五条と副担任
五条と私のあれやこれ(全39話)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「祝柄、出張だって?」
「お前もだろ」
二人で荷物を持ちつつ伊地知の車に一緒に乗り込んで夜明け前の学校を後にした。
「五条は北海道だっけ」
「そ、祝柄はイギリスだったよね?ヤバいよねぇあの国は」
「ロシア程じゃないでしょ」
まあ、イギリスの座ったら死ぬ椅子も気になるけど、あそこは祓っても祓っても次から次へと湧き出るからちょっと勘弁~なんて会話をしていれば伊地知はバックミラー越しにこちらを見ており
「伊地知、お土産は期待して!」
「え?!は、はい!」
クソダサステッカー買ってきてあげるね!とウインクを一つかませば伊地知はあからさまにガッカリとしており私は笑いながら
「うっそー」
なんて口にして五条も一緒になって笑っている。そこ!イジメって言わない!
そのまま東京駅へと向かう車の中で「北海道と言えばカニかな?」と言えば「時期じゃないっしょ」と返されて。
「あ!木彫りのくまさんはいらないから!」
「お土産もらう前提なのがスゴいね」
だってお土産はパラダイスと手を広げれば「はいはい」といなされ私は「冷たいなぁ」なんて呟いてスマホをいじりイギリスのお土産をググれば検索第一位は紅茶なので
「まあ、観光がてら適当に買ってくるね!」
と。
目的は観光ではないでしょうと伊地知は心の中で呟いて後部座席の二人は如何にどちらが一番ダサいお土産を買ってこれるかのバトルを繰り広げており
「「伊地知!一番あって邪魔なお土産ってナニ?!」」
そう声をハモらせて尋ねかけられてしまった。
これって、どう答えても己には害しかないがだからと言って答えなくてもやはり害しかない。
胃が痛むのを我慢していれば二人はさっさと伊地知から視線をそらし如何に一年生がガッカリするお土産とはと話しこみ。
普通は「どっちが喜ばれるお土産を買ってこれるか」という事を戦の点にすればいいのにと伊地知はため息を吐き出してしまった。しかしそんなため息は二人には届かず「じゃあ」と。
「どっちが喜ばれるか、賭ける…?」
「(そうそう、そっち!)」
「木彫りのくまさんで決まりでしょ?」
「こっちには紅茶というベストプレゼントがある。釘崎ちゃんならこれでイケる!」
ヤイヤイと話す二人はバトルを繰り広げながら車は東京駅へとたどり着き
「伊地知ありがとね」
と二人は車を降りて互いの荷物を持ち駅の構内で切符を買うも空港までも同じ電車のため発車時刻まで立ち食い蕎麦を食べゆっくりと動くことにした。
発車する電車の一番良い席に並んで座れば目隠しをしている五条をチラチラ見る人もいるがそこは長年の事で気にもせず、祝柄は祝柄でカラコンを確認しており次いで薄い色のサングラスをかけ鞄の中から焼酎500mlを取り出し飲み始めた。
「一応仕事中じゃないの?」
「酔っ払ってさっさとイギリス行きたいじゃん。どうせ道中暇だし」
まあ酔っていてもさすがにヤバくなれば冴えるっしょと言えば五条は「へぇ~」なんて呟いてついさっき駅で買ってきたタピオカドリンクを飲んでいる。
「それ、お腹一杯になるよね」
「なるねえ」
「よくそんな甘い物飲めるね」
「朝から焼酎キメル人よりは100倍ましでしょー」
「ひどーい!」
そんな会話をしていれば電車は動き乗り換えを含め空港へと着き祝柄は更に500mlの焼酎を購入すると互いに手を振りあって別れた。
先に飛行機に乗ったのは祝柄で、五条はそんな祝柄の後ろ姿を見ると己の乗降口まで行き北海道へと旅立った。
五条は眠りながら、祝柄は酒を煽り飲みながら東京から離れ一級呪霊討伐及びクソダサお土産を考えて。
それでも結局祝柄は まともなお土産をぶら下げて帰ってきて、釘崎ちゃんと家入さん、新田に伊地知に喜ばれたのは余談である。