果てもなく(連載中)
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どこからもらってきたのかアゲハが風邪をひいて寝込んでしまった。熱は38℃、辛いだろう。
冷えピタをはりスポーツドリンクと風邪薬を用意していれば家のベルが鳴らされ「はい」と出る。
そこにいたのは安室さん。何か用事だろうか
「どうしました?」
「アゲハさんのお見舞いに」
「うつったらどうするの?」
遠回しに家に入れるつもりはないとしていても安室が引き下がりもせず「お見舞いです」とカットされたフルーツを見せられ私は小さく息を吐いてから安室を家に入れる。
でもバイト先の同僚の風邪にわざわざ(少々)強引にお見舞いに来るとは。
この男は以前盗聴機をしかけたので長居して欲しくない。
それに、ただ単純に風邪が広がって欲しくない。
それに風邪を引いて寝込んでいるところはあまり見られたくないと思うのだけれど、アゲハの寝室まで行くつもりなのだろうか。さすがにそれはさせたくない。
「お見舞いはありがたいけれど、さすがに寝室へは案内したくない」
そうはっきり拒絶して見せれば安室は私を見つめてくると
「大切なルームメイトだからですか?」と。
「大切なルームメイトだからだよ」
分かってるじゃん、と。
しばらく見つめ合ってから安室が小さく息を吐き
「僕が来たとお伝えください。では、お大事に」
なんて帰って行き、私はカットされたフルーツの乗った深皿の裏の丸いシールを丸めて 火で炙り、不燃ゴミの袋に捨てた。
めんどくさいやつ。
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