H×H→転生呪術高専夏油同期チート
人生ハードゲーム(全21話)
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夏の余韻が残っているある日のこと、悟が突然言い出した。
「 プール行かね?」
珍しく悟と2人きりで教室に いた私は「プール?」と呟きながら顔を上げ、悟はもう一度「プール」と繰り返す。
今日の午前中は傑と硝子が任務に消え、私も、というか私が任務も割り振られず勉強という名の自習をしていたのだが、悟はまた「プール!」と語気を強めて言い放った。
「せっかくのアオハルなんだから4人で行こうぜ」
「アオハル」の意味がわからないが私は手帳を取り出し任務予定に目を通すとそれを悟に奪われポイと捨てられる。落ちる前に受け止めたが。
「みんなで水着着てさ、流れるプール!そんで焼きそばとか、イカ焼きとか、やきもろこし食おうぜ!」
「……ほぼ後半が目的じゃん」
まあお家事情で仕方ないが私だって前世からのお家事情でそういったことへの参加はしたこともなく、そもそもプールというものへの興味が薄いし食への興味も右に並ぶ。
悟は硝子の椅子に座りガタガタと私へと近寄り小声にする必要もないのに小声で話しかけてきて耳を傾ける。
女子か。私は女子だった。
「傑、ぜってー喜ぶから」
「焼きそばに?」
相手は一般出だぞ?それくらい経験してんだろと言う視線を悟に投げると、悟はべッと 舌をだし「にっぶ!」と、そして私の頭に軽くチョップをしてから「そうじゃねえよ」と言い捨てて。
「交流戦の時イチャついてたろ?」
「交流戦……?イチャ……?」
「はあ?マジで?」
デデーン!傑、アウトー!!と言ったところで教室の扉が開き硝子と傑が姿を見せ
「香葉の鈍さは折り紙つきな」
なんて悟は笑い硝子も傑も何かを悟ったように二人で別々の表情を作ったが、悟の次の言葉に傑が食いついた。
「4人で!常夏の!プール!」
という言葉に。
硝子も一般出のため同じくプールも焼きそばも経験済みだろうから断るだろと思っていたら
「いいな」
と口端を持ち上げ同意した。
3対1であるが私はそもそも どうでも良かったので実質4対0であり
「香葉は放課後私とデートな、水着買うぞ」と。
「硝子、でも私テストあるから少し遅くなるよ」
「いーの、それくらい待つ」
男前すぎて惚れそうになる。
かくして、爆速でテストを終わらせ、服を持っていないため制服で硝子の部屋を訪れると無言でタンクトップを渡された。
なので素直に着替え下は普通にボトムスを履き2人で放課後デートにしけ込んだ。
硝子サイズのタンクトップのためお腹がチラッと出てしまうが恵まれた体型のため特に気にはならないし、私たちと同じく水着を買いたいと言う悟と傑との4人で結局出かけることになった。
平日の放課後、しかも特設水着売り場はセールということもあり中々に混み合っているし男2人は「戦場じゃん」と 呟き私も同意する。
戦場じゃん。
「ビキニな」
という硝子のその言葉に私は「びきに」と繰り返し、まあ 身長的にワンピースタイプはキツイかと考えてしまい押し付けられたビキニは
「えぇ……?」
「サイズないだろ?香葉」
そして プール当日。
どうやったかは知らないが任務もなく、悟がリサーチしていたプールの集合場所を決め 2人ずつ別れて更衣室に向かった。
確かにサイズは無かったというか、あるにはあるけど硝子ゴリ押しで渡されたのは男2人(特に傑)を破壊するには十分だったらしい。
白の紐で結ぶタイプの水着。
他の装飾が一切ついていない それこそ純白のビキニ。髪はは出がけに結ばれてお団子にされているしなんなら眼帯も取り上げられ薄いサングラスをかけている。
絶句し、こちらを見ていた傑が片手で顔を覆い、悟が「内臓どこにあんの?」と私の腰を指差した。
安定の傑の謎のポーズは無視しセパレートタイプの硝子はドヤ顔でニヤついている。
私と硝子より先にパラソルを陣取った2人について行きモーセが起こるのは多分2人の高身長にだろうと考え、私もまた自分の身長が伸びていることに気づかされた。いいけどさ、180はないけど、なかなか高いよね。
タオルと小銭の入った財布は置いて早速プールに入ろうとハシャグ悟に、何気に硝子も乗り気だが私はふと言えないことを思い出し硝子に笑われた。
「私、泳げないんだよね」
というか、プールに入ったことがない。
中学で悟がどうだかは知らないが私はプールに入ったことがないし海だって任務以外で行ったことはない。
「傑の手でも握っとけ」
「分かった」
悟の言葉に傑が顔を向けるより先に頷くと傑は「君……」正気か?とでも言いたそうな表情を浮かべ現在、その手を取る必要はなかった。
普通に足は着くし浮き輪につかまる硝子にならう。そして悟も浮き輪で流れ傑も軽く水に浮かんで4人で笑い合う。が、傑が私を見ようとしない。久しぶりに硝子がせせら笑っていた。
一頻り流れてから休憩に入り 私と硝子を残すか男女1人ずつで残ってお昼を買いに行かないかと言う戦争が起こっている。
まず、悟は買いに行きたいし 傑も「硝子と香葉は」休んでろというが硝子は「香葉と傑」の2人は残し行くべきだといい放ち、かれこれ10分、私は1人で焼きそばの列に並んだ。
言い争っている3人は放置し「絶」で気配を絶ち動いた。
4人分の焼きそばを買ったところで「香葉どこ行った!?」という悟の声に小さく笑ってしまい「絶」をして3人の所へと戻る。そして「絶」を解き
「おーい」
と3人の前に立つと私の手の中の4人分の焼きそばを見ていろんな感情を持った3人のため息を聞いてしまう。
「食べないの?」
「「「食べる」」」
硝子は舌打ちをし、悟は座り、私も同じく座ろうとして傑に腕を引かれシャツを肩にかけられた。
疑問を胸に傑を見上げるとまた顔を反らされ
「失敗した……」
と呟かれ悟は焼きそばを吹き出し笑い転げた。
意味は分からないが焼きそばは美味しかった。
ところで何で硝子も笑ってんの?
私だけ理由がわからないでいた。
とりあえず焼きそば美味しい。