家入同中一般人と五条
タピる男とタピらぬ女(全8話)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
悟さんからの謎の大接近から日は流れ、もしかしたらあの時の悟さんは居酒屋での場酔いでもしたのだろうかと己に納得させていれば同僚に飲みに誘われた花の金曜日。
私と同期ちゃんと同期君の四人で駅前の居酒屋でしこたま飲んでやろうと話して笑って。食べるより飲む方に専念していれば鞄の中でスマホが鳴ったのだが気付きもせずビールジョッキを交わし飲み合う。
来週にはまた取り引き先のお偉いさんとの書類を作るのが面倒だとか美味しい地酒を飲みたいとか色々話していれば視界の端にチラリと見知った影が見えた気がしてビールを飲みながら振り返れば
「んふっ!!」
なんて軽くむせてしまった。そんな私に同期たちは私の視線の先に目を向け3人の口から「うわっ」なんて声が聞こえてきた。その気持ち、分かるよ。
「弦ちゃん見っけ」
そう
「花金だから飲みに来てると思って」
何て言いながらポケットに手を突っ込んだまま歩み寄ってきたのは
「……悟さん……」
そう、悟。
悟さんは笑って長いコンパスで私たちのテーブルにきて、私の横に腰を下ろした。
突然のイケメン出現に同期たちもポカンとしてしまっていたがすぐ3人に「知り合いなのか」と問い詰められ私はちょっと引きつつもチラリと悟さんを見上げ長い足を組んでいる彼のことを紹介することにした。
「中学の同期の友達伝で仲良くしてもらってる」
「五条悟でーす」
友達と言っていいのか分からなかったので「仲良く」してもらっているという言い回しにしたそれに被せるように悟さんはヘラリと笑い同僚も自己紹介をしてから改めて飲み始めることにして。
「メール見てない?」
なんて問いかけに私は首を振って鞄からスマホを出すと確かにメールが届いていた。
10件ほど。
「ごめん、気付かなかった」
そう苦笑いを浮かべ
「だよね~」
なんて悟さんは笑って店員にタピオカミルクティーを頼み同僚たちもビールや焼酎などのお代わりをお願いして同僚の男二人は悟さんに
「飲まないんすか?」
と問いかけている。
「僕、下戸だから」
「へぇ…」
女子同期はおいて男二人は「じゃあ何で居酒屋にいるんだろう」と言いたげな表情を浮かべるも悟さんは気にもせず私の皿にあったキュウリの漬け物を勝手に食べ始めた。いや、別にいいけど。
同期女子はそんな悟さんに声をかけすぐ届いたタピオカとビールで乾杯をすればそれはもう分かりやすい程までにアピールを始めたのだが悟さんはあまり対応せずストローを咥えている。
いっそ席でも交換してやろうかと思いつつ、少し前に囁かれたそれを思いだしてしまい誤魔化すようにお猪口に注がれた焼酎を口に運んだ。
「五条さん露木さんと同い年なんですか~!」
なんてウッキウキの同期女子ちゃんは私を挟んで悟さんと話しており私は私で同僚男子と会話をすることにしたのだがテーブルに置いてあった私の手に悟さんが手を伸ばし、以前、居酒屋でやってきたように指を絡めとってきた。
いや、まて、ここ人がいる。
前とは違って私の同僚が見てる中でそんなことをされたら私の心が炎上である。
しかし悟さんは気にもせずギュッと指先に力を入れ握りしめてきて、それに3人が気付かぬはずもなく3人の顔に「えぇ~!?」なんて書いてある。書いてないけどそう見える。勘弁してほしい。
「露木、もしかして、実は」
「恋人じゃないから」
「えー、弦ちゃん冷たいなぁ」
何かを言い出しそうで、そしてどこか3人を色んな意味で煽りそうな悟さんの手にタピオカミルクティーを握らせると私もお猪口をクイッと傾けた。そうすれば悟さんもそれ以上は何も言わず、何かを悟ったらしい3人もそれ以上の追求はしてこなかった。