一周年企画
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「え……嘘でしょ」
僕はジンに抱きつぶされた次の朝、自分の異変に愕然とした。
ジンに助けてもらった日から 男であったというのに今、僕の視線の先には胸が見える。
懐かしの重さ。
いやいやいや現実逃避は後にしてどうしてこうなってるのかを考え……いやいやいやちょっとくらい現実逃避をしてみてもいいのではないか。
ジンはもうベッドにはいない。リビングからテレビの音がするから多分コーヒーでも飲んでいるに違いない。
今日は久々のオフなのでくつろぎモードだろう、今の僕は少しもくつろげないが。
寝る前は男だった。確かだ。確信がある。理由は察してほしい。察してくれ。
その後怪しいお薬を飲んだとか特別何かを口にしたわけでもないし起きるまでに何かをされたならともかくその記憶は一切ないしジンにもメリットはないだろう。
自分の胸を触って、胸ってこんな柔らかかったけと思いつつ全裸である己は下も何も身につけてはいないわけで、足の間にぶら下がっていたものもない。
下品な表現で申し訳ないが現実を見なければいけないための大切な確認事項である。
とりあえず床に散らばってる服を拾おうとして僕の手が止まる。明らかな存在が落ちていたブラだ。女性下着だ。なぜ男の部屋にそんなものがある。
待て待て待てジンのトラップ か?いやだからそんなことをしてもジンにはメリットなんて一つもないだろうが。
酷く困惑しながらほぼ1年ぶりの下着をつけると胸にぴったりと合い、下着も今までは ボクサーブリーフだったのに普通の女性下着である。
やはり困惑しながら一つ一つを身につけつつ立ち上がると今までより視線の位置が低い。
嘘……身長まで縮んでるの……と言っても僕は男の時もさして高身長であったわけではないがこのままジンのところに行って大丈夫だろうか。
すぐ目の前の扉の取っ手が怖くておろせない。
やっぱりもう少し考えてからジンのところに行こう。
こんな状態でジンのところに行って僕が何か変なことを言ってしまったら怪しまれてしまう。そもそもマジでなんで女になってるのか、まずはそこからだ。
扉からなるべく静かに距離を取りその場にしゃがみ込む。
ベッドに座ったら軋んだ音を立ててジンが来るかもしれないからやめておく。起きた時に鳴ったかもしれないが。
ジンとお揃いのハイネックのシャツにはしっかりと胸の膨らみがあり立っていた時に感じていた足の間の重さはない。
もしワンちゃん女であったのが今まで、いや今日までの事実だったとして、僕は「僕」なんて言っていたのか「私」と言っていたのかわからない。不用意に変なことをしたらジンのことだ、しっかりバレて処されるに違いない。もしくはシェリーに見せると言われるか、確実にシェリーだろう。
だからと言って今の状況を受け入れるにももう少し時間が欲しいのだが着ている服のサイズはぴったりだし下着だってぴったりだしジンが一晩で……用意できそう……。
しごできメンズだから余計対応の仕方がわからない。いつまでも動かなければさすがに ジンも来てしまう。それまでには考えておかねば
「何してる」
「ジン……」
早々に見つかった。
呆然としそうになったがしっかりと立ち上がりジンのそばまで歩み寄ってもジンは何も言わないし疑問に思っているそぶりもない。
全部が振りの可能性も1mmはあるがジンがそんなことをするか?しねえわ。
ジンの目の前まで行きジンを見上げると僕の背丈はジンの胸元までしかなく、男だった時は肩の位置まで身長あったよなと見上げてしまう。
ジンは訝しげに眉を寄せ何かあったのかと問いかけてきて肩を掴まれて顔を覗き込まれたところでぐにゃりと視界が回った。
それにびっくりして目を閉ざし開けると目の前にはジンの寝顔があり、ぱっと体を起こすと胸の膨らみも軽かった足の間の存在も確認できた。重さの位置が元に戻っている。なるほど夢落ちか。
「おい、リレ……」
「あ、ジン。おは」
ようと言う前に抱き込まれジンの肩に額を押し付ける形になりジンの一定の心音にほっとしてしまう。
カーテンの隙間から光は入っていないためまだ夜明け前なのであろう。ほっとした心持ちで目を閉ざすと今度こそ安心した夢の中に足をつけた。
うん、僕は男でいたい、と。
2025/08/17