H×H→転生呪術高専夏油同期チート
人生ハードゲーム(全21話)
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傑の手から逃れた香葉は今、ベッドに腰掛け香葉を見下ろしている硝子を見上げる。
「手を見られてドキドキしたって言ったの?」
「言った」
先ほどの出来事を話し、この感情の意味も行方もわからず、 そこについては硝子か歌姫先輩に尋ねた方が早いかもしれないからと壁ドンをされたことまでを話し、硝子は煙草を片手に項垂れた。
ショックなどではない。
むしろ無自覚に煽っている香葉の言動に可笑しくて仕方がないため項垂れて笑いをこらえているのだ。
「くっ……ふふっ……香葉が初心すぎて辛いな」
本当に罪作りだなと言われ香葉は更に混乱する。
夏油傑は香葉に惚れていると全員知っている。
そして今話しを聞く限り香葉も夏油に想いを寄せつつある。
実質両片想いというもので硝子は笑いをこらえるあまり腹筋がつりそうになる。それでもなんとか笑い出さないようになるのをこらえ問いかける。
「 今までそんなことを思ったことは?」
「ない。だから硝子か歌姫先輩に教えて欲しい。悟は多分教えてくれなさそうだし言ったら終わりの気がしたから除外した」
とうとう硝子は吹き出して己の膝を叩いて笑っている。
「どうしよう……私変なのかな……何でドキドキしたの?すっごい緊張した……!」
硝子はさらに笑い硝子の部屋の扉が開き歌姫までも乱入してきて一言問いかける。
「あんたら何笑ってんのよ?まぜなさい!」と。
「 いいですよ。今ちょうど面白いところなんで」
「歌姫先輩いいところに!硝子が私を笑ってる!」
「みりゃわかるわよ」
「え、すごい…」とつぶやくと歌姫先輩は私の横に座り硝子は煙草を灰皿に押し付けつつベッドを下り歌姫と肩を組み、密やかに、かつ厳格に告げた。
「香葉が初心なんですよ」
「はあ?!」
一瞬で悟った歌姫はドスの効いた声を出し隣で混乱している香葉を見て「どいつ!?」と。
「クズの前髪の方ですよ」
「はあ!?」
「え?え?クズ?前髪?2人は何を知ってるの?」
私のこの不思議な感情を教えて欲しいだけなのにと口にすると硝子も歌姫も目を座らせ静かに、厳粛に、かつ、言い含めるように囁いた。
「後悔するぞ(わよ)」と。
「え、何それ怖い……後悔するほどダメなやつなの?」
「ダメね」
スッパリと切り捨てた歌姫は己の感情の答えを知りたがっている可愛い後輩にその感情が「何か」を教える気にはならない。
その相手が史上最高のクズの1人だと認定しているので。
そして硝子もそれに乗ることにした。
同級生の両片想いで片方が純粋すぎるため尚のこと。
「香葉にはもっとお似合いのやつがいるはずだからさぁ、早々に忘れろ」
「あんっっっっなクズは忘れなさい」
命令、と歌姫は続けそれでも 察しない香葉に同情して涙がにじみそうになり、そのまま目元に手を当て小さく息を吐き出した。が、香葉は食い下がった。
「全然意味が分からないから相談してるのに……」
更に意味が分からないこの感情を忘れろと2人は言う。
私なんかよりずっと「人間」なのできっと知ってるし教えてくれるはずだと思っていたのだが「忘れろ」と言われるほどに危なく、笑われるほどに楽しい内容で、でも歌姫先輩は「NO」を貫いて教えてもくれない。
「しょうこぉ~~……」
「甘えてもダメ」
「甘えてないよぉ~……本当にこれ何?」
何がそんなに危ないの?と2人を見比べてしまうと歌姫は深~いため息を吐き出して見つめてくる
「……夏油のことを考えてみなさい」
奇しくもクズの名前を呼びたくはないが、結局今目の前にいる純粋すぎる後輩にそう言うとそのままの通り香葉は「夏油傑」のことを考えて
「……心臓が痛い……え…病気したことないのに……?」
硝子はまた吹き出して笑い、歌姫は苦々し気に吐き捨てた。
「あのクズが……!!」
と。
だからこの感情、教えて下さいよ~!と香葉は泣きついた。
教えたくなんて無いわよ!