この関係に理由をつけるのならば(全10話)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
直哉くんにプロポーズされ初めて身体を重ねた時、私はもう何が何だかがよくわからないままに抱かれてしまったがあれから直哉くんが求めてくることはなく。
キスも抱きしめたり抱きしめてもらったりのスキンシップはあるが、それはプロポーズを受ける前からのこだったため、正直ドキドキはするが。
「――直哉くんって、淡白なのかな」
今日は店入りがあまりなく珍しく暇な時間に直哉くんとの夜を思い出し、なんとなく店に置いてある鏡の前に立ち前開きのタンクトップとサルエルパンツの自分を見てしまう。
直哉くんは「かぃらしい」とも「綺麗やね」とも「かっこええな」とも褒めて宥めてくれるけど。
「……よくよく考えれば半身は真っ黒なんだよね……」
そしてプロポーズをされた夜「お月さん、キレイやね」と語り「ずっと直哉くんと見ていたい」と答えたが明確な「好き」はもらっていないことに気付かされた。そして私も言っていない。
直哉くんは私を「特別やから」と大切にしてくれているがそれは「好きだから大切」なのか「直哉くんを受け入れている」から「特別」で「大切」なのかがわからない。
己の恋愛偏差値が最底辺なのが憎らしい。
しょうがないじゃん。直哉くんみたいに笑って話しかけてくれる人がいなかったんだもん。
それともここまで身体にいろいろ掘ったり開けたりしている女は実は対象外か色気が見えなくて抱こうと思えないのか。
……なんか、まるで直哉くんに抱かれたいみたいな考えだけど違うから。直哉くんが私の何を見てプロポーズをしてくれたのかがわからないだけ。
でもやっぱり抱いてくれようとしないことは、まあ、ちょっと考えてはしまう。
「……肌が綺麗な女の子のがいいのかな……」
私は全身に刺青を入れたことに後悔はしていないし例えしていても入ってしまったものは綺麗には消えてくれない。
だったらこのままの方が断然いいのだが、
「……色気って何だろう……」
そういうものがあれば直哉くんも手を出してくれる?
いや、やっぱり抱いて欲しいのか。違う直哉くんが手を出してこない事への疑問である。
無知ではないが男からしたら横に身体の全てを許した相手がいれば手を出そうとするのが大体だろうが直哉くんはただキスをしたり抱きしめてくれたりするだけであの日以降 言葉も身体もくれない。
「好き、って思ってくれてるのかな……」
はあ、とため息を吐きなんとなくお店を出て防波堤まで行き海を眺めてしまう。
『シノちゃんが言うたことならちゃあんと覚えてるで』
そう跳ねるような楽しそうな声音は毎日聞いている。
だって私の名前を呼ぶ声が本当に愛しく思えるから。でも、けれど
「うーん……わかんない……」
直哉くんは朝早くに『仕事』に行ってしまい今日の夜までに一人である。
お客さんも来ないし今日はもう店を閉めよう。
もう一度 息を吐きお店に戻るといつもの漁師さんがいた。
「小太郎さん、こんにちは」
「シノさん!外にいたんですか?」
「少し……ピアスお探しですか?」
雑念だらけだがお店のことはちゃんとしたい。そう思って言葉を濁し小太郎さんの横に並ぶと直哉くんとは違い日に焼けた肌が見え、直哉くんとは少し違うように鍛えられた腕を見て小さく息を吐いてしまった。
小太郎さんが驚いていたので私も慌ててしまう。
「す、すみません!ちょっと考え事をしていて……!」
「えっ!あ、いや、俺は全然構いませんが、えっと……直哉、くんの……」
ことですか?とピシャリと言われたら思わず苦笑いがもれてしまう。きいてしまうか。相談してみるか。
「あの……すごく不躾なのですが……」
「はい」
「小太郎さんから見て、私って男性に好かれる要素って、」
ありますか?と言おうとした瞬間、空気がピリつき、小太郎さんがパッと店の奥に視線は向け私も見ると直哉くんがそこに立っていた。ひどく怒っている様子で。
→