7年ぶりの初めまして(全39話)
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零との通話から二週間が経ち、一度だけチラリとポアロへ訪れれば梓さんが私に向かってそれはもうとびきりの笑顔を浮かべると
「いらっしゃいませ!」
と言ってくれたそれに笑いかけカウンターに腰を下ろした。
「お久しぶりですね!いつものですか?」
「はい、あ、でも今日はパンケーキはいりません」
梓さんは「はーい」と言いながらカウンター内に入り特に誰かが梓さんに声をかけるでもなく、アイスティーを目の前に置かれながら突然
「奈々さん!」
と声をかけられ
「安室さんがしばらくお休みになるらしいんですよ~」
と。私はへえと答えながらストローに口を付けすすればいつもと同じ美味しさが鼻を抜けていき
「安室さんから具体的な内容を聞いていたりは…」
「なんで私が…?」
「ええ?だってとっても仲良さそうでしたす」
「安室さんと?」
「安室さんと!」
思わず薄く笑ってしまい
「無い無い」
安室さんとはただの店員と客という関係ですから本当に何も。
それに梓さんは納得したようなしてないような表情を浮かべるも、それ以上私が何も言わないし知らないのだろうと悟ったらしく会計に立ち上がった他のお客さんと話しておりそしてチリンと入店の音を耳にした。
「西澤先生!」
扉が静かに閉まり私は背後から声をかけてきたそれに顔を向け蘭ちゃんと見たことのない男の子(と言っても蘭ちゃんと同い年くらいであろう)が私を見るとニコリと笑い頭を下げられた。もしかして、
「(新一君か?)」
「初めまして、工藤新一です」
やっぱりと頷けば二人は私の横に腰を下ろし蘭ちゃんが笑顔で話しかけてきて、新一君はなぜか苦笑いを浮かべている。
そういえばコナン君が新一君であったのを思いだせば、つまりコナン君はいなくなったわけで、そんな私の心境を悟ったわけでもない蘭ちゃんが
「先生、コナン君がご両親の元へ帰って行っちゃったんですよ、本当に突然だったんですけど」
そんな少し寂しげな蘭ちゃんの笑顔に新一君は遠くを見るように顔をそらしていて。
でも良かったね。
「蘭ちゃんにも大切な人だもんね、新一君」
「はい…」
ほんの少し頬を染めた二人の肩をポンポンと叩くと立ち上がれば二人は私を見上げてきて、ふと思い出したように新一君がスマホを取り出して私の連絡先を尋ねかけてきた。
彼女の前で他の女の連絡先を聞くって凄い度胸だなと思ってしまったが本の少し面倒なので
「コナン君の知り合いならコナン君から聞いておいて」
と笑いかけ新一君はたじろぎつつ
「あ、ああ、コナンに、ね」
と笑顔を向けられた。
ちょっと引き吊っていたのは見ないことにしよう。
「梓さんお会計いいですな?」
「はーい!」
アイスティー代を払っていれば新一君が「奈々さん」と声をかけてきたのでお釣りをもらいながら新一君に顔を向けると
「後で連絡しますね」
と言われたので
「待ってるよ」
とだけ答えておいた。