この世界で迷子の僕を(全80話)



「いやだ!やめて!離して、触らないで!」


そんなリレの悲鳴が響き渡ったのはどこかは分からないがどこかの一室であり、思い切り 頬を叩かれたリレはその場に崩れ落ちたが更にと近づいてきた見知らぬ男にリレは押し倒された。

ことの始まりはよくわからない。ただジンどウォッカの後ろ姿を見つめていたリレの口に何かを背後から押し付けられ捕まってしまい、リレは意識を失ってしまった。
そして目を覚ましたのはそう 全くもって見覚えのない豪華な一室であり、リレの手足は拘束されている。ついで口にも轡をはめられていたがリレが目を覚ましたと感じたらしい人物はリレを見下ろし笑みを浮かべている数多の男たち を見つめ、リレは混乱しながら必死で考えたのは「また」というそれ。

またしても拐われてしまったらしい。自分はどれだけジンの足を引っ張ればいいのだろうか、いっそ殺してくれとも思いながら床に転がされた状態で男たちを見上げた。
そして見上げてきたリレの瞳を見た男たちは口端を吊り上げて笑うと


「噂通りなかなかいい色じゃないか」


なんて言っておりグッと轡を噛みしめ睨み上げた。
そんなリレを見た男たちは
「こうされても」
行動しないのはいい度胸をしているなと言っており、リレは深く眉間に皺を寄せ男の一人がリレの轡を外すとリレの口から出たのは


「お前ら誰だよ」


というもの。
まだまだ威勢のいいリレに男たちは笑いながらも縛っていた足の紐だけを外しリレはズリズリと男たちから距離を置こうとする。
それを男たちは許しもせずバタついて抵抗したリレの脇腹を蹴りつけリレは息を詰まらせた。


「カハッ……!」


ヒュッと息を吐き出し、訪れた痛みに吐き気をもよおしつつも呼吸を整えようとしたが もう一度蹴りつけられた。


「ぐっ…うっ……」


と呻きずるずると再び部屋の中央に転がされるリレは色んな意味を込めて睨み上げても男たちは嘲笑ったままリレを見下ろし


「ずいぶん可愛らしい見目だが」


そう、その中で一番偉そうな男の呟きにゾワリと鳥肌を立たせて身をよじるが、二度も蹴られた脇腹がズキズキと痛み


「ジンに"イイコト"をされてるんじゃないのか?え?」


と、リレは押し寄せる吐き気に耐えつつも男の言葉に何某かの反応も見せずにいれば男は靴のつま先でリレの顎を持ち上げそれはもういやらしい 笑みを浮かべている。


「中西たちの失敗でこっちも随分な目にあってしまったから腸が煮えたぎっていてな」


少しはこちらもいい思いをさせてもらおうかな、などと言ってきた。


「中西……」


リレはポツリと呟き、思い出したのは漁港での出来事。

ジンは殺した相手のことは忘れてしまえという心を持っているので、恐らく覚えてはいないだろうが再びのリレの誘拐にはどうするのだろうか。
そんなことを考えながらもリラは小さく笑みを浮かべ男を見ると


「一人じゃ何もできやしないのに、」

愚かしい、といえば頭を思い切り蹴りつけられた。

一瞬の痛みに頭をぐわんぐわんとさせていれば男は満足したように笑いのリレの顔を見下ろしながらしゃがみ込み顔を近づけてくる。
男の息が感じるほどまで寄せられた顔に嫌悪の表情を隠すことなく見せて


「気安く近寄るな」


と呟いたがしかし男は笑ったまま立ち上がり


「やれ」


と口にした。
一体何をされるのか、ジンは僕を見つけてくれるのだろうか、それとも…そう考えていれば男の2人がリレの元に近寄ると抵抗するより先にリレのズボンを脱がしにかかってきた。

リレはハッとし身体を捩るが3人目の男がリレの頭を床に押し付け、ズボンも下着も脱がされてしまった。
ひんやりとした空気が下半身にかかり、リレは身体を縮こませようとしたが男たちは強い力でリレの身体をうつ伏せにさせると指が触れてきた。

ゾワリとした嫌悪感にリレは叫び声のような声で

「離せ!やめろ!!」と、ジン以外の人間にそんなところを触られたくないと身体を捩ろうとしても上手くはいかない。


「この痕はもしかしてジンかな?」


男たちはそう笑い、リレは必死で男たちから逃げようと動きながらも「痕とは?」何て考えてしまう。だが今はそれどころではないだろう。

見知らぬ男に組み敷かれ、もしかしたら"その行為"をさせられてしまうのかもしれないと心臓がドキドキと鳴り響き泣きたい気持ちになる。

初めてではないが、ジン以外の男の目にさらされるのはとても許しがたいことだとしていても男たちの動きは止まらない。


「このまま犯してもいいが、」


誰が先に挿れたいか、などと話しており必死の思いで身体の向きを変え身を守るようにして丸まってしまう。
男たちは笑ったままリレを見て

「可愛らしい抵抗だな」

しかしやっぱりここはボスからでしょうかね、とリレの前でしゃがみ込んでいる男に問いかけ、ボスだという男はそれはもう高らかに笑った。


「男色ではないがリレ、君ならいいかもしれないな」


リレは言葉をなくし口を閉ざし目を閉じる。なんで僕はこんな目にあってるんだろうと頭をよぎったが、それ以上にそれ所ではないだろう。

男はリレの下半身を持ち上げるようにすると這いつくばらせトロリとしたものを塗り込めるように指が侵入してきた。

嫌悪以外の何者でもない。


「嫌だ!やめて!触らないで!触らないで!!」


リレの悲鳴でさえも今この場にいる男たちにはそれはもう 愉快なものでしかなく、何度も何度もリレの後ろに指を埋め込み掻き回され、リレの限界が突破した。


「いやだああああ!!!」


そう叫びリレは己の腕を縛っている紐を引き千切り涙を流し叫びながら勢いよく立ち上がり、驚いた様子の男に思い切り膝を叩きつけた。

どこをとは言わないが、男の一人は声を出せなくなりリレは踞った男の首を蹴りつけ、そして「ゴキッ」と 鈍い音が響き男はそこに崩れ落ちるとピクリともしない。そういうことだ。

涙を流しながら次々と男たちを蹴り、殴り、抵抗される前にどんどんとその命を消し去って行き、慌てたように拳銃を構えた男にも拳を叩きつけ 拳銃を奪い取ると男の急所に向けて何発も落ち込んだ。

たった一発で男は泡を吹いたがボス以外の全ての人間たちが血を流して倒れ伏し


「あああああ!!!!!!」


と叫んでボスの頭に銃口を向け、発砲した。

赤い血飛沫とともに、男、ボスはどさりと倒れ、リレは泣きながらその場に座り込み踞ると本の一拍をおいてドアが荒々しく開かれそこにいるのは怒りを浮かべているジンとウォッカ、2人は泣きながらジンを見上げるリレを見つめ動きを止めたがリレは拳銃を投げ捨てると大声で泣き始めてしまいジンとウォッカはリレに近寄り、ジンはリレを抱きしめた。









続く
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