癒しの悦楽(全34話+おまけ)
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記録――2018年7月
英集少年院運動場上空
特級仮想怨霊(名称未定)
その受胎を非呪術師の視認で確認、緊急事態のため高専1年生3名及び高専所属カウンセラー1名が派遣され
うち1名、瀕死の重症により意識の混濁ついて秘匿死刑が決定される
次いでうち1名、死亡
「はあ~……呪胎って、ほぼ確実にやばいやつじゃないですか伊地知さん…しかも上空って、ヤバいやつじゃないですか……私行かなくちゃだめなんですか?」
普通に怖いんですけど……そう呟いて資料を置くと、私の言葉に伊地知さんは申し訳なさそうにしているが1年生というより虎杖君が任務につくと宿儺の発言というか、脅し かつ命令で私も供に同行することになっているのだが。
因みにそれについては五条さんが上層部を脅したらしい、というのはちょっと置いといて私は カレンダーとスケジュール帳を見て色々と調整しなくちゃなと思いつつ伊地知さんを見上げる。
「1年につとまるでしょうか……」
「今高専から出られるのがその3名だけなので……それに一応“宿儺”という手段もあるのではないでしょうか」
私は「うーん」と唸り「なるほどねー」と呟き、米神を強く押さえてしまう。
呪術師でもない私が行ったところでほんの少しの手助けにもならないけど、まあ仕方ないか。
虎杖君、詳しくは宿儺と2人きりになることはないだろうし
「時間もないし、行きますか」
と虎杖君たちと私は合流し現場に着く。
伏黒君は少年院を見上げ虎杖君と野薔薇ちゃんもまたもう一度任務内容を確認し虎杖君は呪いの階級についてざっとした説明に頷いている。
クラスター弾落とせばどうにかなるならそういう呪具作ってくれないかな。町1つくらいなくなりそうだけど。
「燐」
「あ、何?」
「離れるなよ」
宿儺はそれだけ言うとまた消えていき4人に何とも言えない表情を向けられたがまあ慣れたよね。っていうかこれ五条さん案件だよね。出張と交換して五条さん回せよ。明らかに中は異常になってると思うと伏黒君と話し、帳を降ろしてもらってから第二宿舎に足を踏み入れた。
例に漏れず私は特級の呪符を持たされているが役に立つのだろうか――――え。
「うっわ……こんな生得領域私絶対死ぬやつ……」
「めめめ、メゾネット!!」
「扉は!?」
伏黒君の怒鳴り声に3人はパッと振り返るがそこにはもう 扉というより出入り口がなくなっている。伏黒君の玉犬白が出入り口の匂いを覚えてくれているらしい。
伏黒君、もう1級でよくない?階級さえない私が言えるわけじゃないんだけど1級で良くない?
不安より諦めの態度になりつつある私は虎杖君というか宿儺の側から離れず歩き続け大きく開けた場に着いた。
そこにはもう手遅れの3つの死体。
虎杖君は駆け寄り、その死体の一つを持ち帰ろうと口論する中で、私はハッと顔をあげ手を伸ばし
「気をつけて!!」
と言った瞬間、目の前は沢山の赤に包まれていった。
痛みや何かを感じる前に口からは大量に血が溢れ、いつしかのように背中越しに壁にクレーターができ、そして3人と1人の怒鳴り声のような叫び声を最後に私の意識は闇に包まれていった。
何だろう、懐かしいな、この感覚は。一体、何だろうか、あの人は笑っていたけど、今は、懐かしくて、暖かくて、そして――――酷く寒い。
玉犬の体が吹き飛び壁に首だけがめりこみ、その横には燐が両足と片手を吹き飛ばされ、腹部にも見ただけでわかるほどの重傷、もっと言えば死体ともとれるそれに変貌しており虎杖の中の宿儺は――――怒り狂った。
釘崎が足元の影に飲まれそうになった瞬間伏黒はすぐ釘崎の腕を掴み引きずり出し、虎杖は怒り狂っている宿儺と“強制的に”肉体の交換をさせられた。
宿儺の小指には燐が吹き飛ばされた瞬間に結ばれた小指が絡んでいた。
燐は誰よりも早く特級の存在に気づくと虎杖たちが反応するよりも先に小指を絡め「宿儺」と囁き、声を荒げ呪霊の呪力によって吹き飛ばされたのだ。
釘崎と伏黒はその圧倒的なオーラと怒りに狂っている呪いの王、宿儺によって身動きの1つもできず硬直し、それはたった今燐と玉犬を吹き飛ばした特級呪霊もそう。
宿儺は釘崎と伏黒を視界に入れることなく「去ね」吐き捨て、2人が動けないでいることに関心を寄せることなく燐の元へと行き燐の体を抱き寄せた。
「見世物に見えるか?
その一言で釘崎と伏黒はすぐ走り「任せても」いいんだな!?と言うも宿儺はチラリとも見ることもなく燐の頬を撫でているその表情は伺えない。
「燐、すぐ済まそう。眠っていろ」
燐の腹部は癒え、両足も片腕も治っているが出血量のせいか意識は戻らない。
「…… 遊ぶつもりだったがやめだ。死んでいいぞ、
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