社畜は四皇に拾われる(連載中)
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ベックと同室を申し出たが都合よく一室空いたから(女だし)俺専用の部屋としてあてがわれた。ぽっと出に優しすぎねえか?大丈夫?
ちなみにシャンクスはベックに処され甲板のモップがけと夜の見張りを言い渡されていた。四皇の威厳とはベックではないのだろうか。
だがさすがに全員に処されたのは気の毒なため、今俺は俺が作った軽食(サンドイッチと酒)を持って見張り台を登った。
シャンクスは見張り台に立ってボケーっと海を眺めており 俺の存在にはまだ気づいていないが手すりを越えようとしたところでさすがに気づき驚きながらも俺を抱き上げ降ろされる。
「ほらよ。夜食と冷えるから 酒と毛布。ベックには許可取ってある」
「ロジア~、お前天使か?」
「れっきとした人間だわ」
異世界人はれっきとした人間かは分からんが、シャンクスを座らせてサンドイッチを食わせるついでに肩に毛布をかけその間は俺が見張り台に立つ。
だがこれだけが俺の用事じゃないことはさすがに気づかれたというか見抜かれたというか。
「何か話してえことがあるんだろ?」
「まあな」
シャンクスは残りも食べきり 酒瓶を傾けてから俺の肩に毛布をかけ肘を手すりに起き俺の顔を覗き込んでくる。
ムカつくけどこいつめちゃくちゃ面いいな……羨ましい。
「俺への対応だ」
「何か不満か?」
「待遇が良すぎると信じられないのが人間だろ?」
「だっはっは!そりゃそうか!」
シャンクスはそう笑い俺の顔を見つめる。見つめたまま続ける。
「最初からの好奇心ってのもあるがな」
「ああ」
「お前に一目惚れしたから連れてきた。それが今俺が俺の船に乗せている理由の一つだ」
「……はあ?」
思わずドデエケ声を出しちまったがシャンクスは気にした 風もなく俺の顔を見つめたま続けた。
「コレ、わかるか?」
シャンクスは懐から一口かじった跡のある桃らしきものを取り出し俺は横目で目を細め しばらく考えてからハッとする。
「あのクソまじい果物!」
「悪魔の実だ」
知ってる。これ、詰みってやつだろ?悪魔の実は知ってる。
さすがに細けえ分類はわかんねえけど食ったら最後人間じゃ到底できない力や技をもつという不思議な果物。しかもクソまずいときた。
最悪じゃねえか。確か泳げなくなるとか?俺はそれをあろうことか食った。食っちまったのだ。
「夢だし~」なんてノリだった が果てしない現実で目眩がする。思わず眉間に指を置くと「大丈夫か?」と心配されたので目配せだけでうなずき先を促す。
「これは悪魔の実の中で特殊中の特殊。見ることが叶う人間が一人いたとしたらその向こうの何十億万の人間が目にすることも出来ない伝説級の代物だ」
「……その能力は?」
「七色の雫って知ってるか?」
「いや……知らねえ」
シャンクスはそうかとうなずき相変わらず俺を見つめて続ける。
「七色の雫っつーのは、それを持つ人間のありとあらゆる 体液によってどんな傷も一瞬で癒す能力をあらかじめ持つ人間のことで、その存在は伝説にもなってる。でその七色の雫を持つ人間の容姿は見事な銀髪にパライバトルマリンの双眸。極めつけはその美貌と対なる能力、ドロドロの実だ」
「は……はあ……」
「ドロドロの実は自分の体はもちろん、視界に入れたものや人間さえも溶かしちまう、マジで悪魔の能力だ」
冷汗が出てきた。
「ロジア、これ溶かしてみせろ」
そうシャンクスが掲げたのは空き瓶。
どうやんだよと思いつつ溶けるイメージを持ってみるとみるみる瓶は溶け、ベチャリと見張り台の床に“溶けた”。文字通り。
さらに冷や汗が出る。
しかしシャンクスは続けピッと指を切った。
「ちょっと嫌だろうが、舐めてくれ」
マジで嫌だが恐る恐るとシャンクスの指先をペロリと舐めるとその傷は綺麗さっぱり消え去った。
「マジかよ……」
「マジだったわ!!」
「いやお前が驚いてどうすんだよ」
……俺ってツッコミ担当なのか?
シャンクスは指先を見てから酒瓶を置き長いため息を吐き出した。
「つまり、まあこういう意味で“保護”の意味合いも含めてる。」
「怪我したら舐めろって?別にいいけどよ」
「だめだ。俺以外に口づけんな。言ったろ?一目惚れって」
俺は嫉妬深いんだと笑う男に言い返す気力は湧かなかった。だが何でドロドロの実は伝説もんか、それだけは気になったので問い掛けるとどうやらその能力の発動は本人の意思関係なく己の身に危険が生じると全てを溶かし相手が同じ能力者だとしても無効化するらしいチートの実。
正直もう忘れたい。つーか、もう考えたくない、そんなこと。だが、いや待てよ。つうことは
「てめえのナニも溶かせるって事か?」
「男の尊厳を奪わないでくれ!今度から優しく抱くから!」
「……はぁ……そうかよ……」
なんかもう言い合うのも疲れた。だがこれは言っておきてえからシャンクスと向き合って目を細めると、にっと笑いかけた。
大学を出てクソハゲにこき使われてから失った笑顔。それを浮かべシャンクスの手を差し出した。
「俺を拾ってくれてありがとうな、シャンクス」
シャンクスは片腕だけで俺を抱きしめ「幸せにする!」と宣言した。はあ?
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