それとも嫌?」
「いいい、嫌ではない私がいるのですが!」
「が?」
そうして更に強く抱き締められ、サングラスは笑って
「心臓凄くドキドキ言ってるね?」
と呟き、私は頭がクラクラしてしまう。
「し、硝子ちゃんはいいの?!」
「硝子は高専からの同期だよ、信頼はしてるけど恋愛感情は無し、僕が好きなのは弦、君だけなんだよ」
「きっ、恐縮です……!」
そんな私に、そして私の言葉に「それって」好きって事だよね?なんて言われ私にはもうどうすることもできずにいて。
悟さんの手が背中から離れると私はホッとしてしまい、けれど次の瞬間には私の目には悟さんの目しか入ってはこず、ふに、と触れたのは悟さんの唇。
キス、されているようだ。
あまりのことに驚いて口を開けてしまえば、悟さんの舌が口の中に入りこみ舌を絡めとられ私は慌てて悟さんの肩を押し返し呼吸を整えた。
「なにするの?!おちついて!?」
「弦もね」
なんて言われ再び唇が重なってしまえば私にはもうどうすることもできず、ゆっくりゆっくりと押し倒されてしまった。後は如何様にである。
朝目を覚ました私は悟さんと裸のままベッドに横になっていて言葉を無くしながらよろりと立ち上がりスマホで硝子ちゃんのアドレスを引っ張り出してからメールを送った。
悟さんの好きな人、知ってる?と。
そうすれば秒もせず返事が届き
『弦だよ』
と。まるで謀られた出会いの気がして目眩を覚えていれば背後から抱き締められ驚いて振り返れば
「おはよ」
と笑う悟さんに見とれてしまった。
(狙った獲物は逃がさない、なんて硝子ちゃんの言葉が頭の中でぐるぐると回ってしまったのは)
そういう事なんだろうなぁと思ってしまった。
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