人魚と同じ夢を見る(全10話)
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日差しが悪く風の弱い日であった。
降谷と公安の部下とともに殺人犯を追いかけ海まで行けば チラリと見えた崖の端に佇む、白いワンピースに髪の長い、おそらく女性がいて。
風見と連絡を取りながら駆け出した。
「降谷さん!浜辺です、ボートに乗ったようでーーー」
「わかった!上から見て知らせる、そのままボートを!」
電話越しに「はっ!」という声が聞こえもう一度チラリと崖に立つ女性に視線を向ければ、その女性は、一寸の躊躇いもなく、飛び降りた。
殺人犯を追うか、今飛び降りた女性を救うか、2つに1つ。
降谷は海へと飛び込んだ。
崖の下には岩場はなくも激しい海流は更に強くなり、スーツの上着を脱ぎながら海に潜り海水を見渡す。
そうすれば沖の方に白い影ちらつき泳いで追いかけたが何かがおかしい。
白い影とともに薄く青いそれは魚の尾びれのようにも見え、しかし激しい海流に飲み込まれてしまい海面に顔を出すも、すぐ次の海水が襲いかかってきてゲホゲホと噎せてしまう。
その瞬間である。
白く青い影はこちらに向かってきて、視界を奪う波の中、降谷の脇の下に手が入れられるとグングンと波に逆らって浜辺と連れられた。
多少なりとも海水を飲んでしまい噎せていればその白く青い影は僕のことを浜辺へと送り頭からかぶった海水を手で拭きつつも顔を上げれば、白く青い影は小さな声で囁いた。
「無茶なことをしないで、私は平気だから」
その鈴の鳴るような声が鼓膜を揺らし、顔を見ようとするもその女性は海の中へと消えていき、ほんの一瞬だけ見えたのは白いワンピースから翻るように動いた魚の尾びれ。
しかしそれは本当に一瞬で、その後を見ることも叶わずにずぶ濡れの降谷の元に風見らが駆け寄ってきて、
「犯人の確保が完了したのですが」
降谷さんは一体なぜ海へ?と問われるも答えは出てこずに。
そのまま車に乗り込み本庁へ向かう風見たちと別れた。
白く青い儚いその姿とあの声が耳に残り、運転に集中するもそれも中々に叶わない。
舌打ちを1つするとセーフハウスで着替えを持ち、シャワーを浴びてすぐ家を出て、本庁へと向かった。
あの、人魚のような女性の影を思いつつ。
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