H×H→転生呪術高専夏油同期チート
人生ハードゲーム(全21話)
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結局、硝子も歌姫先輩も何も教えてはくれず、むしろ歌姫先輩には「今すぐ忘れろ」と何度も言われ解散となった。
明日は歌姫先輩が任務なので。
私はあのまま硝子に食い下がろうとしたが前世の徹底したギブアンドテイク教育で育てられ死んだため硝子に情報をもらうことへのお返しも思い浮かばず自室のベッドに倒れ込んでしまった。
そして思い出してしまうのは握りしめられ包まれたあの温かい感触と、甘い笑みと、優しくゾクリとするほどの低い声。それに呼ばれた私の名前。
「うぅ…何これわかんない……」
両手を握りしめ胸の前で抱き込んでみてもさらにドキドキと心臓は騒ぐし、苦しいし、前世でも今世でも味わったことのない苦しい感情故にどうすることもできなかった。
自分自身で拷問をしているような感覚でいながら必死になって忘れようとしても忘れられず、むしろ更に深く思い出してしまい泣きたくなる。
良くも悪くも泣いたことなんて一度もないのに。
「何がそんなに面白くて危なくてダメなの……?」
そう一人呟いても答えてくれる人なんていないし、そのまま香葉は悶々と一夜を過ごしてしまった。
1日くらいの不眠なんて不眠の回数にもならず、とりあえず香葉は起きて着替え、教室に向かう途中で夜蛾先生に声をかけられた。
ちょっと特殊な任務が入った、と。
傑は別案件で硝子はそもそも戦力外(たまに出る)、そして悟は絶対ダメ案件で消去法もなく、すぐ香葉にしか頼めないとも言われた。いわく
「呪詛師の捕縛と術式解除」
「円」で呪詛師を見つけ術式を発動するとその範囲内の呪いや術式が消せるため私が適任だと。まあ確かに適任だが、その呪詛師がどこにいるのかだいたいの予想はついているらしいが、向かわせていいのか悩んでいるらしい。
その場所というのが
「これが……合法的な賭博……!」
競馬場。
肉体的には未成年だが精神的にはアラフォーとやらなので心のつっかえは必要ないし、ゆるいセーターにズボン、コートを羽織ってサングラスにし帽子をかぶるとあら不思議。
大人の女に見えないこともない。
身長とそれに見合った顔立ちに産んでくれてありがとう。
とりあえず見よう見まねで馬券を買いつつ「円」を展開して探してみても今はいないようだ。
でもこれから来るかもしれないと空いている椅子に座り、ふ、と横にいた人物と目があった。
この人、見たことある。昔、どこかで……1度……
「「……あ……」」
2人同時につぶやき、横にいた男は私を見つめサングラスを取られ見つめられ、
「あん時のバケモン……」
と呟かれた。
なので私も口を開く。
「あの時はどうも……」
そう、昔、術師殺しとしていた折に私と戦い「割に合わない」と身を翻した男。
「甚爾さん」
「香葉、だったか?」
互いに名前を呼んで、それでも私から敵意を感じないと見るやサングラスを返してくれて
「ターゲットは俺じゃねぇだろうな」
と問いかけられた。
「ターゲットだったら今頃捕まえてるよ」
「だろうな」
一気に脱力させ試合が始まるのを待つ甚爾さんに私は尋ねることにした。
なんか、ここの雰囲気にめちゃくちゃ馴染んでいるから多分私のターゲットも知ってるかもしれない。
今は敵じゃないし、縁だし。
サングラスをかけ直してから声をかけ写真を見せてからそっといたって普通に問いかけた。
「この人知ってる?」
甚爾さんは写真を見て本の一瞬目を細め、その視線の一つで私は甚爾さんの心を読み
「知ってるみたいだね。いつもいつ頃に来るの?」
「俺から情報取る気か?」
「使える手は使わないと」
「安くないぜ」
「当たったら馬券あげる。当たらなかったら私のポケットマネーから出せる」
伊達に特級扱いではないので、とは言わず甚爾さんは開始したレースに意識を向け
「はい500万」
「お前マジで殴りてぇ女No.1だな」
交渉はレース1回で成立した。
使えるコマは使わないと。