7年ぶりの初めまして(全39話)
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車の中でコナン君と哀ちゃんの秘密を知ってしまった私はコナン君がポツリポツリと話してくれている内容に耳を傾けて、謎の薬を飲まされた、と。
APTX4869の開発関係者である哀ちゃんの本名は宮野志保というらしく、そしてその薬を飲んだ二人は身体が縮んでしまったというが信じがたくも信じる他なく哀ちゃんがその所属していた組織のコードネームとバーボンと名乗った安室透もとい零の言葉。
零とは詳しく話し合ってもあるし秀とも同じように簡単な所まで話し合ってもいるのでコナン君が思っている以上に私の事は知らないだろうし秀も秘密にしておきたいのかは分からないが従兄妹だともペロッと教えてしまった。まあ、大して今後に支障はないだろうとの思いだがそうして色々ととコナン君の話を聞いていればやはり問われたのは安室との本当の関係。
でもその秘密は零が許可をくれない限り墓場まで持っていくつもひなので絶対に話さない。それでも私が安室さんのことを謎の組織でバーボンと呼ばれているその事を知っていると本の少し濁して伝えれば、コナン君は「仲間じゃないんだよね?」と。そうしてふっと思い出したのは安室さんと一緒に車に乗っていた金髪美人さんのこと。
「その組織って金髪に美人のお姉さんっていたりする?」
「ベルモットのことか?!いつ?どこで!?」
そうつめよってきたコナン君にまあまあ、と落ち着かせるように肩を叩き
「へえ、ベルモットねぇ、」
それにしても皆お酒の名前じゃん、何だ?創設者は呑んべえか?なんて呟いてしまえばさすがにコナン君は呆れたように私を見たがため息を吐き出して座り直した。
「あ、そうだコナン君」
「なんだよ」
随分と砕けた話し方に笑ってしまいつつも前々から聞こうと思っていたそれ、
「私の車に貼ったシール、あれ何?」
コナン君は気まずそうに顔をそらし、言って怒るなよ?と。
「それは内容による」
コナン君は本の少し悩んだようだが顔を私に向け「盗聴器…」安室さんと何か話すかもしれないと思って…
「君ってすごいな」
見事な犯罪者とまで言えば「ちょ、ちがっっ!!」と狼狽えられて声を出して笑ってしまった。そうして笑っていればコナン君はムスっとした表情になるが気にするのはやめて米花町へとたどり着いた。
「それで新一君、それともコナン君?どこに行きたい?」
「…自宅」
それが工藤邸だと悟るとハンドルをきって小道に入っていく。
「秀もいるだろうし、君の事は話さない方がいいよね?」
「ああ」
できれば灰原にも話さないでほしいとまで呟かれたのでそれじゃ、二人だけの秘密ということにしてこれからもよろしくね新一君とクスクス笑えば「絶対だからな」と念をおされ、はいはいと答えて車を止めた。
コナン君は「ありがとう」と言いつつシートベルトを外し玄関から沖矢が姿を現したのでチラリとコナン君を見下ろし、こちらに近寄ってきた沖矢に軽く手を振るとコナン君をおいて車を走らせた。行き先はポアロである。
シフトが入っているのかは知らないので運任せだが近場の駐車場に車を置き歩き出す。
久し振りの洋装であり吹き抜ける風が心地よいのだがやはり慣れはせず、違和感にモヤモヤしつつも髪をまとめ直し歩き続けポアロの扉をくぐった。
空は晴天、時刻も3時のティータイムである。店内はそこそこ賑わっており
「いらっしゃいませ~!あ!奈々さん!いらっしゃい!!」
という梓さんの声と
「奈々さん、いらっしゃいませ」
と、そう安室さんの姿もあり笑みを浮かべてしまった。というか一度安室さんに来る時はメールを送るようにと言われていたのを思い出してしまいちょっとだけ肩をすくめてみせた。そこには蘭ちゃんと園子ちゃんの姿もあり
「西澤先生、ですか…?」
なんて驚かれてしまったがその理由はすぐわかる。
「西澤先生って和服以外も着るんですね!」
というもの。
それに手をヒラヒラと振るもカウンターに腰を下ろせば
「いつものですか?」
そう安室さんに笑いかけれて頷けば
「あむろさぁん?」
なんていやに甘ったるい声がして。これは前にポアロで園子ちゃんが問いかけてきた「本当に西澤先生が恋人じゃないんですか?!」と言われたそれ。
気にはしないつもりでいたがそれでもついと視線を滑らせれば可愛らしい女性が安室さんの手を握って、まるで私を牽制するようにこちらをみやり安室さんの頬に唇を寄せて笑っている。
私、何を見せられているのだろうと考えつつもその女性は安室さんに笑いかけており何事かを囁くように安室さんに耳打ちをして、そして安室さんの腕に手を回し絡ませていようとしていたが梓さんが
「安室さーん!お願いしまーす!」
と声をかけ安室さんはスルリとその腕から離れてカウンター内へと入っていき、女性は梓さんのことを本の一瞬だけ睨むとお会計もせずに出ていってしまった。
いいのかそれ?
そんな疑問を浮かべたがまあいいだろうと安室さんはミルクティーを私の前に置いてくれて少し悩んだが私は安室さんの手を掴みそっと引いた。
そうすれば安室、いや零は「どうしました?」と呟きながら顔を寄せてきてくれたのでそっと一言
「彼女たくさんいるんですねぇ?」
あーむろさん、と笑ってみせた。それはコナン君から教えてもらったベルモットしかり今の女性しかり。
そんな私の小声の呟きに安室さんは固まってしまい
「うそうそ、」
安室さんの人生には首を突っ込まないから安心して。そうそっと囁けば何かを言いたそうな安室さんがいたのだが、他のお客に呼ばれて行ってしまい紅茶をすすっていれば安室さんが私の前にホットケーキを置いてくれて
「お代はけっこうですから」
その後口パクで「れんらくするから」と伝えられパンケーキを口に含みながら頷いた。
そのまま食べきってからお代を梓さんに渡しポアロを後にした。さて、何を言われるのかな?なんて考える私の足は随分と軽やかであろう、そっと笑ってしまった。