この関係を壊すモノがいるのならば(連載中)
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全てを語った伏黒だが、直哉はそれよりも先に全てを知っていたため 2人も警戒を解こうとして虎杖のスマホに着信が入った。家入からのものだった。
「……ここは……?」
「おはよう。どこか痛いところはない?」
シノは目を覚ますと周囲を伺い見知らぬ場所だと気づき肩を震わせたがすぐ「あっ」と声を出し「直哉くん」と呟いた。
その様子を見て、家入はシノに対し「呪術師を」知っているかと問うと、シノは酷く困惑しながら首を横に振った。
「ここはどこですか?直哉くんは?何で私は拘束されているんですか?」
シノの両手足首には枷が繋がれていた。シノは非術師であるが、先のことへの警戒で呪いのかけられた枷を繋がれていたのだ。
そこでシノは家入により、一頻りこの場と術師の説明を受け、己の両親がその呪詛師でありシノのことを呪い、縛り付けていたことも話した。
無論、シノは絶句した。まさか己の両親が己に依存し呪い続けていたなんて、言葉を失わない方がおかしいのだ。
「……じゃあ、直哉くんは……」
「アイツは呪術御三家と
君の両親は別室に幽閉し、君から遠ざけている。君には呪詛を放つ記憶もそうするほどまでの力もないからこのまま両親が死刑執行されるまでここから出すことはできない。
そして君は下手をしたら死刑対象であることも告げられシノは混乱する。
己の知らぬ時に知らぬことが起き「私のせいで」直哉くんが「死刑」になってしまう。
「私のせいで」
「君のせいじゃない。君は等しく“何もしていない”んだ。」
「っ、なら!直哉くんだって、何も……っ!」
していなくない。1人の人間を殺そうとし、真希ちゃんに殺されかけ
「でも……私を、守ってくれた……」
ポロリと落ちた涙を見て家入は「とりあえず落ち着け」といいスマホで虎杖に電話を入れ、乙骨と入れ替わるように部屋を出ながら「“彼女”が目を覚ました」とつげ、虎杖の声がシノの耳にも響きわたった。その瞬間、強大な呪力が突然溢れ出したのだ。
『シノさん起きたって、
「っ!虎杖、ばかっ、お前」
「、家入さっ――!?」
シノの名と直哉の名が最期の呪いのトリガーであった。
シノの意識は闇に堕ち、手足の枷を引き千切ると乙骨の刀を抜き取り部屋を飛び出した。向かう先は――。
「何をしてる!」
「すみません!家入さんもすぐ!!」
そうして乙骨は窓を破り直哉の元へと走るシノを追うが所詮は非術師であり非力な人間である。
乙骨は難なくシノを捕らえようとしたが、ふっとシノの呪力が途切れ、己を抑え込もうとしてる 乙骨に首を傾げてみせる。
それに対して乙骨が安堵した次の瞬間に腹部を殴打され投げ飛ばされる。
シノの筋肉繊維がブチブチと引き千切れ、走ることさえできないはずなのにシノは刀を持ったまま、そして大量の出血の痕を残しつつひたすらに駆けて行く。
血の涙を流し、ラビットアイとなり鼻血を垂れ血を吐く。
それでも尚、駆けていく。
『虎杖!絶対に“彼女”の名前も“そいつ”の名前も――』
呼ぶな、といった瞬間、虎杖の脇の扉は蹴破られ、それと同時に骨の粉砕の音が響く。
呪いの込められた扉を片足で呪力の強化なしに蹴破ったシノの足から響いた 音だった。
シノは表情も浮かべ ず虎杖に切りかかり、伏黒が“彼女”を取り押さえようとする。しかし“彼女”はそれを躱し攻撃を続ける。
直哉は刀を振るい血を流す“彼女”のことを見つめることしかできない。
直哉は“彼女”の名を呼ぼうとするも口がきけない。
“彼女”は虎杖の腹部に蹴りを入れその隙に伏黒が彼女を取り押さえようとして、意識を取り戻した“彼女”は突然の多大なる体内外への負傷に絶叫しそのまま踞り血を吐いた。
思わず虎杖と伏黒が一歩身を引いた瞬間、シノの表情が抜け落ち離していなかった刀を握り直し立ち上がる。
その光景を直哉は見つめ“彼女”が直哉の足に膝を置き刀を振りかざした。
直哉は彼女と目を合わせた。一瞬、彼女の動きが止まり、虎杖が刀身を蹴り折るも、“彼女”の態勢は崩れず
「シノちゃん」
直哉は酷く静かに名を呼んだ。
シノは振りかざした刀を、
己の
腹部へと
突き、刺した。
呪具はシノの身体を貫き大量の血を吐いたシノはそのままグラリと直哉の身体へと凭れかかるよう倒れこみ、乙骨と家入がその部屋に飛び込んできた。
すでにシノの息は吐息となり心音が弱まっていく。乙骨も家入もすぐシノに反転術式をかけるとシノ瞳は開き、ぼんやりと空を見つめている。
「良かった……シノさん」
乙骨は、言ってしまった。
シノは一瞬で身を起こし、直哉の脇に落ちている折れた刀の刀身を掴み再び直哉に切り掛かろうとし、全てが酷くゆっくりと見える。
直哉は目の前のシノの瞳を見つめ、真希や釘崎までもが入ってきたことにも目を向けず笑ってつぶやいた。
「シノちゃん。一緒に、死やろ?」
シノは刀身を振り上げた状態で直哉の目を見つめ囁いた。
「直哉くん」
次の瞬間、誰が止めるのも間に合わず刀身を振り下ろした刀は直哉とシノの心臓を同時に貫き、別室で幽閉されていたシノの両親の絶叫が響きわたった。
全ては、ほんの一瞬のことであった。
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