7年ぶりの初めまして(全39話)
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武道を嗜む心得のようなものを語れば私の話を聞いた帝丹高校の武道関係の生徒達は真剣に聞いてくれたようで、ほっと一息ついた。
そうすれば田中君に「もしよければ」西澤さんにフォームを見て貰いたいと言ってきたが古武術と空手や柔道、剣道とは全く(という訳ではないが)違うのでどうしたものかと考えてしまう。
「私がやっているのは古武術だから少し無理あるでしょ…」
そう答えても田中はニコニコとしておりもしかしたら最初からこれを狙っていたのかもしれないとシラケた目で見つめてしまい田中は「はは」なんて笑って。
ははじゃないんだよお前。
それでも仕方無しにため息を吐き出すと空手部の部室で胴着に着替えることにした。
そうすれば空手部主将の毛利蘭という彼女に従い部室に入れてもらうと
「先ほどの話ですが、」
「うん?」
とても心に響きました、なんて言ってくれて照れ笑いのようなものと共に眉を下ろし着物の帯をほどくのを手伝ってもらった。そうして帯をほどき胴着に着替えつつ毛利蘭と話したのは
「師範代にも想っている人っているんですか?」
というもの。
「毛利さんにはいる?」
そう問い返せば毛利さんは苦笑いのような、それでいて誰かを思い出すような表情を浮かべ「はい」と。
「でも1人で何でもこなしちゃいそうな程の奴なんですけど、こっちの事はなーんにも考えないで心配ばっかりかけてくるくせに何でもないように電話してくるんですよ」
その柔らかい表情を見ればそれがどんな感情を表しているのかご分かってしまい野暮なことは言いまいと小さく笑い
「その気持ちは大切にしなよ?それが大きな原動力になるんだから」
そう言えば毛利はとびっきりの笑顔を浮かべると
「はい!」
と返事をし、二人して部室を後にした。
私が着替えている間に他の部員は既に部活を開始しており
「西澤先輩!フォームを見てくださいませんか?」
そう田中に声をかけられた。毛利はビシッと立ち奈々は
「まあ、そうだね、見よう」
「毛利は練習に入れ!」
毛利は元気よく返事をすると準備運動を始め奈々はその場に立ち全員の動きを見ていき田中の指導の仕方を見ていきそのまま1日を終えると全員が上がる前に帝丹高校を後にした。
車を走らせながら奈々は毛利の言葉を思い出し本の少しだけ笑ってしまった。