家入同中一般人と五条
タピる男とタピらぬ女(全8話)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
中学の時、とても仲良くしてもらった硝子ちゃんとつい最近出会った。居酒屋で。
硝子ちゃんは1人、私は仕事の先輩と飲んでいたのだがたまたまお手洗いで顔を会わせ再会を喜んだのはつい先程。
私は一般の高校へ、硝子ちゃんはとある宗教系の高専へと行ってしまい相当忙しいらしい硝子ちゃんとは中々会えずにいたのだが。
そうして再会を喜んだ後、一緒に2人で肩を並べて飲んでいながら硝子ちゃんとお話ししていたのだが、硝子ちゃんの働いている所は高専時代の職場のようで、けれど詳しくは教えてもらえなかった。だがその代わりと言わんばかりに私のことを沢山聞いてきて、久しぶりに楽しく飲めた。
連絡先を交換してから硝子ちゃんの都合が合えば買い物に行ったり居酒屋で飲んだりしていれば、硝子ちゃんには珍しくカクテルバーにでも行かないかと誘われ私は二つ返事で了承しその日を楽しみにしていた。文字通り、楽しみに。
特に厳しい会社でもブラック企業でもないし、だからと言って暇な会社ではないが定時に上がり待ち合わせのバーに入れば一際目立つ存在が私の目に入った。
硝子ちゃんが隣に座っているがその背がイヤに小さく見え、錯覚かとキョトリとし目をつむって開いてもそれが錯覚ではないと思ったところでその大きな背、いや、長身の銀髪の男がこちらを振り返ってきて口端を吊り上げたのだ。
全身黒で統一された銀髪の男は硝子ちゃんに声をかけ2人して私を見つめてきて、躊躇いつつも私は硝子ちゃんに声をかけその隣に座らせてもらった。
「はじめまして、僕五条悟、よろしくね」
「は、はぁ…初めまして露木弦です」
そう硝子ちゃんの背中越に握手を交わし酷く面倒そうな表情の硝子ちゃんにそっと問いかけたのは
「こ、こいび」
「違う、誰がこんなクズと付き合うんだ」
「クズ…」
「硝子酷いなぁ」
美しく切り捨てた硝子ちゃんに全くもって傷ついた様子も見せないところいつものやり取りなのだろうか。
それにしてもこの五条悟とやら、顔がいいな。
そうしながらも硝子ちゃんは三角グラスのカクテルではなく、ウイスキーの、恐らくロックであろうそれを飲んでいて、五条さんの前にあったのは
「バーでタピルとは…」
そう、タピオカジュース。
パッと見、五条さんは日本酒を水のように飲みそうに見えるのだが、そんな女子かよと思える組み合わせにちょっと笑ってしまい私はフィンチのダブルをお願いした。
にしても硝子ちゃん。
「えっと、五条さんとは一体どんな関係で?」
「高専の同期で同僚。今日は勝手に着いてきた」
これを見て、と硝子ちゃんは私とビールジョッキを持って自撮りしている写真をスクロールして見せてくれて五条さんはにっこりと微笑んだ。
「硝子と馬が合うなんてどんな人かと思ってね」
「下戸なのについてきやがった」
「下戸なのについてきたんですか」
「いいじゃなーい!パフェもあるって聞いてたし!」
そうしてサングラスの向こうにある空色の瞳がチラリと見えた気がして思わず息を飲みつつ目の前に置かれたグラスを口につけた。
最近は焼酎ばっかりだったけど久しぶりのウイスキーも美味しいなとしていれば五条さんの言葉通り五条さんの目の前に巨大なパフェが置かれ硝子ちゃんは眉をしかめている。硝子ちゃん、甘いの苦手だもんね。
でも一応今日は硝子ちゃんとの飲みなのでそっと硝子ちゃんに話しかければ乗ってきてくれて、二人で次々とアルコールを摂取していれば硝子ちゃん越しに五条さんが巨大パフェを食べ終えておりどこにあったのかタピオカにシロップを入れている。信じられない。
色んな意味で言葉を無くしていればバチっと五条さんと目が合いにっこりと笑われたので私も軽く笑っておいて硝子ちゃんが五条さんに「悟」と。
「お前もう帰れ」
「ま、いいっしょ!僕も弦ちゃんと話したいもん!」
「クソが……」
そんな硝子ちゃんの呟きに私は頬がひきつり何を言われてもめげそうにない五条さんのメンタルに感心してしまい帰宅するまでに連絡先を交換させられてしまった。
硝子ちゃんはそれはもう面倒そうにしていたし帰宅中のメールで
『悟には気を付けろ』
とあり、五条さんと再会するのはわりとすぐ先であることには酔っ払った私は気付けなかった。
1/8ページ