7年ぶりの初めまして(全39話)
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父のお使いで米花町まで訪れれば所々の壁や窓にカラフルなチラシが貼ってあり何とはなしに見てみればべいかデパートにて世界のお菓子博というものをやっているらしい。
「世界のお菓子……」
それは本の少し気になるものとしていれば道着など武術関係の物を取り扱っている店にたどり着き店の扉をくぐった。
「やあ奈々ちゃん」
そう馴染みの店長に声をかけられ私は紙を取り出すとカウンターに置き
「注文していたものを取りに来ました」
と笑って答える。
3才からの御用達のお店であり、店長からすればある意味我が子同然のように接してくれるのがありがたいし苦笑しつつ可愛がってもらえるのはありがたい。
そうすれば店長は道着を持ってきてくれてそれを受け取りサインすると袋にいれてもらい
「最近はどう?骨のあるやつとか奈々ちゃんを負かす相手はいるのかな?」
と問われたので私は首を振りながら「最近も前から変わらず私に勝ってくれる人は一人もいないよ…」でも私の天下もそろそろかなぁなんて。
「なーに言ってんだい奈々ちゃん、おやっさんに勝ったら報告してくれよな!」
実は数回ほど勝ってはいるがそれは黙っておこうと心に決めそのまま二言三言話すと店を後にした。
門下生が増えたわけではなく試合で使う、名前が刺繍されてある道着。それを受け取るお使い。
このまま帰宅するのもありだろうがそれは何だか勿体無いので店の所々に貼ってあった紙を思いだしべいかデパートへと足を動かした。
「えーと…」
世界のお菓子博は3階かと確認するとそのままエレベーターに乗りこんでその場に向かい人の多さに表情が引き吊りそうになった。そしてそこには見知った顔が揃っていた。
「蘭ちゃん、コナン君」
そう声をかければ二人は振り返り私を見ると驚いたように目を見開いたがすぐ表情を輝かせ
「西澤先生!」
「奈々さん」
と同時に口を開き、そしてその二人の前にいた褐色肌の男の子とポニーテールの女の子も振り返り首をかしげてみたと思えば褐色肌の男の子が
「あー!!」
とそれはもう大きな声を上げ私を指さしてきた。
「な、なに?」
そうたじろげばその男の子は私を指さしたまま「西澤流道場の師範代のバケモンっちゅう姉ちゃんか!?」と言われ思わず「は?」という言葉がもれてしまった。
「そやろ姉ちゃん!」
「西澤流の師範代かって問われたら、まあYesとしか言えないけど…師範の知り合い?」
と首をかしげた私に男の子は何度も頷き
「俺がちっさい頃おかんと親父と何度かおうた事あるで」
なんや姉ちゃん覚えてへんのかいなと肩を落とした男の子を見つめ過去を思い出そうとし、そして「あ」と呟いた。
「平次君、だっけ?剣道やってた」
「せやせや!なんや姉ちゃん大分印象変わってもうたなぁ」
そう渋々呟き頷かれ
「何年振りや?」
「10年、少しかな?」
「その間に姉ちゃんごっつ強なったなぁ」
大阪でも西澤流言うたら真っ先に姉ちゃんの名前上がるで。ほんま、まだ20代っちゅうのに師範代ってバケモンやな。
下から上まで見られていればそう本当に苦笑いしか浮かばずその横にいた女の子も「あ!」と声をあげ
「うちの先生でも勝たれへんかった人とちゃいますのん?!」
と。この女の子のことは知らないけど首をかしげれば
「うち遠山和葉といいます」
ペコリと頭を下げられ同じように名乗って頭を下げ返した。そうしていれば蘭ちゃんもコナン君もキョトンとしておりそれでも声をかけてきたのはコナン君。
「奈々さんって関西でも有名なんだ」
その言葉に平次君は何を言ってるんだという表情でコナン君を見下ろし
「ええか?この先生はな、そりゃもうごっつ強うてなそれはもうバケモン級で武術やってるもんで西澤流言うたら日本でトップレベルの強さを誇る名門中の名門!」
知らへん方がおかしいわいと、そこまで言われると、やはり苦笑いしか浮かばず蘭ちゃんも「そうなんだ…」と呟いている。そしてコナン君も私を見上げ
「奈々さんってどこまですげーんだよ…」
とポツリともらし今度は和葉が
「うちかて1度は対戦してみたい人なんやで?うわー嬉しいわぁ!西澤先生と話せるなんて」
そうヤイヤイ始まった会話に身を引きつつ「あの、」私もういいかな?ちょっと寄りたいところがあるし。そんな私の言葉に4人は私を見つめ
「うちもっと先生と話したいわぁ」
と和葉ちゃんは呟き
「先生はこの後空いてます?」
と平次君は問いかけてきた。
だが私も本当は寄り道せずに帰るつもりでもあったのだがチラシというちょっとした魔の手につられてしまったがこのまま帰宅したい心になっている。だから、と私は口を開き
「世界のお菓子博を見たら帰るつもりだし、道場まで来てくれれば歓迎するよ?」
私の父とも知り合いなのだから尚更。勿論私も。そう言えば平次君と和葉ちゃんはパッと笑い
「ほんなら、今日にも行っていいですか?」
と問われ大丈夫と頷いておいた。
「それじゃ、ばいばい」
と私は手を振り4人なら離れしばらく歩いてから大きく息を吐き出してしまった。まあ、仕方無いだろう。
お使いの寄り道しなければ良かったと思いつつも10年振りの平次君に会えたのは喜ばしい事なのでお菓子博をみてから帰ろうと1人頷いた。
平次君たちは何の用事で来ているのだろうかとも思いながらまあいいかとベルギーのチョコレートを購入し、べいかデパートを後にして近くの駐車場に停めてあった車に乗り込み自宅へと帰宅した。
「戻りました」
と道場に顔をだし米花町で服部君と会いました。多分来るかと、と伝えれば父さんは顔を綻ばせ
「平蔵んところのせがれか」
懐かしいなと話し合い私は道着に着替えるとチョコを母に渡し道場へと足を踏み入れた。