7年ぶりの初めまして(全39話)
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昼食を食べ始めるみんなに顔を見せ、蘭ちゃんと園子ちゃんはコナン君の分の冷やし中華を持っており
「コナン君ならさっき石栗さんの部屋に行ったよ」
と声をかけた。そうすれば二人は頷き二階へと上がっていって、私は手を合わせ昼食を食べ始めた。
そうしていればすぐ蘭ちゃんと園子ちゃんが下りてきて、どうやらコナン君は眠っているようだと耳にした。
「後で食べるだろうから今は寝かしておこう?」
その私の言葉に二人は頷くと同じように昼食を終わらせ、さっき手伝えなかったのでと立ち上がり安室さんに止められるも大丈夫だからと言えば
「じゃあ僕も奈々さんと一緒に洗いますよ」
皆さんはくつろいでいてくださいと微笑んできた。安室さんは慣れないな。そう思いつつ安室さんと肩を並べ食器を洗っていれば女性たちは「お任せしようかしら」と口にしてシャワーを浴びに行ってしまった。
全員がダイニングキッチンから出ていき実質安室さんと二人きり。園子ちゃんがニヤニヤしていたのが何故なのかは今一よくわからないが保冷剤を冷蔵庫にしまい無言で洗っていれば不意に安室さんが口を開き
「なんだか夫婦みたいですね」
なんてそれはもう楽し気に口を開き「遠い将来はよろしくね」と茶化すように笑えば「もちろんそのつもり」と笑い頭に口付けを与えられてしまった。
「誰か見てたらどうするの?」
「その時はその時ですよ、僕の恋人だと言えばいいんです」
「だめだめ」
「なぜです?」
「私、恋人いるので」
そう笑い零なのか安室なのかを見上げペロッと舌を出した。
「本当に君には敵わないな…」
それは紛れもない零の言葉であり全ての食器を洗い終えれば「はい、お疲れ様でした」と安室がニコリと笑うと額に口付けを落としてきた。
「……いつからそんなちゅっちゅちゅっちゅしてくるような人間になったわけ?」
思わず呟いた言葉に零は笑うと
「いつからかな?正直ずっとキスしたいんだ、仕方無いだろう?」
なんて首をかしげられてしまうと次の言葉は見つからず大きく息を吐き出してしまった。
「ところで奈々さん」
「はい、安室さん」
「奈々さんはシャワーを浴びなくていいんですか?」
少しだけ僕の相手をしてくださっていましたがとそこまで口にして安室は口を閉ざし考えると
「元々汗はあまりかかない体質でしたね」
と呟かれたので頷いておいた。
シャワーを浴びている女性陣とリビングでくつろいでいる男性陣とで分かれているそこに私と安室さんも混ざり麦茶を渡しながらソファに腰を下ろした。
そうしながら時計を見上げればもうすぐ2時を回るところであり梅島さんは何度か石栗さんを起こしに行ったようだがどうやらコナン君と一緒に寝ているんだろうねと談笑をしている。
けれどそうして話している間に女性陣が姿を見せ時計を見上げると3時をとっくに過ぎており不意にドンッという鈍い音がリビングに響き渡った私なんだか嫌な予感。
全員が音の元を見上げ
「石栗君の部屋じゃない?何かあったのかしら」
と梅島さんは呟き全員で二階の石栗さんの部屋へと向かった。石栗さんの部屋の鍵はかかっておりこの中にコナン君もいるのだから何がしかの反応はあるだろうけど、どうやら合鍵は存在しないというより無くしてしまったようで、安室さんが口を開いた。
「僕が鍵を開けましょうか?そういうの割りと得意なので」
と。どんな特技だよ恐いなという私の気持ちを知るはずもなく伸ばしたヘアピンで鍵を開けドアノブに手をかけたがどうやら開かないらしく、そうして僅かな隙間からコナン君と安室さんの目が合いそれはもう鋭い声で
「開けるなぁ!!」
とコナン君が怒鳴ってきた。
その剣幕に驚いたのは何も私だけではなく戸惑ったような安室さんの言葉に続きコナン君の声が無情にもその廊下に響き渡った。
「ドアを塞いでいるの、死体だから」
と。騒然としたその場だが毛利小五郎さんが警察へと連絡をいれ私は蘭ちゃん達と供にリビングへと移動した。
ここはもう警察の領分だから関わるのは止めようと私はソファに腰を下ろし程無くして到着した警官は小五郎さんとは知り合いらしい。
なんとも狭い世界だなと思ったのは内緒だが、それにしても殺人事件に巻き込まれるとはあのラケット呪われているのではと考えてしまい私や蘭ちゃん達も軽く事情聴取を行われると安室さんとコナン君は現場へと行ってしまっている。
何があっても降谷は安室になりきれていないなという感想をもち息を吐き出した。
「西澤先生、大丈夫ですか?」
「え?」
私に声をかけてきた蘭ちゃんを見つめ首をかしげれば、顔色が悪いようですけど……と。私はその言葉に笑みを浮かべると
「大丈夫、少し暑いだけ」
そう返しておいた。
そうしている間に一通りの事情聴取を終えたようで容疑者として三人が上の階へと連れられ、そしてすぐ全員が戻ってきて事件についてを話し始めた。
子供がいる前でとも思ったがなぜだかコナン君が普通の小学生には思えずまるで"誘導するように"言葉を紡いでいき事件は終息へと辿っていってしまった。
蘭ちゃんも園子ちゃんも、そして私ももう既にテニスをする気にもなれず毛利さんたちは着替えると車に乗って帰ってしまい、同じように私も着替えると安室さんと供に安室さんの車に乗りこんだ。
そうして安室ではなく零として話をしていれば不意に零のスマホが鳴り響くと零はジェスチャーで人差し指を口にあてるとウインクをしてきたので小さく頷き口を閉ざした。
そのままワイヤレスイヤホンで零は誰かと話し始めたが、それは安室でも降谷でもなくバーボンのもの。
二言三言、言葉をかわしていくそれを聞きまいと顔を窓の外に向けていればすぐ会話を終え
「奈々」
と名を呼ばれた。
「何?」
「会話、聞いてた?」
「なーんにも」
零はチラリと笑うと「内緒」と呟いて、その後はまったりとしたドライブで私を道場に送ってくれると軽く頬に口付けを与えるとヒラヒラと手を振り行ってしまった。