前世がゾルディックな私の来世(全23話)



先日、ジンからの依頼で三日以内という縛りを受けターゲットを探していれば街中で初めて"ここにきた日"に声をかけてきた女の子が視界に入り絶をしながら街路樹にそっと隠れやりすごした。そうしてその女の子、歩美は友達であろう子供たちと過ぎ去っていきそれを見送ると歩道を歩き直しそして目的の人物を見つけることができた。

その男と女は肩を並べデパートへと入っていき私はその後をおう。

『とても残酷に』

それを思いだしエレベーターに乗った二人に気付かれないように乗り込み監視カメラを壊したその音に二人は顔を上げ女の心臓を、そして男の頭はシャボン玉で弾き飛ばした。
ものすごい量の血液が降り注ぎそれをかぶらないように予め用意していた傘でその血を防ぎ絶を使ってエレベーターから降りた。

そうして振り返りもせず歩いていれば一気に叫び声が木霊して、私はジンに「仕事を終えた」と連絡しすぐ一時間以内に金を振り込むとも言われデパートを後にした。
相変わらず仕事が速いなという言葉を最後に通話を切り近くのポアロと書かれた喫茶店へと足を踏み入れカウンターに腰を下ろした。
そうすれば垂れ目の女の店員と金髪の男の店員が

「いらっしゃいませ」

と揃って声をかけてきてメニューを渡され私はレモンスカッシュとハムサンドを頼み携帯で入金を確認していれば目の前にレモンスカッシュを置かれ、ハムサンドもすぐですからと言われ適当に返しておいて。
そんな私に女性店員はチラチラと私を見てきて顔を上げれば


「綺麗な瞳~!」


と言われてしまいどう返すのが正しいのかわからずやはり適当に「ありがとう」と返しレモンスカッシュを口に含んだ。そして次に入店の音が聞こえ私から一つ席をあけて同い年くらいの男の子が

「オレンジジュースください」

と言っており「いらっしゃいませコナン君」なんて耳に入るが気にもせず。

ネットニュースを見ていれば速報でつい先程デパートで殺害した男女のニュースが流れ、そして視線を感じたので横を向けばコナン君と呼ばれた男の子と目が合い


「なに」


と尋ねればコナンはハッとして首を振りつつ何でもないよ、ただ


「引っ越してきたの?」
「なぜ?」


初めて見る顔だからと言葉を濁らせたそれにツイと視線をそらし

「さあどうかしら」

と流した。そのまま目の前に置かれたハムサンドを口にし

「美味しい」
「どうも」

と男性店員は笑いそれも流しながら震える携帯を取り出し電話に出た。


「なに?」
『もう一件仕事だ』
「面倒ね、期限は?」
『明日までに』


私はふーっと息を吐き出すと


「割り増しもらうからね、ジン」


一瞬で二人の気配が変わったのを無視して私はハムサンドを食べきった。

その後ハムサンドとレモンスカッシュを胃に収めた私はポアロを後にして携帯のメールを開き目を通すと鞄にいれ


「待て!」


と腕を掴まれそうになったがそれを回避しつつ振り返り眉を寄せる。


「なに」
「今、ジンって言ったけど、それってどんな人?」


コナンは目付きを鋭くさせるも私はそれに対し「教える必要の無いことだわ」と返すもコナンは更に目付きを鋭くさせ面倒だと私は適当に


「私の兄よ」


と口にしてそれ以上話すことはないとばかりに言葉を切り今度は止められることもなく私は歩き出した。

さて、江戸田市とはどこだろうと駅へと向かい切符を買い電車に乗ってから再度詳細を見つめメールの最後には「いつものように」と書かれており数十分程揺られ江戸田市に着くとターゲットが訪れる場所までタクシーで向かい街路樹の横に潜み待つ。

そうしてターゲットが現れたのを確認すると供にビルの中に入る。勿論、私は気配を消して。

ターゲットは三階まで歩き上っていき監視カメラを壊すとさすがにその音に気付いたようで立ち止まったそいつの心臓を盗み捨て置いた。

写真を撮って終了のメールを送りつつビルから出て駅まで戻ると米花町まで行きホテルに戻った。

世界は闇の明るさを持っておりエレベーターに乗って部屋に行けばそこにはジンがいて


「よお」


と、笑ってきたので私は部屋の鍵を開けながら「何か用事?」と問いかけジンはニヤリと笑ったまま二人して部屋に入る。


「仕事が早くて助かるぜ」


なんて煙草を咥え煙を吐き出しながら口にしてきて私は鞄を放りながらソファに座りジンを見上げた。


「割り増し料金は五千万程もらうから」
「自分の身が確実に安心できるものらしいな」
「それは、払わないってこと?」
「いいや、有能だと言ってんだよ」


私は肩をすくめるといつものように仕事の依頼料の入金を確認してからジンを見上げ


「私の部屋で煙草吸わないでって何度言わせるの?」
「誰のおかげでここにいる?」


互いに見つめ合っていれば私はふうとため息を吐き出し

「せめてベランダにいってよ」

と。譲歩した言葉にジンは煙草を灰皿に押し付けると


「明後日、とある組織の輩を殺ってもらう」


迎えに来るまで部屋で待機していろと言われたため「はいはい」と言いながら浴室に向かい


「私、今日はもう休みたいから」

暗に帰ってくれないかと伝えればジンは笑って「ガキのくせに言いやがる」と呟き


「近い内にバーボンに会わせる」


そう言われ首をかしげれば「てめぇの事を探ってやがるから会わせてやる」と。


「へえ、優しい」


そう言えばジンは鼻で笑い私の頭をグシャリと撫でてくると行ってしまい私はチェーンまでかけると浴室に向かい熱いシャワーを浴びることにした。

ザアと流れる湯水に息をゆっくり吐き出すと全身を洗い上げ泡を流しタオルで拭いベッドに倒れこむとドロリとした眠りに落ちていった。


「イル兄、ミル兄、キル兄、アル兄、カルト…」


ポツポツと呟いたその言葉は誰の耳にも入らず。
翌朝はホテルの部屋で一日過ごし明後日と言われた日に服を纏って震える携帯にはただ「来い」とだけありホテルを後にしてホテル外に止まっていたジンの車に乗り込んで


「仕事は?」
「ない、バーボンに会わせるだけだ」


私は小さい息を吐くと車からの景色を眺めることにした。
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