狗巻と同中先輩が呪術師になった
私は彼をわんちゃんと呼ぶ(全21話)
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東北でO.Bと闊歩して呪いを祓っていれば仕事用の携帯が鳴りどうやらO.Bの携帯も同じように震えたが調度目の前に2級が5体いたためそちらに集中することにした。
私には呪霊の呪力も(持っている呪霊はそうそういないが)術式も効かないわけで、私は荷物を安全な所に置いてからメリケンサックを両手に握りしめた。
近接戦も得意なのだ。
呪力を投げ掛けてきたそれに向かって手を横になぎ払えばパッと視界が開け私の背後からO.Bが鎌で斬りかかった。
呪いの攻撃を私が消し去りO.Bが斬りかかる。それを繰り返しながらも一体ずつはさすがに効率が悪いため"無意識にできた"相手の術式を無効化にするそれを使い手をパンと叩き合わせた。
私の、術式だ。
呪いは悲痛な、そして耳障りな声を上げ消し飛びそれを見終わることなく次の呪いに目を向ける。
O.Bはまだあちらで戦っているため残りの二体は私がぶっ殺そうと拳を左手に叩きならすと
「おっしゃ、来い!」
そう声をはりあげた。
襲い掛かる呪いの攻撃は私に当たる前に塵となり私は呪いの急所を見つけ拳で抉るように叩きこむ。
ギンギンに尖ったメリケンサックは呪いに穴を開けていきその度に叫び声が上がるのだが帳のおかげでそれはモーマンタイだ。
さっさと始末をつけると私は息を乱しているO.Bに近寄り、帳が上がったのを確認し、草ムラ脇に置いてある鞄を肩にかけメリケンサックをポケットにしまいこむ。
さて次はどこだと書類を見ようと鞄を開ければ中で携帯が点滅しておりそう言えば着信があったなと思い出した。
私もO.Bも窓の車に乗り込めばすぐ、携帯を開きメール画面をみると互いにそれはもうすっとんきょうな声が漏れてしまった。
わんちゃんからもメールが来ていたがそれを忘れてしまう程にとんでもない内容が書いてあって。
12月24日、東京、新宿、京都で突撃百鬼夜行が行われるため間に合い次第終結するように、と。ここではたと考えたのは12月24日って、
「明日じゃん!?」
なんてO.Bと声を揃えてしまい、今いる場所と呪いをぶっ殺す巡礼をしているため24日、明日には間に合うはずがない。
わんちゃんも戦うのだろうか。
車を運転する窓とO.Bを見やり、どうするべきかの指示を仰げばO.Bも窓も悩み込んでしまいそれでもと車が向かう先は次の呪い発生スポット。
山奥の森の中。
なんでもこの何処かに呪詛師がいる空き家があるとかないとか。つまり私の得意分野である。
現場に着いた頃には日がとっぷりと暮れており、何処かでフクロウが鳴いていてなんとも不気味だ。
互いに探す場所を決めてから呪力を辿って歩いていれば冷たい風が髪を揺らし頬を刺してくる。それにフルリとしながらしばらく、一軒の古ぼけた物置のようなモノを見つけ人の気配も感じる。何より明かりがある。
真っ暗な森の中の小屋の破れた窓からロウソクであろう光が揺らめき私は躊躇いもなく扉の取っ手に手をかけた。
もし一般人であったら閉めればいい。
そんなことを考えていたため突然侵入してきた私に、中にいた男、呪詛師であろうそいつは振り返りその男の前には地図と何かの人形。
ワラ、ではない。
「誰だ小娘!呪術師か?!」
そんな発言で呪詛師であることがハッキリと分かったため私はメリケンサックを構えた。
ボコ殴りにして止めるべきか殺すべきか。
私の心の中には人を殺す事に対しての抵抗の意はまるでない。
どうしてか、私はよっぽどイカれているようだ。今更だな。
構え、呪術を使ってこようとした呪詛師に正面から突っ込んで勢いよく頬を殴り付ければ古ぼけた小屋の壁にブチ当たり気味の良い木の折れる音と供に呪詛師はぶっ飛び、たった一撃で呪詛師は気を失ってしまったようだ。
そうして呪術を無効化させ紙を破れば空気は澄みわたり、それが翌日の突撃百鬼夜行に隙を作ることに繋がったと知らされるのは年明けに帰宅した私に悟が教えてくれて初めて知り、わんちゃんにぎゅうと手を握りしめられてしまったのは今の私にはまだ知らぬこと。