家入同中一般人と五条
タピる男とタピらぬ女(全8話)
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どうやら仕事柄とてつもなく忙しいと言っていた悟さんの言葉通り中々に休みが合わず、この日ならと指定された日にワクワクとしながら仕事を進め、ちょっとお洒落に気を使って家を後にした。
何度もメールのやり取りをしたからドタキャンなんて無いだろうと待ち合わせ場所に行けば普通の人より頭一個分背の高い銀髪の人影に声をかけようと人混みを行けば、サングラスに白いジーパンにくすんだオレンジのシャツに上着を引っ掛けた顔が良すぎる悟さんが逆ナンされていて。
思わず「逆ナンって初めて見た!ヒュヒュー!」なんてしていれば悟さんは私を見つけると面倒そうな表情を一変させ笑顔でこちらまで歩み寄ってきた。
今さらに私この人とスイパラに行くのかとしていれば悟さんに手を握りしめられ引かれるように歩き出した。
私は背は高い方ではないため悟さんのコンパスには上手く着いていけず軽く駆け足になっていれば、それに気付いた悟さんは然り気無く歩幅を私に合わせてきてくれた。
いい人だ。
硝子ちゃんの言っていたクズは一体どこで発揮されるのだろうか。
そうして手を繋いでお店に向かえば女性たちは悟さんを振り返り見ており
「だよねぇ!顔が良いよねぇ!凄いよねぇ!」
なんて同調しながら店内に足を踏み入れた。
混雑しているであろうことはこのお店のサイトに載っていたため予約をしてからの来店である。
店内には周りにお花を咲かせている女の子が沢山おり90分食べ放題飲み放題の説明を受け席につく。それから二人してお皿にケーキを乗せて席に戻れば私に負けず劣らずケーキを山のように盛り付けた悟さんも席について。そしてドリンクはタピオカミルクティー、そしてシロップ。
私はさすがに紅茶だがこれは少し聞いても良いだろうか。
「悟さんって、激甘党なの?」
「そーだよ。もー頭使うことばっかで」
糖分とらなきゃ頭痛がしてくるよ~なんて笑っているがさすがにこれはとりすぎだろう。人のことはあんまり言えないけど、体重は、オーケー。許容範囲の、はず。
「じゃあ食べようか!」
「わー!いただきます」
そうしてケーキを崩しながら話をしていても悟さんも己の仕事に関しては守秘義務があるからと話してはもらえず、それでも小さく教えてくれたのは硝子ちゃんは同僚の保健医で、悟さんはよく県外、果ては海外まで出張することは多々あると。思わず
「ブラック企業?」
と問いかければ悟さんは口を大きく開けてケーキをぱくぱと口に放り込んでいながらも
「超ブラック」
と返してくれた。
硝子ちゃんも同じなのだろうか、いや、保健医なのだから違うだろう。知らんけど。
悟さんは私の顔を見つめてきながらも「お代わりとってくる~」と行ってしまい私もお皿のケーキを胃にいれていく。うーん、美味しい!
お皿をキレイにすると私も悟さんにならってケーキのお代わりをし、今度はコーヒーを持って席に戻れば悟さんはまた山盛りにケーキを皿に盛っていて先に席についた私の前に一人の男が姿を見せた。なんだろうか。
「友達ときてるの?1人?」
前に居酒屋で悟さんが言ったように「私は1人しか存在しないさー!」なんて返してやろうかと考えていれば男の背に悟さんが立っていて
「僕のツレに何か用?」
と恐ろしく冷たい声を発してきて、男はそれはもう驚いたように振り返り慌てて去って行ってしまった。ビビりめ。
しかし悟さん、そんな声も出せるんだとドキドキしつつも彼の手にある山盛りケーキとタピオカミルクティーが相まって驚きは消えてしまったが。
再び二人してケーキを口に運んでいれば悟さんは先程以上に私についてを聞きにきて、別段それが嫌なわけではなかったため私も笑顔で悟さんの質問に答えていく。
そうしていれば食べ放題の時間は等しく経ち
「ここは僕が」
なんて優雅に会計をとられ、いやいやいやとしていれば私の手を握りしめると
今日の会計の代わりに
「またデートしよっか!」
そう次の約束はまたメールでと家まで送られてしまい、そうか今日はデートだったのかと1人頷いてしまった。
いや、優雅に奢らないでよ。