狗巻と同中先輩が呪術師になった
私は彼をわんちゃんと呼ぶ(全21話)
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新学期が始まる数日前に真希ちゃんがDVDを持って私の部屋を訪れてきて2人きりでの映画鑑賞会となった。内容はちょっとしたラブもの。といってもコメディ要素も強いそれに真希ちゃんこういうの観るんだ~と思っていれば
「つまんねーな」
なんて呟いてリモコンをいじって早送りで進めピタリと止めればそのシーンがドンと現れた。所謂濡れ場だ。
純粋に、いいなぁ、でもわんちゃんと約束しちゃったからどうしようもないしなぁなんてしていれば真希ちゃんは濡れ場をとばし私に視線を向けてきた。
「ーー初音は、……いつだ?」
「なにが」
いつになく真希ちゃんらしくない濁り具合に首を傾げ飛ばされたベッドシーンを思い出し「ああ」と頷いた。
「13の時、20万」
「はあ?!」
それはどっちの「はあ」だよとしていれば真希ちゃんはそれはもう悲壮気に私を見つめてきたがその悲壮差は私に対してではないだろうと読み取り
「真希ちゃんはまだ?」
と口端を吊り上げ問いかけた。
「あ、当たり前だろ!それどころじゃねーしよ」
「お家柄ってやつね、大変大変」
「んでさぁ……」
「ん?」
更に歯切れ悪そうに視線をそらした真希ちゃんはうっすらと頬を染めておりすぐ何故なのかと悟った。
「何々~?気になるの~?」
この世界、というかこの学校じゃ出会いなんて早々にないだろうしよければ(馬鹿しかいないけど)誰か紹介しようか?まで言えば白い肌を更に赤くして、私は笑って
「真希ちゃん可愛い~!ラブ~!」
なんて抱きしめてしまった。身長的に抱きしめていると言うより抱き付いている、だが。
「他に聞けそうな奴いねーし可愛いとか言うんじゃねーよ!」
「強がってるところも可愛い~!役得~!!」
そうして二人でヤイヤイしていれば
「それで!」
と語気を強めてきた真希ちゃんは
「ほ、本当に…いいのか……?」
と尋ねてきて。
良いって、やっぱり気持ち良いとかそういう所だろう。
「うーん…相性だし下手な奴は下手で最中でもずーっとマトモな感覚で受けとる感じ?」
上手い人はもうどうしようもないくらい思考回路ぐちゃぐちゃになって気持ち良いよと言えば真希ちゃんはまだ微か頬は赤いままであって私は更にうーんと考えると指を立て
「経験は、好きな人とが一番だから」
オススメはしない。
そうポツリと言えば真希ちゃんは意外そうに私の瞳を見つめてきて「普通なら、」
「経験してみろって言わねーか?」
と呟き、男を紹介しようとしたのを置いてから
「ダメだよ!」
と声を上げ大きく両手でバツを作ってみせた。
「真希ちゃんのこと好きだから、真希ちゃんには幸せになってほしいから、身体を渡すのは本命にしなきゃ!」
「初音……」
「私みたいな人生は駄目!オススメ出来ない」
20万で売ったけど、ぜんっぜん幸せじゃないし私の場合は憂さ晴らしとお金と時間潰してやってらんなきゃ何も出来ないそんな生き方だったから!だからね、
「真希ちゃんは簡単に裾を開いちゃだめ」
真希ちゃんにはきっと好い人現れるからね。そう笑いかければ真希ちゃんはポカンとしていたがすぐキッと私を見つめてきて
「お前ももう簡単に股開くな」
と強く言ってきて、私はもう一度笑って
「わんちゃんとも約束したからね」
もう援交しないって、と。
「絶対守れよ」
「もちろん」
そうして真希ちゃんと暫く他愛ない事を話してからDVDを片手に真希ちゃん自室へと戻っていってしまった。お休み、と。