7年ぶりの初めまして(全39話)
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コナン君を送り届けて自宅へと車をだそうとすればスマホが鳴り響き、たった今番号を交換した蘭ちゃんからお礼のメールが入りそれに目を通すと今度は安室から着信が入り、車を路肩に停めるとメールを見た。
『今会えるかな?』
思わず頬が緩み指を滑らせるとまだ家は遠いので何処へ行けばいいのかを送り返せばすぐ住所が送信された。
「(零の家?)」
ポツリと呟きそうになるがすぐその言葉を飲み込み住所をナビにいれると走り出した。
そうしていれば不意に耳にキーンとした音が聴こえた気がして首をかしげながらコナン君が座っていた助手席を見つめ前を見ながら手を伸ばしコナン君が触っていた座席の下に指をはわせた。
そこには1枚の小さなシールのようなものがありそれを見つめてしまう。なんだろうこれは。
大きさ的には発信器のようにも思えるがたえつすがめつ眺めていれば信号は変わり私はそれを握りつぶした。
パキンという音と供にそのシールは壊れたようで一体何だったのだろうか、今度コナン君に聞いてみようシラをきらされるだろうが。
そうしてしばらくナビに従い走っていれば住所近くになりそこにある高層マンションを見上げポカンとしてしまった。
すっごいタワーマンション…セキュリティも凄そうだと見上げていればスマホが鳴り私はそれを耳に当てる。
「もしもし、あむ」
「奈々、エントランスまで来てくれ」
分かったと言いながら私を呼び捨てにしたということは今は降谷なのだろう。車を路肩に停め降りるとそのマンションへと駆け寄りそこには降谷の姿がある。
「零」
そう声を出してスマホをしまうと降谷も同じようにスマホをポケットにしまいこみ
「こんな時間に悪い」
と言われてしまったが私からしたら次いでの様なものなので問題はない。
それでもどうしたの?と問いかければ腕を引かれ部屋にきて欲しいと。
慌て私は車をどうするのかを聞けば降谷は黙りこみ私の手の中の鍵をとると車へといきマンション内の駐車場へと停められた。
そんな降谷を見ていればすぐ戻ってきて再び私の手を引くとマンション内へと連れ去られてしまう。
素早くパスコードをいれ空いた扉を越えるとエレベーターに乗り込みサッと上昇していく。
その間、降谷は私の手、指先を絡めるように繋いできてそれに答えるように私も手に力をいれた。
エレベーターは止まりサッと扉が開くと一番角部屋に行けばそこでも指紋認証に暗証番号、そしてキーを差し込み引っ張られるように室内へと押し込まれた。
「入って」
と促され私は靴を脱ぐとその降谷の部屋へと足を踏み入れた。
随分と広いが物という程の物もなくソファと少し埃のかぶったテレビがあるだけで、私は見回しながらソファに座らされ降谷を見上げると首をかしげてしまう。
「零、本当にどうしたの?何かあったの?」
それに対し降谷は何も言わず紅茶を置いてくれて、そして
「ここに人を連れてきたのは初めてなんだ」
降谷名義の家。
その一言で全てを悟った奈々は「安室名義の家もあるんだね」そう口にした。
そうすれば降谷は苦笑いを浮かべ奈々は本当に凄いなと呟き大きく息を吐き出すと私の横に腰を下ろした。 そのままちょっとそこまで、のようなノリで「今日さ」と。
「泊まっていってほしいって言ったら」
どうする?と視線で尋ねかけられ私は少し悩むと、なんとなく一人にするのは憚られるため静かに頷いておいた。
降谷は嬉しそうに、そしてホッとしたように笑いぽすんと私の膝に頭を押し付けてきた。膝枕である。そんな降谷の頭をよしよしと撫でその手をそのまま降谷の目元まで滑らせ触れれば降谷は甘えるように目を閉ざし腕が腰に回ってきたがすぐムクリと起き上がり
「奈々、脱いで」
と言われてしまった。思わず「は?」という声が出てしまい降谷は私の帯を外そうとしてきて私は立ち上がると自身から帯を外し着物を脱いだ。
その間に降谷は己の服を持ってきて、けれど連れられたのは降谷の寝室。
寝室はカーテンが閉まりきり乱れたシーツがごくたまに見せる降谷の雑なそれに笑い、私は降谷のポロシャツを見にまとった。
「ズボンは?」
「サイズないだろ」
まあ、そうか。
「それに俺以外いないし別にいいだろ?」
そう言われてしまえば返す言葉もなく、それもそうだと思い直すとなぜかベッドに押し倒された。
「待って零!服たたみたい!」
そう主張しても降谷は離れてくれず枕元に置いてあるリモコンで電気を消し降谷は無言で奈々の腰と背中に腕を回し足も絡んでくると、もう動きようがない。
もしかして?と一瞬思ってしまったがそういう事をする気がないようで、降谷は奈々の胸元に顔を押し付けると静かに呼吸をしその寝息のくすぐったさに笑ってしまった。
そんな本の少しの揺れに降谷は顔をあげ私を見つめると
「なんだよ」
なんて言ってくるがしかし奈々は降谷の頭を撫でつつ、なんでもないよ甘えんぼさん、と。
降谷はしばし黙りこむも先程よりも強い力で抱きついてくるとそのままストンと眠りの中に落ちていってしまったようだ。
何度も何度も降谷の髪を鋤くように撫でそっと抱き締めれば降谷は小さく声をあげるも起きる気配もなく奈々も奈々で目を閉じると眠りの世界へと足を踏み入れた。
朝方もぞもぞと動く気配に奈々は目を覚まし降谷が私を押し倒すように見つめており
「おはよう」
なんて笑ってきたため奈々も笑みを浮かべると降谷の頬に手を伸ばし
「おはよう零」
と口にしてお互いに軽い口づけを送りあった。