癒しの悦楽(全34話+おまけ)
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1年生が任務に出る時、私も同行させることになった。
それは宿儺がそう『命令』という『お願い』という『脅し』であって、カウンセリングがない時の任務に同行する。
もちろん5人で車に乗ることができないので私は私の車を出すがそうすると宿儺という虎杖くんが助手席に乗せろとまた『お願い』してくるので 他の教師などより虎杖君と一緒にいる回数はめちゃくちゃ多い。でも虎杖君といても話しかけてくるのは主に宿儺の方。
「今日の呪いは恐らく多い。俺から離れるなよ」
「はいはい」
任務内容を伝えるとそのまま宿儺へと情報も入るためそう口出ししてくるが、ここまで私を側に置きたがる理由が不明だけれど、それに従えば虎杖君に呪力の使い方を(面倒そうに)教えている。主導権を渡さぬのなら私に傷一つつけることなく低級の呪いくらいとっとと祓えるようになれと。
でも宿儺は初めて会った時以来私に過去についてを思い出させようと言葉を重ねることもない。私の日常報告を迫ってくるしたまに虎杖君も参加するのだがやはり主に宿儺が話しかけてくる。
「燐、どうした?何かあるのか?」
今日の任務地で周りを見ながら虎杖君の側にいるとそんな風に問われ、私は小さく「虫が…」と呟くとすぐさま虎杖君に主導権を渡すようにしつこく迫る。
伏黒くも野薔薇ちゃんも慣れてきてしまっているので虎杖君が「側にいてくれればいいって言ったのお前じゃん!」と相手をしているのを眺めておく。
廃ビルから溢れる呪いの気配は多く、3人と私はそこに足を踏み入れる。確かに量がえげつないがどれも4級、いても3級で伏黒くんがいるので安心。
人海戦術として3人は別れ私はいつも「外で待っていた方が安心なのに」なんでいつも虎杖君に付き合わされてるのかななんて考えながら呪いの祓えない私はその時その時の指示で虎杖君の横にいたり後ろにいたりする。
今日は後ろ。
「燐、怖いか?」
「ううん。皆のおかげで慣れてる」
「宿儺、呪いがどこにいるか教えろよ」
「己で考えろ、クズが」
「お前が燐さんといたいって騒いでんだろ!」
1人漫才を見ていながら仲いいなと思いつつ割と大きめな蜘蛛を見て小さく悲鳴を漏らすと虎杖君が反応し守ってくれる。あーびっくりした。
「燐さん蜘蛛とかマジで苦手だね」
「なんかもうこればっかりはどうしようもない。昔っからダメ」
「俺、家が古いからよく見つけたなー。こんくらいのとか」
「無理泣く」
虎杖君は明るく笑い、私も笑いながらビル内のとある一室に入って私は入り口で待機しろと宿儺が言うので従う。
こういう時はだいたい部屋から呪霊が出ず一身に虎杖君に襲いかかるので私は呪符を持って眺めてしまう。
虎杖君はまだ呪力操作が苦手なので五条さんに渡された呪具で祓っている。私が一緒にいる意味は多分ない。ただ宿儺が虎杖君を鍛えてやる対価として私を側に置くと言うし五条さんのオーケーサインが出たので本当にいるだけ。
大量の呪いを相手にしながら宿儺がたまに「後ろ」と言ったり「そこで呪具を振るう意味はない」なんて馬鹿にしているのを見て私は意識が小さく沈んでいくのを感じ額を押さえつつ一歩後ずさりしゃがみ込む。耳の奥で誰かの声が聴こえてくる。
『燐、虫くらいでうるさいぞ』
『だってぇ~……何も見えないんだもん……』
『見えなさすぎるのも問題だな……気配の察知だけは褒めてやるが』
「『燐』さん!」
私はハッと顔を上げると目の前には虎杖君が私の肩を掴み心配そうな視線を向け、宿儺も声を荒げていた。そしてすぐ伏黒君と野薔薇ちゃんも駆け寄ってきて野薔薇ちゃんがハンカチで私の汗を拭いてくれる。
「大丈夫?」
「う…ん……何だろ…白昼夢かな……大丈夫。」
そう笑いかけ立ち上がろうとしたら虎杖君が背中を向けたのでいつものようにおぶってもらう。こういった状態になると宿儺の『命令』で私は虎杖君のお世話になるが一番最初にこうなった時、姫抱きをされたが宿儺がジッと私を見つめてきていたので私からおんぶに変えてもらっていた。
何だか「誰か」以外の人の腕の中にはいたくない、と、宿儺は笑って了承していた。
太陽は上がり車に乗り込むと伏黒君と野薔薇ちゃんが乗った高専の車の後を走らせる。そうすると虎杖君が助手席でソワソワしているので取り留めのない話をして宿儺の視線を感じる。
「……宿儺……そんなに見られても……」
「恥じらうのか?」
ケヒッ、と笑う宿儺に「違うよ」と答えるとひどくつまらなさそうに消えていき、虎杖君の視線を感じる。
「大丈夫?燐さん 」
「大丈夫だよ、虎杖君」
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