狗巻と同中先輩が呪術師になった
私は彼をわんちゃんと呼ぶ(全21話)
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私にとって学校というものはとてつもなく面倒なものでありこんな私が中学を卒業してもまともな職にはつけないだろうしパパ活をしていた時に中学を出たら愛人として囲ってあげると言ってきた大人はいくらでもいたのでそれはそれで良いのかもしれないと頭の片隅で思っていた。
嘘偽りを口にしているような奴よりは、手っ取り早く私の身体目的の大人は手に取るように簡単であった。だから、本当に、それでもいいと思っていた。
ビールを飲み干し缶を潰していれば私の横に座った男の子、後輩は咎めるような視線を向けてきたが私は気にもせず煙草を口に咥え、馴れたように、実質馴れているのだが、片手で火を点け煙を吐き出せば後輩君は
「おかか」
と言ってきたのでチラリと見るも気にせず吹かしていれば男の子は口元を隠していた布を少しずらし一言言いはなったのは
「『煙草を捨てろ』」
というもの。しかし私はそれを無視して吸い続け、男の子は大層驚いたように目を見開いている。何をそんなに驚く事があったのだろうか。というかその口にある紋様、タトゥーなのかと思っていれば男の子は恐る恐るといったように口を開き
「俺の言葉に左右されないの?」
と。
今一理解できずにいれば男の子は黙りこみ私は煙を吐き出しながら男の子の目を覗きこみその心の内を読み取ると笑ってしまった。
「何だかよく分からないけど私にはそういうの効かないから。あと変なモノも見えるし心なんて簡単に読めちゃう 」
関わらない方がいいよと言い残し立ち上がりながら煙草を捨てると足で踏み消し、男の子は躊躇いがちに私の手を掴んできた。
「ーー狗巻棘……先輩の名前は?」
「私?露草初音、初音でいいよ」
「初音先輩」
酷く甘ったるい響きに笑ってしまい私を先輩呼びで接してくる人は今まで1人もいなかったので本の少しくすぐったい。
そのまま数秒見つめあっていたが私の携帯が着信を告げてきて、手を離した男の子、狗巻棘という後輩から目をそらすと不良仲間の電話に出て二言三言会話をすると携帯を耳に当てたまま狗巻棘を見下ろし笑うと口の動きだけで話しかけたのは
『またね、わんちゃん』
というもので。
棘君ことわんちゃんと別れると私は学校を後にして駅前で不良仲間と合流した。
「初音ご機嫌じゃん」
「どしたどした?」
「んー、ちょっとね」
そうして煙草を咥えると
「可愛い後輩できちゃった」
と煙草を吸っている割に白いキレイな歯を見せて笑ってみせた。