癒しの悦楽(全34話+おまけ)
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「にいなめさい?」
燐は屋敷の一室にいる宿儺に問いかけ裏梅は大きく息を吐き出したいのを何とか我慢し燐をチラリと見てからまた宿儺を見つめ「にいなめさい」『新嘗祭』に朝廷より声がかかった旨を説明し宿儺はつまらなさそうに「そうか」と呟いた。
裏梅は宿儺が了承したことを 遣いの者に返しその間に燐は宿儺に「にいなめさい」の説明を求めた。
「五穀豊穣……宿儺に関係あることなの?」
「少しもないな」
「じゃあ何で行くの?」
きょとんと、心底不思議そうにしているため宿儺は燐を見下ろしながら杯を傾け「ただの暇つぶし」と返し、燐は「ふーん」と納得したのかしていないのか頷き宿儺に寄りかかる。
「私も行っていいの?」
「好きにしろ」
「わかった!」
そうは言ったものの燐を連れて行ってその後手を出されたら至極面倒だし不愉快だし燐も燐で行ったところで楽しめないだろうが宿儺はチラと燐を見て空いている手で頭を撫でつける。
そうすると燐は嬉しそうにし笑いかけてくるので気分を良くした宿儺は燐を膝に乗せ口付ける。そして首筋に赤を散らしそのまま燐は腕の中で眠りについた。
新嘗祭
宿儺は裏梅を伴って祭壇に上がりドカリと座る。周囲からは恐れつつひそひそと話している帝の配下を他所に燐は宿儺の横でキョロキョロとし空を見上げ「暇」と呟いた。
「屋敷に戻っていても良い」
「暇でも宿儺がいるのといないとでは全然全く違うから私は宿儺といたい」
燐は色のない瞳を宿儺に向け、次の瞬間羽織をかけたままの裸身の女が宿儺に抱きついた。ほんの一瞬である。
「ああ……あなたに会いたかった」
などと恍惚とした表情と声と動作をした女を裏梅は切り裂き宿儺は視線も向けようともせず、燐はその女――
燐がうまくモノを視認できないので万の姿も上手く捉えられず、だが宿儺第一の裏梅は心底苛立っているし燐はひょっこりと顔を出そうとし、宿儺はそんな燐の頭を撫でる。
「あなたを愛するのは私で、あなたに愛されるのも私!」
「うわぁ…真性の変態だ……」
万の姿はわからないが宿儺に対する異常な行動と
「ねえ、その女、何?」
「……あ、私?えっと……すく、」
燐はすぐ己のことだと気づき宿儺に名乗っていいのだろうかと問いかけるために宿儺を見上げ宿儺は燐に口付け、万は怒り狂った。
「私の居場所よ!どきなさい!!」
それでも宿儺は燐の口の中を犯し万が騒ぎ立てるのをまた裏梅が攻撃を仕掛け万は倒れるもすぐ起き上がり口の中を犯され息を荒げ必死に呼吸している様にさえも激昂した。
結局、途中で飽きた宿儺は燐を抱き上げ裏梅と殿を後にし屋敷に戻ってきた。
「宿儺、あの変態につきまとわれてるの?」
「虫けらなどに興味はない」
「え?!あの変態、虫!?」
「虫だ」
燐は宿儺の腕の中でゾッとしたような表情を浮かべ「近づかないようにしよう」と呟いて、宿儺は笑い転げた。それでも燐のことは放さないし燐も特に離れようとはしないで宿儺の着物をぎゅっと握りしめ、もう一度
「今度、」
虫が来たらすぐ逃げようと怯えている。
「よいよい、俺が守ってやろう」
「本当?」
その場の言葉遊びだが燐はほっとしており嬉しそうに笑うと宿儺にそっと口づけた。
「宿儺、お腹空いたな」
「裏梅」
「はい」
3人は夕食を取った。何事もなかったように。
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