家入同中一般人と五条
タピる男とタピらぬ女(全8話)
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仕事先での取引が上手くいきそれからの成果がとてつもなく良かったようで私はその仕事には関係無かったのだが会社総出で飲み会となった。
職場の先輩も後輩も同期もウッキウキで仕事を終わらせ合同飲み会の居酒屋に行けば、部長の長くもありがたいお言葉を頂き宴会となった。
そうして色々飲みながら滅多に会うことのない別部署の社員とも飲んで楽しくしていれば不意にスマホが震え今話していた男性社員に断りをいれてからスマホを取り出しメールを見た。
つい最近硝子ちゃん伝で知り合った五条さんだ。
まめな人、というか暇なのかちょくちょく、2、3日に一回のペースでメールをくれるのだが今日もそうなのかと目を通せば
『楽しい?』
とあり、思わず顔を上げ辺りを見回してしまうがここは2階の宴会場。会社の人間以外の人がいるはずもないのだがこんなメールを送ってくるとは、もしや私が2階へ上がって行くところでも見られていたのだろうか。
下戸なのに、居酒屋へ?
さすがにここにはパフェは無いぞと考えていれば再びメールが届き
『僕1階のカウンターにいるから』
と。思わず「なんで」と呟いてしまったのは仕方ないだろう。それにメールには既読がついてしまったため無視をするのも憚れる。なので
「ちょっと」
お手洗い、と席を立ち階段を下りてカウンターを見れば探す必要のない存在感をもつ五条さんがそこにはいて、裏メニューなのか、イチゴミルクのこれまたタピオカをすすっている。
好きなのかな、タピオカ。
五条は私と目が合うとニパッと笑いこっちこっちと手を振ってきて、女性客の注目を浴びていることなど露ほどにも気にしていないようで多少遠慮しながらも五条さんの横に
「失礼します」
と腰を下ろした。
「五条さん1人なんですか?」
「悟でいいよ、あとタメね」
「あー…悟さんは1人?」
僕は1人しかいないさー!なんて笑った悟さんに思わず白けた目でみてしまい、調度目の前の棚に日本酒があったので雪ツバキを頼み注いでもらう。そうしてタピオカの悟さんと日本酒とをカツンとあわせ口に含んだ。
「んー…最高!」
思わずそう漏らせば悟さんはタピオカをもにもにしながらこちらを見下ろしてきていて、もう一度1人で来たのかを尋ねれば笑顔で「そうだよ」と返ってきた。
ここ、居酒屋ですよ?酒も飲めないのに酒屋へ来るって、いったい何故なのだろうか。
そんな内心の言葉が顔に出ていたのか悟さんは笑って
「弦ちゃんを見かけたから何となくね、」
きちゃった、と。
それって、皆まで言わずともウッキウキで居酒屋に入っていくところを、だろうな。
しかし何となくで酒も飲めないのに入店して私がある程度まで楽しんでいたところに頃合いをはかってメールをしてきたということで、もしこれで私がメールに気付かなかったらどうしていたのだろうか。
そんな疑問も悟さんはすぐ解消してくれて、メールでダメなら電話でもしようかなって。いや、かなって……一応飲み会でも仕事なんだから。
イチゴミルクのタピオカを啜り終わった悟さんに合わせ私も日本酒を飲み干すと、私は自分の分の会計をカウンターに置き
「そろそろ戻らなきゃ」
と言えば悟さんはあから様に口を尖らせ眉間にシワを寄せるとサングラスを外し、暴力的なまでに整った顔で私のことを見つめてきて、不覚にもときめいてしまった。やはり顔が良いやつは何をしても許されそうだが残念ながら今日は仕事。なのでと
「今度ケーキ食べに行かない?」
「ケーキ?」
私は立ったままスマホをフイフイと操作し、最近できたスイパラの店のケーキの画像を見せれば悟さんはパッと顔を輝かせて
「絶対だよ!」
と小指を差し出してきたので、随分可愛らしいことをするもんだと笑ってしまい小指を絡ませあった。
そして今度こそ2階に戻れば出来上がっている人と潰れている人と飲み続ける人とで重なりあい私は空いている場所に腰を下ろし調度きたグラスを持つと横にいた社員とグラスを交わしそれはもうご機嫌に最後まで飲み続けた。
帰りのタクシーで悟さんからスイパラに行けそうな日にちのメールが届き、それにもご機嫌に返事を返しベッドに倒れこんだ。
スイパラ、楽しみだな。