H×H→転生呪術高専夏油同期チート
人生ハードゲーム(全21話)
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甚爾さんは1人頭の中で私の説明を組み立て
「驚かすんじゃねえよガキが」
と言いながら冷たくなった餃子を食べ姿勢を崩す。ちゃんと話を聞いてくれるところ、素晴らしい!好きだぞ!
「私、家関係で昔(前世)から恋とか愛とか無縁で生きてたんだけど、何て言うか一緒にいてくれるのが嬉しくて……あ……きっかけ、あったかも……」
「言ってみろ」
「1ヶ月も会わなくて、1回しか顔を合わせなかったのに、ずっといつもそうだったみたいに「おはよう」って言われて驚いてたら「どうしたの?」って言われたのは、多分、甚爾さんの言う""きっかけ""みたいなもので」
甚爾さんは水を飲みながら今度は楽しそうに笑っており、私は甚爾さんを見ながら言葉を続ける。
「私を見たり、話したり、時々視線を反らされたり、距離を置かれたりもしたけど、」
初めて私から電話をかけたのが年越しの夜。同級生はメールをくれたけど、その人からは何もなくて、それが知りたくて電話した。その後別にどうともない会話をしてたのに「声が聞けて嬉しかった、また教室で会おうね」って言ったら黙り込んじゃったんだけど、この理由が分からない。
「私は確実に""恋""ってものをしてるんだけど、相手もそうじゃなきゃ悲恋?とかいうやつになると思うんだけど」
「おじさんが1つ断言してやる」
「何を?」
甚爾さんは長く息を吐き出してからこう言った。
「そいつも間違いなくお前に恋してるな」
「何でわかるの!?」
「わからないうちは一生ガキだ」
ガキッつーより向いてねえな、どこで教育間違えた?なんて鼻で笑われ、私はぽつりと言ってしまう。
「そりゃ弟に『つくづく運がない』って殺されたけど、そもそも家は暗殺が生業で『感情を持つな、お前は光をもたぬ闇人形』なんて拷問混じりに育てられたし?6つの時に無一文で闘技場に置いていかれて『目標に着くまで帰ってくるな』って言われたし?家を継ぐ気はないって言ったら 肩ぶち抜かれたし?」
「ま、待ておい」
「暗殺だってやりたくてやってたわけじゃないのに『素質がある』って生まれた時から 毒飲まされてたみたいだし?執事だって1歩身を引いて接してきたしさぁ!」
「待てって、おい」
「21までグレずに生きてたのに最終的に弟に私への暗殺依頼が入って無抵抗で死んだけど?やっと平穏!って思ったら今度は何?呪術師?ふざけんなよ!私の人生ハードゲームの詰みゲーじゃん、みたいに思うのは仕方ないじゃん?見た目だって結構ここじゃ変わってるらしいし、」
手にあるグラスがピキピキと音を立ててヒビが入っていくが、今日まで溜め込んだ感情が爆発しそうになり甚爾さんがポカンと固まるのも目に入らず
「こっちで7つの時に内臓を垂らして2日で治したら両親が拝んでんのマッッッジで意味わかんないし」
「お、落ち着け」
「それからは大人しく言いつけ通り生きて楽をしたかったのに、今度は毒姫させられて? 片目を隠してたら『中二病』とか意味不明なこと言われてたし」
「……聞こえてるか?」
「引っ越して、それが無くなったら今度は入学初日から任務とか大義名分かまされて?何が術師だ!何が人を殺すな、だ!何がお前は特級だからだ、とか、っ!!勝手に!私の人生決めてんじゃねえよ!!」
そう叫ぶように吐き捨てて、とうとう手の中のグラスが粉々になり溢れた水でハッとしたがもう遅い。
甚爾さんは意味が分からないと言った表情で私を見つめており、私は慌てて立ち上がるとそのまま食堂を飛び出した 。
「待て香葉!」
と腕を引かれ掴まれるのと
「香葉、迎えに来たよ」
と耳に響いたのほぼ同時。
私はその場に固まってしまい 甚爾さんは私と傑を見て、悟った、というか察した。
「本命のご到着か」
と。
死にたい。いっそ殺せ。
傑の視線が今は痛い。