狗巻と同中先輩が呪術師になった
私は彼をわんちゃんと呼ぶ(全21話)
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「……ヤバい……」
春休みもまだまだな中、私は夜明けと共に目を覚まし切実なことを願ってしまった。
「むっちゃシタイ……」
この学校に来てから場主も場所だしやってることもまともじゃないし仕事仕事勉強勉強そして仕事なんて生活をしていればそりゃ相手を探してワンナイトラブする暇なんて作れるはずもなく。
一人遊びはしないでヤルもんはヤっていたのでどうにも、どうしようもない。
カレンダーに目をやり時計を見上げ大きく伸びをするとベッドから下りて立ち上がった。
そうだよ今から出掛けて適当に引っかけてヤリャいいんだよ。
思い立ったが吉日。
さっさとパジャマを脱ぎ捨てると顔を洗い髪をセットしてから最近購入した花柄のワンピースをまとい、ついで化粧を施すと部屋を後にした。
ここで仕事が入ったらちょっとは腹が立つだろうが繁忙期とやらであっても学生には多少なりと休みはくれるらしい。
スカートをなびかせ談話室の簡易キッチンで簡単な朝食を作って食べていればその香りにつられてか、真希ちゃんと憂太君そしてわんちゃんまでもが現れた。
3人は私の勝負服にキョトリとしていたが私にしたらどうでもいいことなのでお皿を片付けていれば真希ちゃんが私の背にピタリと引っ付きシンクと真希ちゃんに挟まれてしまう。一体何なのだろうか。
肩越しに真希ちゃんを見上げれば、真希ちゃんはニヤニヤとしており私は更に首をかしげてしまうが、真希ちゃんの口から出てきた言葉はもっと意味がわからないもの。
「なんだよ初音、デートか?」
いつの間に男作ったんだよと言ってくる真希ちゃんに目を合わせると私は「男作る暇あったか?」と尋ねかけ、真希ちゃんは少し考えると
「ないな」
とバッサリと否定してくれた。
男作る暇無かったけど、今からハントに出かける。
そんなことを伝える必要もないかとしていれば真希ちゃんは私の肩に顎を乗せ耳元で声を出す。くすぐったい。やめてほしい。
「じゃあ棘とデートか?」
「わんちゃんと?」
真希ちゃんはニヤニヤしたままであるしわんちゃんも真希ちゃんのその発言に大層驚いているらしいが残念ながら真希ちゃんがいて見れない。
シンクについてあった手は私の腰に回ってきて、真希ちゃんの顔を見上げながら身動いだ私に真希ちゃんは本の少し黙ると離れてくれて己の手で輪を作っている。どうしたのだろうか。
「お前細すぎないか?」
「そう?え、いきなり何」
別にと言いつつ真希ちゃんはソファーに座り未だに立ったままのわんちゃんと憂太君と目が合った。
わんちゃんも憂太君もほんのり頬が赤い。
なんだ?化粧濃かったか?まあいいかとして鞄を持って行こうとしたら咄嗟、わんちゃんの手が私の手首を掴み驚いた私は振り返ってしまう。
「ど、どうしたの?」
「……ツナマヨ……」
とっても似合っている、ということだろう、嬉しいな。
そして憂太君も本の少し躊躇いがちについ先程の真希ちゃん発言の「デート」にひかれたようで
「本当にデートじゃないんですか?」
と。
それに「なんで」と返せばやはり勝負モードでいる私に気付いていたようで
「すごく大人っぽくて…デートじゃなかったら何だろうって」
ここまできたらもう言うしかないだろう。まあ別に隠していたいわけでもないので私は今日、これからの目的を口にした。
「ちょっと暇だし久しぶりにセックスしたいから街まで行って男引っかけてくる」
ハッキリしっかり濁しもせずそうぶった切れば3人は目を見開いて絶句してしまい
「一年シテないの、マジ限界」
そうして力の抜けたわんちゃんの手が私の手首を離し、真っ赤になって硬直している憂太君の横を通り抜けようとしたらそれはもう大きな声で
「『行くな!!!!!!』」
と叫ばれ私の身体は固まってしまった。文字通り、動けない。
そんな私を見て真っ赤になっているわんちゃんはダッシュで部屋に行ってしまった。
怒らせちゃったかな。