7年ぶりの初めまして(全39話)
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あんなことがあった日から時間は経ち「今度テニスに出かけるんだけど奈々も行かないか?」と問いかけられた私は少し悩むが顔を上げ「いいの?」と問い返せば勿論と言う言葉が返ってきて。
「と言っても、俺一人じゃなくて毛利さんや鈴木さんも一緒だけど」
と。
零…潜入捜査で危ない橋を渡っているくせに何でそんなに毛利さんたちに関わろうとするのだろうか、よく分からない。まあ、目的があっての事だろうが私は零の腕の中で零を見上げ小さく笑うと首筋に顔を寄せそっと息をする。
「零の匂いだ…」
「奈々は俺と同じ香りだ」
互いに笑いあうと私達はそのまま眠りの世界へと落ちていってしまった。
翌朝、何かが動く気配に目を覚ませば零がベッドから下りて服を着替えている所であり
「れい」
そう名を呼べば零は振り返り微笑んでくれた。それは安室でもバーボンでもなんでもないただの降谷零の笑顔。
ゆっくりと起き上がりながら身体を伸ばせば零は私の事を見つめながら渋い表情を浮かべると私に近よりなぜか零の腕の中に閉じ込められてしまった。
「れ、れい、どうしたの?」
「起き上がりの恋人の生足とか肩出しとかたまんないんだけど…」
そう言われ首をかしげつつ己の格好を思い出し思わず笑ってしまった。
「そそられた?」
「…昨日抱き潰せばよかった…」
そんな不穏な呟きも笑いのタネにしかならず私は零のことを抱き締め返し微笑んだ。
「零、私の服は?」
「待って、もう少し」
そう呟きながらぎゅうぎゅうと抱き締められ
「もう少しってどれくらいだよ」
なんて言ってしまい零は私を解放すると「あー……」ともらし零はスタスタと行ってしまった。
その背を追いかけようとベッドから下りれば洗面台にある洗濯機から私の服を取り出した。なのでと私は零の服を脱ぎ捨てると自分の服に着替え始めた。そんな私を見つめていた零はため息を吐き出しながら
「奈々って、躊躇いとか無いよな」
と一言。なのでと
「見られて減るわけでもないし」
零だし、と呟けば零は眉間にシワを寄せ手をあて大きくため息を吐き出した。
「仕事さえなければ奈々のことを抱けるのに…」
「お前さっきも同じこと言わなかった?」
どんだけ私の事を抱きたいんだよと口にすれば「奈々は違うのか?」も言わんばかりの視線を投げ掛けられ私は肩をすくめると「サッパリだ」と意思表示をした。
ところで零
「そのテニスっていつ?」
「来週末の土曜日だよ」
キャミソール短パンに着替えた私に寝巻きとして使わせてもらった零の服を被せられ
「寂しくなったら使ってよ」
なんて。
「それは零の方じゃないの?」
そう返せば零は黙りこんでしまい、私は笑うと零に抱きつき頬に掠めるような口付けを送った。そうすれば零は驚いたような表情でこちらを見下ろしたがすぐ悪戯っぽく笑うと抱きすくめられ唇に唇を触れ合わせてきた。
互いに目を閉ざししばらくそのままでいるもどちらともなく顔を離し見つめ合い笑いあう。
「来週の土曜、」
「うん」
「迎えにきてね?私も行く」
「分かった」
そうニコリと笑った零に笑い返すともう一度だけ強く抱き締めあい
「詳しくは追って連絡するから」
「忘れるなよ?」
「了解」
と二人して零の家を後にした。