五条と副担任
五条と私のあれやこれ(全39話)
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つい最近見かけた彼の事を思い出してしまった。
一並外れた高身長に黒い服、目元は黒い布でおおってあり柔らかそうな銀髪が風に揺れている。
その彼は似た制服を着た高校生くらいの子供たちに笑顔を向けて話しかけており数多の女性たちも私と同様にチラチラと見ているも声をかけられないでいる。もちろん私もその一人。
初めて見かけた時、彼の後を追いかけようにも彼は黒い車に乗ってどこかへと行ってしまい、次に見かけた時は布ではなくサングラスに変わっていて服装もラフなもの。
「(よし、声をかけよう!)」
そう意気込んでしまったのだがそれは中々にハードルが高く、友人も彼を見て
「ひゃー!背ぇ高っ!モデルかな?イケメンかよ!!」
なんて笑っていて私が声をかける前に別の女性が彼に声をかけているもヘラリと笑ったままそれをいなし私も声をかけるタイミングを失ってしまった。
私が声をかけてもああやって断られたりいなされたりするのだろうかとグルグルと考えてしまい、仕事中もチラチラと彼の姿が脳内に浮かび上がってしまい首を振る。
今は仕事に集中しなければ。
そうしてお昼休憩に外へ出てお弁当を食べていれば「悠二~恵~」なんてのんびりした声が耳に入りついで「野薔薇~」とも聞こえたため顔を上げてしまった。そこにいたのは例の彼と以前彼といた子供たち、そして「五条先生」と単語も聞こえてきた。
あの人、五条っていうのか!
そんな情報が追加され子供三人と五条さんとやらはキッチンカーでタピオカミルクティーを頼んで(というか頼んでいたのは野薔薇という女の子と五条さんだけなのだが)ストローに口をつけ飲んでいる。
甘党?だとしたらデートでもした時に二人で一緒にケーキを食べたり笑いあったりできるのだろうなとにやけてしまいそうになる生憎そんな仲良くなるまでの接点もないしあれだけイケメンなんだ、恋人くらいはいるだろうな。
お弁当を食べる手を止めて見つめていれば五条さんは飲みかけのタピオカミルクティーをオレンジっぽい髪の男の子に差し出して飲ませており何やら楽し気に話している。
タピオカミルクティーの甘さは私も好きなのでもしかしたら話をできるかもしれない。でも子供たちの前で五条さんに声をかけるのはハードルが高い。彼が一人きりなったところで声をかけるしかない。
彼と甘いもの巡りのデートができればと心を踊らせていれば彼たちは行ってしまいその背中を見送るとお弁当を食べ終え会社に戻る。
そのまま定時で上がり夕飯の献立を考えていれば視界の端にチラリと彼の姿を捉えた気がして反対車線の歩道に顔を向けてしまった。
思わず歩道を渡り追いかけファミレスに入ると彼らは奥の席に着き、私も私で彼らの近くのテーブル席へと腰を落ち着け耳をすます。
"呪力"とか"呪術"とかよく分からない単語が飛び交う会話を頭にいれて首をかしげながらもメニュー表を見つつチラリと五条さんを盗み見てしまう。
「寿先生いつ合流すんの?」
そんな言葉がザワメキの中聞こえてきて「ことほぎ?」と更に首をかしげてしまった。
「祝柄ならもう少しでくるよ」
祝柄ということは寿祝柄という名前の人物だろう。女性待ちか。しかも同僚くさい。
「ちょっとメール送ってみるわ」
「そうしてよ」
そう五条さんと女の子はふたりでワイワイしておりすぐ運ばれた料理に手を出していて、五条さんのスマホが鳴り響き
「祝柄、迷子?ウケる~」
なんて席を立ち子供たちに「祝柄を迎えに行ってくるからね」と行ってしまい本の五分ほどして五条さんが戻ってきた。
五条さんに負けず劣らずの背の高い美人さん。めっちゃスタイル良い。
「お待たせみんな」
「寿先生~!」
寿先生とやらは五条さんの横に腰を下ろし五条は五条でどこか嬉しそうにしているということは、そういうことだろう。
はー失恋かぁと私はパスタを食べ終えると帰宅し彼の楽し気な表情を思い出して悲しい中眠りについた。
祝柄きてくれてよかった!
そんな言葉に祝柄と伏黒たちは首をかしげていたのは五条のみぞ知る。