H×H→転生呪術高専夏油同期チート
人生ハードゲーム(全21話)
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「日本寒っっ!」
2月、海外から日本に戻ってきた香葉はそう言いながらもコートやマフラーもつけず下だけはボトムに履き替え飛行場で待っていてくれた補助監督と頭を下げあった 。
暇なフライト時間に報告書の作成は済ませてあるので高専に戻るまでのやることもなく ぼーっと後部座席で空を見つめる。
海外に飛んだ初日に携帯が壊れた。
特に手荒な扱いはしていなかったが突然沈黙し呪いを祓ってから高専の覚えている番号に電話をかけたのはそういうこと。
一応海外にも補助監督はいるものの、呪いの報告や場所については一々確認を取らなければいけない面倒に、仕方なくやる気を出し3ヶ月と言われていた任務を1ヶ月で終わらせた。
一応硝子たちにも連絡を入れようとも思ったが残念なことに番号を覚えていない。なぜなら赤外線で繋がったためきちんと番号を見ていなかった。
だが唯一歌姫先輩だけは直接打ち込んだため高専の番号以外に覚えていたのだ。
本当にそれだけである。
壊れた携帯の保存カードだけ取り出しあとは捨てて1ヶ月、不眠不休で呪いは祓い帰校してすぐ硝子と歌姫先輩に抱きつかれて硝子に怒られた。
「私の番号覚えておけ、でないと根性焼きだからな」
と脅され硝子と共に教室に行くと悟と傑も近寄ってきて硝子と同じく番号を覚えさせられた。
一応もう新しい携帯が支給されたため従っておく。
で、放課後。
何故か傑に自販機を背に壁ドンをされている。なんで。
傑はにっこり笑ってもう片手を差し出されたのでとりあえず握って見せると苦笑され
「2月の行事」
と呟かれた。
「行事なんてあるの……?」
授業に関係することだろうかと悩む私に傑はまた笑ったまま手を握り返され呟かれる。
「2月の、14日の、行事」
「え?え?誕生日?」
「違うよ」
とやんわり言われるが香葉は訳がわからないと傑を見上げ、ここで
「チョコレートが欲しい」
と言ったらどんな返事が来るのだろうかと傑は考える。
好きな子からは絶対に貰いたいという男子の心理である。
しかし 五条家関連で生きていたので俗に言うバレンタインデーなんて記憶の彼方であるし、どちらかと言うと敬遠されていたため本当に無縁であった。
家族同士で義理さえもない、ある意味何も『教え』られていないし知ろうとも思わなかったため「2月14日」という言葉も謎の単語である。
大いに混乱しつつ携帯でカンニングしようとしたらその手も握りしめられ、自分とは大分手の皮の厚さが違い鍛えられている男の手にマジマジと視線を向けてしまう。
私の手だって小さくはないがある意味滑らかな己の手と違うしっかりとした大きな手を開かせてじっと見つめてしまうと手を引っ込められ苦笑される。
「……なんだか、恥ずかしいな……」
「手を見られるのが?」
心底疑問に思い問いかけると傑は小さく笑い困った表情を見せるがそれで香葉が引くはずもなく、傑の前に両手をかざし見せてきた。
壁ドンをしていた夏油だがかざされた両手をそっと掴み、繊細なガラス細工を手に取るように触れれば香葉は背筋に不思議な感情を覚え 先ほどの夏油のように手を引っ込めようとしたが傑はその手をまた掴みじっと見下ろしてきて私は心の中で叫んでしまう。
これなんて感情ですか!?誰か教えて!ヘルプ!硝子!歌姫先輩!ただし悟お前はダメだ!!
心の中で悲鳴を上げつつ顔を反らし高鳴る心臓と体が熱くなってくる。
多分これダメなやつ。
なので率直に申し上げよう。
「す、すぐる……」
「なんだい?」
甘くとろける声に片手で心臓を押さえ軽く混乱しながら呟いてしまう。
「なんか、ドキドキして苦しいから、離して……」と。
「ーーーえ……?」
香葉、もう一度言って、と真面目に急かす傑に対し私はもう一度
「だから、」
と口を開こうとして
「何してんの」
という硝子の声に香葉がパッと硝子を見て傑の前からスルリと移動して抱きついてしまう。
「しょうこぉ~!教えて欲しいことがある~~~……!」
硝子なら分かるよね?